Born Free☆ミ

　今月実施された大阪府立高等支援学校の入試では、

新型コロナ感染などで

受験できなかった生徒向けの追試験が設けられていない。


府教育委員会は

「同様に、障害のある生徒が
就職をめざすコースを持つ
他の特別支援学校へ入学を」

と勧めているが、

カリキュラムには違いがあり、学校現場からは

「生徒の思いを軽視している」

との批判も出ている。

　特別支援学校の一種である高等支援学校は府内に5校あり、

知的障害のある生徒が就職をめざして通う。


今月17、18日に面接と適性検査があり、

224人が志願。


府教委が把握しているだけで数件、

コロナ感染や濃厚接触で

受験できないという事前相談があった。

　府教委は

「一般の支援学校の職業コースでも

就職をめざすことはでき、

志願者は全員入学できる」

として、追試験を設けなかった。


ただ、一般の支援学校には、

生活自立をめざす生徒など

幅広い障害の重さの生徒が通うのに比べ、

高等支援学校では

基本的に全員が一般企業などへの就職をめざし、

より専門的な職業教育が用意されている。

　府教委は

今春に実施する他の公立学校入試すべてで追試験を設けた。


今月17日にあった特別選抜でも、

昨年度までは追試験がなかったが、

コロナ感染拡大を受け、

今月に入って急きょ実施を決めている。

　高等支援学校の受験生を抱える中学校からは、

批判の声が上がる。

　府内の公立中学の教諭は

「これだけ感染が広がる状況で、
志望校の受験が保障されないのはおかしい」。


この学校では、

コロナ関連で生徒1人が高等支援学校を受験できなかった。


生徒は「一般の支援学校は自分には合わない」と話し、

やむなく別の学校へ進学するという。


教諭は

「生徒、保護者と何度も相談し、見学もして選んだ志望校だ。

『似たコースがあるので』なんて理由では、とても納得はできない」

と話す。

　別の大阪市立中学の教諭も

「高等支援学校をめざす生徒の権利を軽視しているのではないか」

と、府教委の対応を批判する。

　府教委支援教育課の担当者は

「カリキュラムに一定の違いはあるが、

特別支援学校でも

生徒の思いや状況に合わせてサポートはできる」

と話している。