アラビア書道とその周辺

2008/08/30(土)08:22

西アジア細密画は美しい

催し物(396)

今日イラン大使館に行って来ました。 そこで荒木郁代さんの「西アジア細密画作品展」を開催していたためです。 荒木さんはペルシア細密画の日本の第一人者で、CDのジャケットにも使用されています。 イラン大使館は東京メトロの白金高輪駅から歩いて10分ぐらいのところにある、非常にモダンな建物で、そのB1にパネルを立てて作品が展示されてありました。 以前から何度か荒木さんの作品を見たことがありますが、どの作品も非常に緻密で、全て手書きとは思えません。 作品自体はそれ程大きくありませんが、その一点一点がなかなか手が込んでいます。 作品の多くはペルシアの古典からの挿絵、また有名な四行詩のルバイヤートなどから取られています。 展示されていた20数点の中に3点だけアラビア書道の作品がありました。 ナスヒー書体で書かれたコーランの開端章と同じくディーワーニ書体で書かれたもの、それに聖書の一文をスルス書体で書かれたものです。 書道も荒木さん本人が、竹筆を使って書かれたものです。 やはりアラビア書道はこの細密画によく似合うなと思います。 額装も凝っており、マット紙に特殊な和紙を使用するなど、色々参考になるところがありました。 作品を一通り見た後、その場におられた荒木さんと少しお話しました。 荒木さんは毎年生徒さんと合同での作品展はされていますが、個展をされるのが今回が初めてということです。 一つの作品を作るには、最低1ヶ月、大きいものになると1年ぐらいはかかるとのことです。 アラビア書道は本田先生に昔、手ほどきを受けたことがあるとのこと。 今回アラビア書道が入った作品を作ったが、アラビア書道は大変力がいるので、書道を書き終わった後、手が疲れているので、非常に繊細なタッチで色を入れてゆく細密画を描くことは難しいとのことです。 アラビア書道では、周りのデザインをする人が書道をする人と別々なのが分かったような気がしました、と言われていました。 荒木さんは根気と時間があれば誰でもできる、と言われていましたが、そんな生やさしいものではありません。 私も一時、朝日カルチャーセンター横浜で細密画の講座があった時、受講したことがありますが、小さな花一つを描くのに何時間もかかり、3回ぐらいでギブアップしました。 使用した筆は今でも残っていますが、非常に細くてコシのある筆を使います。また、本物の金が入った絵の具は非常に高かったことを憶えています。 このイラン大使館での個展は今日29日が最終日ですが、11月に吉祥寺で恒例の生徒作品展を行うとのことで、詳細が決まりましたらご連絡を頂くことになっています。もちろん、こちらも10月のアラビア書道生徒作品展の連絡もしておくつもりです。 作品の一部

続きを読む

このブログでよく読まれている記事

もっと見る

総合記事ランキング

もっと見る