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アラビア書道とその周辺

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2007.06.25
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カテゴリ:陸上競技
今日(6月25日)、30年ぶりに大学の先輩でもあり、陸上部の先輩でもある方に会ってきました。

現在、彼は奥さんと一緒にケニアのナイロビ郊外で幼稚園を2ヶ所運営しています。うち一ヶ所は普通の幼稚園でナイロビ駐在の外国人など比較的裕福なこどもたちが通っていますが、もう一ヶ所はスラムの子供たちのための幼稚園です。

ケニアは日本でも有名な観光国ですが、目立った資源もなく、外貨を稼ぐのはコーヒーぐらいしかありません。大きな収入源は援助で日本も米国に次いで第二位の援助国です。ケニアはサバンナ地域で土壌は乾燥しており、干ばつやバッタの大発生などがしばしば起こり、その度に貧しい農民が首都ナイロビになだれ込んで、あちらこちらにスラムを形成しています。スラムで生まれた子供たちはスラムで一生を過ごすしかなく、犯罪などに染まって行くしかなかったのです。

彼は奥さんとともに、現地に幼稚園を建て、スラムの子供たちに教育し、自活できるようにと考えました。多くの問題はあったものの、何とか幼稚園は開園でき、全く何もできなかった子供たちも幼稚園に通ううちに、行儀作法を覚え、成長し、現地で評判となりました。ところが幼稚園を卒園しても結局学校に行くことができないため、スラムに戻るしかない現状がありました。こどもの親たちからは学校も作って欲しいという強いリクエストがあり、結局1~3年生までの学校も併設するようになりました。

ケニアの学校は8年生ですが、施設は手狭になり、これ以上人数を増やすことができなくなったため、新たに土地を購入し、学校を建てようということを決心されました。
事業には全部で5,000万円相当もかかる大プロジェクトです。建物については、それでも、色々な公的資金援助が可能なものの、土地購入代2,000万円は自ら工面する必要があります。今回同氏が一時帰国したのは、この土地購入の為の資金を何とか集めるべく、全国の企業、団体や学校を回っているとのことです。

ここは、ほとんどがあらゆる援助で運営されていますが、子供の親たちにも、わずか3%ですが授業料を徴収しています。つまり親たちにも教育の大切さを認識して貰うためです。

大学時代、彼は陸上競技部の先輩で見るからに精悍という感じで、年齢不詳、学生寮の主的存在で、我々は“超人”と呼んでいましたが、1977年にエチオピアへ海外青年協力隊で派遣されたあと、全く音信不通で、多分ライオンでも追いかけているのだろうぐらいにしか思っていませんでした。ところが突然2006年に彼と同郷の陸上部OBから連絡があり、彼の居所と彼の仕事が判明し驚きました(詳細は 2007年5月20日付「アフリカンフェスタ2007からケニアの先輩へ」を参照)。

その後、現地に居られるときに、e-mailで何度か交信したあと、今年、上記理由で帰国された際、連絡がつき、今回会える運びとなったものです。

今日久しぶりにお会いして、食事をしながらほぼ2時間以上今までお互いの遍歴を話し続けました。大学時代は、何せ相手は超人ですので、ロクにお話する機会がなく、どんなことを考えておられたのか全く知らないうちに、私の方が先に卒業することになりました。

エチオピアに行ったものの内戦のため、結局何もしないうちに帰国せざるをえず、同氏は不完全燃焼のまま、アフリカへ渡る夢を捨てきれませんでした。ケニア大使館で働いたり、農業訓練を受けたり、スワヒリ語の勉強をし、そして牧師になって、ついに再度アフリカに渡ることができました。そして結婚もし、現地の子供を養子に取り、現地に幼稚園を開園し、更に学校まで建てようとしています。もちろんケニアに骨を埋めるつもりです。「教育はこれでお終いということはない。まだまだ、やることはいくらでもある。」と最後に言われていました。

ケニアは、最近有名になったのはノーベル平和賞受賞者、そしてMOTTAINAIキャンペーンの名誉会長を務めるワンガリ・マータイ女史ぐらいでしょうか(彼は彼女の通訳もやったことがあるとのことですが)。アフリカの国では珍しく部族紛争が少なく治安は比較的安定していますが、これも資源がないことによるものだそうです。

もちろん世界中にはこのような日本人はたくさんいると思いますが、そのような方が身近にいて話を聞けることができたのは素晴らしい事だと思いました。


参照: 「赤道の国で見つけたもの」 市橋さら著 光文社 (彼の奥さんが書いた本)
ホームページ: http://www.kdn.ne.jp/~amani/sasae/

赤道の国で見つけたもの(ナスヒー書体)





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最終更新日  2007.06.27 06:48:25
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