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2026.07.23
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カテゴリ:自閉症関連





増える発達障害 学校現場の現実 
親の不満の背景にある認識のズレ




小学校の教室で、授業中に立ち歩いたり、
場面にそぐわない発言をしたりする子どもたちがいます。


そんな時、子どものそばにいて、
授業への参加を手助けをするのが学習支援員という存在です。  

2022年に公表された文部科学省の調査では、
通常学級に通う児童生徒の8・8%が、
学習面または行動面で著しい困難を示し、
特別な教育的支援を必要とするとされています。

そのため、近年、学習支援員の重要性は高まっています。

 一方で、学習支援員としても働いた経験のある私は、
その「役割の壁」に現場で戸惑うこともあります。

また、
「学習支援員がいても変わらない」
というもどかしさを感じたこともあります。

 学習支援員の本当の仕事とは何なのか? 

子どもの未来を変える関わりとは?――。

発達支援コンサルタントで
「RIDGE SPECIAL EDUCATION WORKS」
代表の小嶋悠紀さんに聞きました。


 ◇「いるのになぜ動
いてくれないの?」

 静かに始まったはずの授業でも、
席を離れる子、鉛筆をいじる子、
先生の話に入りにくそうにしている子もいます。  

教室の空気が少しざわつきはじめ、
立ち歩くような子が出てきたときには、
学習支援員はその子に声をかける前に、
そのときの子どもの本心をつかもうと観察します。

 学校に学習支援員がいると聞くと、
多くの保護者はほっとすることもあるかもしれません。

困ったときに声をかけてくれる人がいる。

つまずいたときに支えてくれる人がいる。

学校生活を見守ってくれる人がいる。

特に発達特性のある子どもを育てている家庭なら
なおのことそう思うかもしれません。

 一方で、学習支援員に対する不満の声もよく聞かれます。

 「子どもが立ち歩いていたのに、誰も止めてくれなかった」

 「友達とのトラブルを目の前で見ていたのに、
何もしてくれなかった」  

いるのに、
なぜ学習支援員は動いてくれないのだろう。

こんな場面に出くわしたときには、
とまどいを感じてしまうこともあるでしょう。

 長年、学校現場で子どもたちを支え、
現在は発達特性のある子どもへの支援に関わり、
全国で発信を続ける支援の専門家である小嶋さんのもとにも、
同じような相談が数多く寄せられているといいます。

その戸惑いの背景には、
学習支援員の「本来の役割」についての認識のズレがあります。


 ◇わが子専属じゃない? 学習支援員の真の役割  

ここで、ぜひ知っておいてほしいことがあります。

学習支援員は教員免許がなくても務めることができます。

そのため、授業で教えること、
指導すること(教授行為)は原則として行えません。

 では、何をする人なのかというと、
担任の先生の授業や指示を、
子どもが受け取りやすくなるように「橋渡し」するのが役割です。

 指示が伝わりにくい子に声をかけたり、
気持ちが高ぶったときに落ち着ける場所へ誘導したりします。

授業に参加しやすい環境を整えることが主な仕事です。

 もう一つ、大切なポイントがあります。  

学習支援員は特定の子ども専属ではありません。

基本的には、学校全体・学級全体を支える立場です。  

「いつもわが子のそばについていてほしい」

「個別の学習時間やクールダウンの時間を確保してほしい」

という期待は、
残念ながら役割の範囲外になることがほとんどです。  

さらに、対応できる範囲は全国一律ではなく、
自治体や学校ごとに異なります。

子ども同士のトラブルが起きても、
学習支援員が直接対応せず、
すぐに教員や管理職へつなぐよう
定められている学校もありえます。

「動いてくれなかった」のではなく、
学校のルールの中で動いていたということも、実は多いのです。


 ◇「みんなと同じ」を目指さないで  

わが子が困っているとついこう願ってしまいます。

「もっと落ち着いて座っていてほしい」

「みんなと同じペースで学んでほしい」

 その気持ちは、
子どもの将来を真剣に考えているからこそでしょう。

 しかし、小嶋さんは
「その思いが強くなりすぎると、
かえってその子の可能性を
見失ってしまうことがある」
と言います。

 発達特性のある子どもを
「普通に近づけよう」
とすることが繰り返されると、
その子らしさや本来の力が見えづらくなります。  

「苦手なことを無理に続けさせるより、
その子に合った方法で
得意なことや好きなことを伸ばしていく。
そのための場として、
特別支援学級や通級指導教室があるのです」
と小嶋さんは話します。

