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カテゴリ:介護
障害者施設での虐待防止には「外部の目」 専門家招いた研修などを重ねる現場で職員が気を付けることとは 東京都青梅市の障害者施設「おざくSS」の職員 落合大丞被告の初公判で、 検察側は被告による入所者虐待が 2年前から繰り返されていたと指摘した。 虐待を見過ごしてきた施設側に問題はなかったのか。 事件のあった施設と同規模の別の障害者施設では、 入所者の平穏な暮らしを目指し、 ともに歩もうとする職員たちの姿があった。 目指すのは平穏な暮らし 今月上旬、稲城市の障害者施設「パサージュいなぎ」の作業場。 メモ帳づくりの合間に席を立つそぶりを見せた入所者の男性に、 女性職員が優しく声を掛けた。 「まだ帰れませんよー」 女性職員に状況を尋ねると、 「さっきおやつを食べたので『俺たち終了』 って感じになっちゃったんでしょう。 作業はもう少し続きます」 と説明してくれた。 社会福祉法人「正夢の会」が運営するこの施設は、 障害者支援の専門家から評価が高い。 入所者は おざくSSと同じように知的障害のある20〜70代の男女48人。 発達障害の一種の自閉スペクトラム症(ASD)などで 独特のこだわりがある人も少なくないが、 ここでは入所者へのまなざしの温かさを感じさせた。 執行役員の小島浩之さんによると、 入所者の中にはいつもと違うことがあると自ら爪をはいだり、 頭を壁に打ち付けたりしてしまう人もいる。 作業に集中してもらうことは、 こうした行動に向かわないよう気持ちを安定させる目的もある。 小島さんは 「入所者それぞれの特性をよく理解し、 職員全体で共有することが大切。 入所者がいかに安定して過ごせるかを一番に考え、 職員は黒子に徹して支えなければ」 と言い切る。 「誰も通報しないのは論外」 おざくSSでは虐待現場に複数の職員が居合わせていたものの、 誰も制止していなかったことが防犯カメラの記録で判明している。 正夢の会の山本あおひ副理事長は 「虐待が疑われているのに、誰も行政に通報しないなんて論外。 行政など外部の目が入れば、 自分たちがどう間違っていたのか気づくきっかけにもなる。 施設として問題点を洗い出さなければ改善につながらない」 と強調する。 パサージュいなぎは、 自閉症支援の専門家や弁護士を招いた研修などをたびたび開き、 職員が虐待を防ぐことを常に考えるようにしているという。 「虐待はどこの施設でも起こり得る。 非常識が常識にならないよう、 常に気をつけなければいけない」 入所者の居住スペースは、 リビングを囲うように個室が連なり、 中央のテーブルには木漏れ日が注いでいた。 山本さんは「緑も多くて、いいところでしょ」と笑った。 [東京新聞] 明るく、落ち着いた暮らし、 外部の目もあり、何より安心ですね。☄ にほんブログ村 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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