2018/12/27(木)22:35
クラカタウの状況12/27
ジャワ島とスマトラ島を襲った津波発生から5日経ちました。27日時点で、死者は430人、行方不明者は159人、負傷者は800人以上になったとのことです。お亡くなりになった方々のご冥福をお祈りいたします。また被災された皆様にお見舞い申し上げます。
さて本日、インドネシア火山地質災害対策局は、クラカタウ(正確な火山名は、「アナック・クラカタウ山」です。島名でもありますが、意味は「クラカタウの子」です) の噴火警戒レベルを「厳重警戒」に上昇させました。上から二番目の警戒レベルということです。アナク・クラカタウ山は、標高1,000m程度の大きさの山ですが、なんと1年に4m程度大きくなっています。世界で最も活動が活発な火山に一つです。今回の津波発生のメカニズムは、、現在も分析中ですが、人工衛星の画像解析などから、以下のような流れでいないかと考えられています。継続して続く火山噴火により、アナック・クラカタウ山の南側の山体の大部分が、海底部分も含めて大規模に崩落し(これは長い間の噴火活動で蓄積された火山堆積物が、一気に崩壊して被害を拡大させたのではとも考えられます)、それが津波を発生させたという図式のようです。
↑宇宙航空研究開発機構 地球観測研究センターの「だいち2号」による観測結果より。詳しくご覧になりたい方はこちらをご覧ください。
https://www.eorc.jaxa.jp/ALOS-2/img_up/jdis_pal2_eruption_anak_krakatau_20181226.htm?utm_source=dlvr.it&utm_medium=twitter
『解析:国土地理院 原初データ所有:JAXA』『 Analysis by GSI from ALOS-2 raw data of JAXA 』
インドネシアでは、2004年のスマトラ地震を原因とする、インド洋全域で多大な被害を元らした大津波の教訓から、津波を引き起こす可能性のある地震が発生した際に、警報を出すようにしていたようですが、今回は火山噴火が原因による地滑り、津波発生という形だったため警報は出ず、不意打ちの津波になってしまったようです。今後ですが、アナック・クラカタウ山の火山活動は依然続いており、今回のような津波が発生する可能性は依然残ります。大きな噴火(カルデラ噴火はないと思いますが)もあり得ますしね。まだまだ安心できるという感じではありません。現地に行く予定のある皆様は、十分ご注意ください。
それではまた。