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2012.03.12
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カテゴリ:ケインズ一般理論

スマイル

〔はじめに〕

炎意外なことながら、多くの識者が、古典派第一公準の取り扱い方法に、困惑されているように見受けられます。

なかには、識者Aのように、全く、何の疑いもなく、ケインズが古典派第一公準を受容したものとして、一書を仕上げている方もいます( ケインズ『一般理論』形成史 1987 )。

また、識者Tにおいては、ここで、古典派第一公準に対する異議をいかほど強調しようと、直ちに了承されることはないかもしれない、第一公準を放棄する長い道のりが、『一般理論』そのものだったからである、と述べられています(ケインズ一般理論論考 2005.p.24)。炎

識者Uはさらに、「ケインズは第二公準は否定するが、第一公準はそのまま肯定して、『一般理論』の構築を試みると・・・述べている。しかし、この主張は果たして正しいのであろうか。・・・数多くの解説書が書かれ、数多くの論文が発表されたが、・・・必ずしも十分な検討がなされてこなかったように思われる。事実、・・・第一公準を仮定するとき、『一般理論』の全体像を誤って理解することになってしまう怖れがあることをまず指摘しておきたい」と警告しておられます(ケインズ『一般理論』を読む2008.p.66)いなずま

〔まず原文を〕

ひよこ'In emphasizing our point of departure from the classical system, we must not overlook an important point of agreement. For we shall maintain the first postulate as heretofore, subject only to the same qualifications as in the classical theory;....ひよこ( 本文17P.)


熱帯魚’古典派理論体系からの離脱を強調するあまり、重要な一致点を看過してはならない。なぜなら、古典派理論におけると同じ限定条件の下においてのみ、これまでと同様、古典派第一公準を維持することにするからである。・・・’熱帯魚

上向き矢印
ここに正に陥穽とも言うべきものがあったわけです。たったのワンセンテンスを読むことが出来なかったという誠に信じ難いことが起こっていたのです。これまでと同様、古典派第一公準を維持することにする、と述べるとき、条件を付与しています。古典派理論におけるのと同じ限定条件の下においてのみ、がそれです。その限定条件を良く吟味もせず、あるいは殆ど無視してしまったと思われるケースもあります。私見に依れば、それは、

星1.社会、設備、技術一定
星2.収穫逓減
星3.非自発的失業、遊休資本設備が存在しない正常状態

が主なものであったと思います。これに準じて読み進めるならば、陥穽に陥ることはなかったと推測します。

下向き矢印
なぜなら、ケインズの念頭には、非自発的失業と遊休資本設備が存在する非正常状態があったからです。ここは、収穫逓増局面であり、古典派第一公準が立ち入る余地のないところであったのです。ハッキリ言えば、ケインズは、このワンセンテンスでもって、古典派第一公準を正常状態に至るまで先送りしたのです。かれはまた、合意点を看過してはならないと言っていますが、それは、次に示す点であると思っています。( なお、正常状態が実現した場合には、古典派第一公準が妥当すると本当に考えていたものと解釈しています )。

〔更に次の一節を〕

ひよこ' In a given state of organization, equipment and technique, the real wage earned by a unit of labour has uniquely ( inverse ) correlation with the volume of employment. Thus if employment increases, then, in the short period, the reward per unit of labour in terms of wage-goods must, in general, decline and profits increase. This is simply the obverse of familiar proposition that industry is normally working subject to decreasing returns in the short period during which equipment etc. is assumed to be constant; so that the the marginal product in the wage-good industries ( which govern real wage ) necessarily diminishes as employment is increased. ' ひよこ( 本文17P.)

