「本当に接客をやらせてもらってよかった」
この男性が楽しそうに接客する姿を見て、
自分にもできるのではないか、
と少しずつ輪が広がっていき、
今では9名が接客の仕事を担っている。
取材当日に働いていた精神に障害がある若者は、
「小さいお子さんからお年寄りまでお客様として来る。
良い経験になり
本当に接客をやらせてもらってよかったと思います。
会社からシフトに入っていない日に働けないか
と電話をもらって仕事をしました。
そのとき過去最高の売り上げを出したのでうれしかった」
と語ってくれた。
キッチンカーでは、
地元産のいちごや芋を使ったスイーツを販売していて、
商品開発にも障害者たちのアイディアが活かされている。
メレンゲの作り方でふわふわにする食感を工夫したり、
ホイップクリームの量を調整して味にこだわったり、
開発の過程にも積極的に携わっている。
売り上げは順調で、ランチタイムの時間帯がピーク。
常連客は女性より男性のほうが多いそうだ。
民間企業の障害者雇用“過去最高”に
厚生労働省東京労働局が12月、
障害者雇用状況の集計結果を公表した。
民間企業で雇用されている障害者は、
25万1901人(前年比5.3%増)で過去最高となった。
一方で、法定雇用率が
未達成の企業は都内に17369社もあり、
このうち障害者を1人も雇用していない企業は
9785社だった。
障がい者をサポートする
「JR東日本グリーンパートナーズ」
の伊藤佳克・総務部長、
杉原かおり・創造事業部長、
相馬美香・総務部副課長は、
「接客することで社会的規範や
コミュニケーション能力が高まり、
将来の生活にも役に立つ。
外の社会と関わりのある環境を作っていくことが、
これからの障害者雇用の目指すべき姿だ」
と話している。