ピークハンターではないが、長く山に登っていると求めるものも変化してくる。最近は百高山のピークハントを目指しているので、その対象を登るために扇沢からぐるっと一周した。
初日は蓮華岳を往復して針ノ木小屋に泊まった。小屋泊は楽であるが混雑するとやっかいである。今回は夏のピーク時を過ぎているためか、小屋の宿泊客は32名であった。テントの方は20張程度でそこそこの数であった。
マイテントが多いのは最近の傾向。一人で炊事して一人で食べて一人で歩くことはマイ登山として気兼ねが無くて良いのだろう。単独登山は止めましょうと言っていたことは今は訴求しないのだろうか。登山道の整備も進み、標識の設置など安全性は高まっているので何とも言えない。女性の単独も増えている。加藤文太郎の時代から見ると雲泥の差を感じる。服もおしゃれになりチャレンジャーの姿もすっかり様変わりしている。人気の秘密もこのようなところにあるようだ。
今回のコースは周回しているコースなのでトレランの人を多く見かけた。こちらはマイ登山とは少し違う。あくまでランナーの延長であって登山とは異なっている。山のトレイルのランニングが目的であり、発祥はヨーロッパにある。ヨーロッパ登山の経験から言えることは、ヨーロッパでは登山とトレランの区別ははっきりしていてトレランコースに高峰登山は含まれていない。高峰登山にはそれなりの装備が必要になるためトレランには不向きでありそもそも適さない。一方、日本の山の夏は雪渓が残るが縦走路の雪は消える。トレランに日本アルプスも含まれているのが一般的である。駆ける若者も多い。
話は変わるが、スポーツとしてのクライミングというジャンルもできている。オリンピックの種目として加えられたため、選手人口は増えている。こちらも登攀という呼び方はしない。登攀は登山用語であってスポーツクライミングとは異なった概念である。これから先、死語になるかもしれない。
登山も装備が良くなって軽量化が進み登山道の整備によって1回あたりの踏査距離は拡大している。小屋でのティータイムも楽しくできるようになってきた。種池小屋ではピザの今シーズン販売を終えることをアナウンスしていた。先月、涸沢ヒュッテのテラスで生ビールとおでんを食べ、北穂小屋で展望を楽しみながらラーメンやスパゲッティを食べて自前コーヒーを楽しんだことを思い出す。これからはコレかな?。