通説に従って訳文を示せば、

熱帯魚' 経済、設備、技術が所与一定の状態の時、労働一単位が稼ぐ現行賃銀は、雇用量と一意的(逆)相関関係にある。従って、もし仮に、雇用が増大するならば、その場合、短期においては、賃銀財表示の労働一単位当たりの報酬は、一般的に低下するとともに、利潤は増大するに違いない。これは、以下に示すお馴染みの命題の単なる裏返しに過ぎない。

通常、産業は、設備その他が一定と想定される短期においては、収穫逓減の法則の下で操業しており、そのため、雇用が増大するとき、(現行賃銀を支配する)賃銀財産業における限界生産物が必然的に減少する。'熱帯魚

になります。この一文をもって、識者A は、古典派第一公準の裏返しとは、限界原理に基づく供給関数の採用のことであると認識されています( ケインズ一般理論形成史 1987.P130 ) 。どうして、古典派第一公準を裏返すと、マーシャルの短期供給曲線になるのか、全く理解できません。古典派理論では、

台風1.雇用が増大するとき、限界生産物は減少する
台風2.賃金は労働の限界生産物に等しい


とされています。この二つの条件の下で、どうして、マーシャルの右上がりの逓増費用曲線を描くことが出来るのでしょうか。読者にとって、判断に苦しむものです。さらに言えば、裏返しをするのは下向き矢印

くもり[お馴染みの命題]='通常、産業は、設備その他が一定と想定される短期においては、収穫逓減の法則の下で操業しており、そのため、雇用が増大するとき、(現行賃銀を支配する)賃銀財産業における限界生産物が必然的に減少する。'くもり

であるはずです。しかしながら、ここで、この[お馴染みの命題]を実際に裏返してみますと、

晴れ' 目下のところ、産業が、設備その他が一定と想定される短期において、収穫逓増の下で操業しており、そのため、雇用が増大するとき、賃金財産業における限界生産物が必然的に増大する '晴れ

上向き矢印となるはずです。

下向き矢印下向き矢印下向き矢印
従って、前掲引用文の訳文は、通常の訳本とは異なる訳し方が必要になります。ケインズは、注釈において、古典派第一公準に基づいた説明を付しています。それは、古典派から見た読み方であり、それとは別にケインズとしての述べ方があったとみられます。同じ一節で、表現上一致合意する点がありますが、読み方は、異なっていたのです。前者が収穫逓減を前提とし、後者は収穫逓増を想定していたのです。いうなれば、異なる視点に立つ両者の間に、合意点があったという次第です。そこで前掲の引用文を訳し直しますと、

星' 経済、設備、技術が所与一定の状態の時、労働一単位が稼ぐ現行賃銀は、雇用量と一意的(逆)相関関係にある。従って、もし仮に、雇用が増大するならば、その場合、短期においては、賃銀財生産に関わる労働一単位当たりの報酬、すなわち、労働コストは、一般的に低下するとともに、利潤は増大するに違いない。これは、以下に示すお馴染みの命題の正に換質命題である。

'通常、産業は、設備その他が一定と想定される短期においては、収穫逓減の法則の下で操業しており、そのため、雇用が増大するとき、(現行賃銀を支配する)賃銀財産業における限界生産物が必然的に減少する。'星

ちょき
念のため、付け加えれば、収穫逓増の下では、雇用が増大するとき、労働の生産性が向上するため、労働一単位あたりの産出高は増大し、さらにまた、収益、売上金額ともに増大しますが、労働報酬をこれと対比して見れば、労働一単位あたり報酬は低下することになります。

ここに、ケインズの本心があったと思うのは、混迷に起因するのでしょうか。そして、ここを起点として、消費性向論、乗数の理論、長期期待の理論、流動性選好の理論、資本の限界効率論を経て、正常状態に達するというのが、かれの頭の中にあったのです。このように「一般理論」を読めば、難解な書物ではなくなります。収穫逓減局面に到達する局面の分析は、新鮮に見えてくるはずです。

バイバイ
なお、古典派第一公準に基づくケインズの注釈については、下記をご参照下さい。

http://plaza.rakuten.co.jp/allegromolt/diary/201201140000/

当面する局面(収穫逓増)については↓を

http://plaza.rakuten.co.jp/allegromolt/diary/201006290000/








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最終更新日  2017.11.23 16:10:09
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