 また、
「発達特性のある子がいると学校が大変になる」
という見方も、
小嶋さんははっきりと否定します。  

「むしろ、多様な子どもたちが共にいることで、
周りの子どもたちが多様な価値観や
人との関わり方を学ぶ機会になる」  

インクルーシブ教育においても本当に大切なのは、
一方的に「分ける」でも、
何の支援もなく「全員を同じ環境に当てはめる」でもなく、
合理的配慮をしながら
その子に合った学び方を考えることだと小嶋さんは言います。

「その子の実態を見ることが、すべての出発点なのです」
と。


 ◇勉強嫌いにさせないために  

「このままで大丈夫なのだろうか」。

学年が上がるたびに
不安が大きくなる保護者も多いでしょう。

でも小嶋さんは、こう言います。  

「大切なのは、学年に合わせることではなく、
その子の発達段階に合わせることです」  

小嶋さんが関わったある子どもは、
小学2年生から4年生まで、
ほとんど勉強をしませんでした。

友達をたたいてしまうこともあり、
学校生活にもさまざまな困りごとを抱えていました。  

そこで小嶋さんは、あえて勉強をさせませんでした。

一緒に遊んだり、絵を描いたり、
動画を見て感想を話し合ったりしながら、
その時期にその子が必要としている関わりを大切にしました。

勉強は1日10分ほどの日もあったといいます。  

「なぜそうしたのですか?」
と聞くと、小嶋さんはこう答えました。

 「勉強を嫌いにしないためです」

 できない経験やしかられる経験が積み重なると、
「自分はできない子だ」
という思い込みが生まれます。

小嶋さんは、その「傷つき体験」のほうが、
勉強が少し遅れることよりも
はるかに大きな影響を与えると考えています。  

「小学校の学習内容なら3カ月もあれば取り戻せます。
それよりも、『学びたい』という気持ちを失わないこと、
自信を持てることのほうが、その子の将来につながります」  

その子はその後、
中学校でも無理に勉強を強いられることなく過ごしました。

そして高校へ進学してから、
自分から「勉強が必要だ」と感じるようになり、
仲間との出会いにも恵まれ、
高校のホームページで、
自分の言葉で学校の魅力を生き生きと語る
(紹介される)ほど素晴らしい
模範的な生徒になったとのことでした。  

逆にその子の発達段階に合わせず無理をさせた結果、
逆効果になった例もたくさん知っている、
見てきたと小嶋さんは言います。  

◇子どもの歩幅に寄り添った支援を  

わが子のことを心配するのは、親として当然のことです。

学校生活がうまくいかなかったら、
勉強についていけなくなったら、
このまま大人になって困るのではと思うかもしれません。

しかし、小嶋さんはこう話します。

 「保護者が今心配していることの99%は起きません」  

だからこそ、
目の前のできないことだけで子どもの未来を決めつけず、
その子が持っている可能性を信じてほしいと言います。

そのために必要なのは、焦って
「周りに追いつかせよう」
とすることではありません。  

発達について正しい知識を持つこと。

そして、一人で抱え込まないこと。

今の日本には、
保護者と子どもを支えてくれる人や場所があります。

学校と協力しながら、
専門家や相談できる人の力も借りて、
一緒に子どもの成長を支えていくことが大切です。  

学習支援員も、そのチームの一員です。

ただ、役割やできることには
限りがあることは前に書いた通りです。

過剰な期待ではなく、正しい理解のうえで連携することが、
子どもにとってより良い支援につながります。  

子どもは、一人一人違う早さで成長します。

今できなくても、
自分のタイミングで大きく伸びる力を持っています。

その可能性を信じ、
子どもの歩幅に合わせて寄り添い続けることが、
保護者にできる、何よりも大きな支援です。

 学習支援員への期待と現実のギャップを正しく理解し、
「みんなと同じ」を目指すのではなく、
わが子の発達段階に合った関わりを続けること。

それこそが子どもの可能性を最大限に引き出す、
保護者にできる最大の支援です。

Hanasone

[YAHOOニュース]







授業中に立ち歩いたり、場面にそぐわない発言をしたりする子どもたちのそばにいて、
授業への参加を手助けをするのが学習支援員だ






子供の成長はそれぞれに違うもの。

焦らずにその時々の導入の仕方やタイミングを

見計らうことが大事なんでしょうね。





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Last updated  2026.08.08 06:21:36
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