知的障害者の大学教育を拓く
知的障害があっても学びたい意欲は同じ。
大学でゆっくり学べる
インクルーシブな教育環境を。
スポーツ科学部 スポーツ科学科
水野和代 講師
水野和代先生の研究分野は、特別支援教育およびインクルーシブ教育。
近年はインクルーシブな大学教育に関心を寄せ、
知的障害者の大学教育の保障、生涯学習に関する研究を進めています。
文部科学省「共に学び、生きる共生社会コンファレンス」にも関わりながら、
障害者の学びの場の充実を目指しています。
水野先生に、知的障害者の大学教育について話を聞きました。
知的障害者にとって険しい、大学で学ぶ道。
知的障害者の高等教育機関進学率は、
障害のない生徒の進学率と比べて非常に低いのが現状です。
2021年度、特別支援学校高等部卒業後の進路を見ると、
大学・短大、高等部専攻科などへの進学率は
わずか0.4%にとどまっています。
その背景には、知的障害者の多くは高校を卒業すると、
就職や社会福祉施設等への入所・通所が一般的になっていて、
そもそも進学の受け入れ先が少ないことがあります。
日本では、2014年の「障害者権利条約」の批准や2016年の
「障害者差別解消法」の施行といった社会的な動向を踏まえ、
近年、文部科学省を中心として、
障害者の生涯学習の充実に向けた動きが活発化しています。
2019年3月に
学校卒業後における障害者の学びの推進に関する
有識者会議により公表された
「障害者の生涯学習の推進方策について
-誰もが、障害の有無にかかわらず
共に学び、生きる共生社会を目指して-(報告)」
では、
学校卒業後の障害者の学ぶ場が十分ではないことが指摘され、
「誰もが、障害の有無にかかわらず共に学び、生きる共生社会の実現」、
「障害者の主体的な学びの重視、
個性や得意分野を活かした社会参加の実現」
という方向性が打ち出されています。
2024年の文部科学省
「学校卒業後における障害者の学びの支援推進事業」には、
1.36億円の予算がついており、
大学などにおける
生涯学習機会の創出・運営体制のモデル構築にかかわる
実践研究が進められるなど、
少しずつではありますが、着実に前進しています。
INTERVIEW
なぜ日本では、知的障害者の大学進学の選択肢がないのか。
米国に学ぶインクルーシブな大学教育。
圧倒的に少ない、日本での知的障害者の学びの場。
知的障害者の学ぶ意欲がもたらす波及効果。
(それぞれの内容はリンク先から覗けます)
。
見晴台学園大学のチャレンジ
見晴台学園大学は2013年に開校。
知的障害や発達障害をもち、
特別な支援を必要とする青年たちが
「自分と自然との共生」「自分と社会との共生」
「自分と他者との共生」
をめざす新しい学びの場です。
[日本福祉大学]
障がいの有無に関わらず、生涯学びの場があることが
人間にとって実に尊く、必要なんでしょうね。
是非、更に全国的に器を広げて頂きたいですね。☄
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