茨城日産、キノコの菌床栽培本腰 農業法人設立 障害者雇用促進図る
茨城日産自動車(水戸市、加藤敏彦社長)は障害者雇用を目的に立ち上げた農業法人で、
キノコの菌床栽培に本腰を入れる。
芳醇(ほうじゅん)な風味が楽しめる「松きのこ」やシイタケの生産を拡大し、
地元の百貨店やスーパー、農産物直売所への安定出荷を図る。
規格外品を使った商品の開発にも乗り出し、
収益力を強化して障害者の雇用促進につなげる。
農業法人はジーサポート(同)で、2019年11月に設立された。
当初は茨城日産の本社敷地内に設けた栽培用ハウスで
シイタケを試験的に栽培していたが、
昨年7月に水戸市河和田町で本格生産に取り掛かった。
同所のハウスは2棟で、松きのこ用が432平方メートル、
シイタケ用が378平方メートルとなる。
事務所や設備、土地を含めた初期投資額は約8千万円。
従業員は知的障害者3人を含む11人。
3人は1日5時間ほど働き、収穫作業に関わっている。
6月の生産高はシイタケが1300キロ、松きのこが70キロだった。
ジーサポートの佐藤繁取締役(65)は
「シイタケは順調。あとは松きのこを増産できるかが課題だ」
と力を込める。
松きのこは広島県世羅町の「世羅きのこ園」から菌床を仕入れる。
マツタケに似た形で芳醇な香りが楽しめる上、
マツタケよりも安価に購入できるのが特徴だ。
ただ温度や湿度の管理が難しく、生産拡大へ試行錯誤している。
仕入れた菌床を培養室で3カ月間寝かせた後、
13日前後で1回目の収穫が終わる。
さらに休養室で休ませてから水に浸して再び発芽させる。
温度や湿度を保つため、空調や噴霧器を活用するなど工夫を凝らす。
一方、茨城日産の本社敷地内にあるハウスでは、
キクラゲの菌床栽培を試験的に始めた。
ジーサポートの藤田範子管理責任者(54)は
「中国産の乾燥キクラゲが多い中、地元産の生キクラゲにこだわって作っている」
と説明する。
ジーサポートのキノコは「京成百貨店」(水戸市)
や食品スーパーのヨークベニマル(福島県郡山市)店舗、
JA全農いばらきが運営する農産物直売所
「ポケットファームどきどき茨城町店」(同町)などに並ぶ。
8月中旬以降には、自社ホームページでも販売を始める予定だ。
収益強化では、規格外品を使った商品の開発にも乗り出した。
パスタソースを試作したり、
規格外品をマイナス60度で保管できる冷凍庫を導入したりと準備を進める。
茨城日産は障害者の雇用促進に向け、ジーサポートの特例子会社認定を目指す。
加藤社長はジーサポートについて
「障害者の方が生き生きと働いている」と語り、
「そういう場を少しずつでも増やしていければと思っている」
と述べた。
茨城新聞社
[YAHOOニュース]
いずれは全国展開して欲しい事業ですね。☄