アラビア書道とその周辺

2008/08/09(土)10:57

イスラム教徒の子供さんは大変です。

イスラム(52)

日本でイスラム教徒の方が生活するのは色々難しいということはチラチラ聞いていましたが、まだ大人の世界では何とかなるものの、結構大変なのは子供さんがいる場合です。 イスラム教徒の子供が普通の公立学校に通う場合にはいろいろ気を付ける必要があります。 最近は学校側もイスラム教徒の子供たちに対する理解が少しずつ浸透してきているので、比較的偏見は減りつつあるとのことですが、地域によってそれも大分異なるようです。 関西で言えば、神戸などは外国人も多く、周りにアラブ人も多く住んでいるので、住民の理解はある程度できているのですが、大都市近郊の都市では、まだ偏見をもっているところが多く、イスラム系の子供たちがいじめにあうことがよくあるそうです。 給食はお母さんも大変です。 事前に給食の献立を取り寄せ、おかずの中にイスラム教で食べることを禁じているものが含まれていないかよーくチェックしなければなりません。よく分からないおかずの場合は学校に聞いて原材料を細かく聞き出さねばなりません。 もし何かひっかかるものが含まれている場合、そのおかずを食べないように子供に言ってから、こどもには別途おかずを作って持たせる必要があります。 厳しい家庭では、日本の給食のおかずには、だいたい醤油と酢が使われてしまっているので、まず食べさせることができないとして、全てお弁当を持たせているケースもあるとのことです。その方がある意味、楽かもしれません。でもこの場合、最近問題になっている、給食費はどうなるのかなと思います。 今年は9月1日からラマダン月が始まります。 子供はラマダンに断食する必要はないのですが、だんだん子供が大きくなってくると、断食に参加したいという子供も出てきます。また、なるべく早く参加させたいと親の方でも思うようになります。ラマダンの断食ができるようになると、立派な大人の仲間入りというような雰囲気もあるようです。 子供ですので、ラマダンを始めると、授業中に異常に空腹になったり、喉が渇いたりしやすくなります。体育の授業に果たして参加させるべきかどうかも考えなくてはなりません。水泳も下手をすると水を飲んだりしてしまいます。 授業後にクラブ活動に参加している子供さんは更に大変です。 給食の時間中にも、皆が食べている中、一人だけ食事をせず、我慢するというのも可愛そうな気がします。 その子供だけ別の部屋に隔離するということも考えられますが、安全の問題から、そのまま放っておくわけにも行かず、先生が付いている必要もあります。 何人か複数の同じようにラマダンを守っている子供がいる場合はまだ良いのですが、一人の場合は更に困ります。 インターナショナルスクールなどはその辺の対処は分かっているため、かなり柔軟に取り扱ってくれるようですが、普通の公立の学校では、時々トラブルがあるようです。 このように親、特に母親は毎日大変ですが、その分、親と子の関係は密接ですし、また学校との連絡も頻繁に行われ、学校との話し合いもよく行われるため、子供を無責任に放任したりするような家族がないというメリットはあります。 余り日本の新聞で取り上げられることはないのですが、実際にこのような環境にあるお母さん(書道をされている)からお話をお聞きすると、問題がいくつも出てきます。

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