2004/09/26(日)19:38
◆◇ステップ7 本は積読道(ウェイ)“空中ブランコ”◇◆
帆: ぐふふふふ。
須: うおっ!(″ロ゛) な、なんですか!その不気味な笑いは!!
帆: いや~、この本が面白くってさぁ。自制してるんだけど、笑っちゃうんだよねぇ。
須: なんの本ですか?
帆: 奥田英朗著の“空中ブランコ”。
須: タイトル聞いてもピンとこないですね。どういった内容なんですか?
帆: いやね。現代の精神を煩った人を医学博士・伊良部一郎が治療するという小説なんだけど、治療される患者もそれぞれなかなかのキャラクターなんだけど、やっぱり主人公の伊良部先生が奇天烈なキャラクターでねぇ。治療してるんだか、治療されてるんだか分からないところがおもしろいんだよ。
須: どういうことですか?
帆: いやね、この伊良部先生はデブで不潔な中年のおっさんなんだけど、おまけにマザコンで、子供以上のわがままなんだよね。
須: そんなんで他人の精神の病を治せるんですか?
帆: そこがこの本の魅力なんだよぉ~。ある人は伊良部先生の駄目さ加減に我に返ったり、ある人は伊良部先生のことを心配するあまり悩みを忘れちゃったり。
須: わははははは。
帆: そこらへんのストーリー構成が痛快で笑わせられるんだよねぇ。だから直木賞受賞できたんだろうけど。
須: えっ!それってすごいですね。あの有名な直木賞ですか!!(°O° ;)
帆: と、みんなよく驚くんだけど、直木賞ってどんな賞か知ってる?
須: ・・・いえ。
帆: じゃあ、芥川賞との違いって知ってる?
須: ・・・いえ(T-T)
帆: 直木賞と芥川賞は共に文藝春秋社の菊池寛という人が立ち上げているんだ。文藝春秋で活躍していた作家、芥川龍之介、直木三十五両氏が亡くなったことを受け、両氏の名を冠した賞を設けることで文藝春秋及び文壇を盛り上げよう!というのが目的だったらしい。
須: それはまた故人をアグレッシブに活用した例ですね・・・
帆: 賞の対象者は、直木賞が「大衆文芸の新進作家」に、芥川賞が「純文芸の新進作家」にということになっているらしい。
須: 新人作家がベストセラー作家になるための登竜門的な役割なんですね。
帆: ところが、最近の定義では直木賞は「各新聞・雑誌(同人雑誌を含む)あるいは単行本として発表された短編および長編の大衆文芸作品中最も優秀なるものに呈する」「無名・新進・中堅作家が対象となる」とされていることからも、対象者が新人作家だけではなく、作家全体に広がっているといえるよ。
須: へえ~。時代と共に賞の役割が変わっていったんですね。
帆: そうだね。既に130回を越える伝統的な賞だからね。歴史ありって感じだよ。年2回の発表で今年はこの間2回目の発表があったから次は来年だね。
須: そうですか。ちょっと注目して、受賞作品読んでみようかな。
帆: おうっ!(^_^)ノ 是非、「空中ブランコ」と前作「イン・ザ・プール」を読んで見てくれ。
須: 分かりました!自分でも買ってみます。ところで、ひとつ言いたいことがあるんですが、課長。
帆: ん?
須: 会社では読書せずに仕事しましょうよ。
帆: (☆゜o゜)
【参考サイト】
・直木賞の全て
http://homepage1.nifty.com/naokiaward/index.htm
・YOMIURI BOOKSTAND
http://www.yomiuri.co.jp/bookstand/news/20030706_01.htm