2008/09/08(月)11:59
デトロイト・メタル・シティは少しレトロ調
デトロイト・メタル・シティという映画を見ました。
内容は、世界の人が夢を持てるような音楽を目指し、上京した若者がどういう訳かデトロイト・メタル・シティ(略してDMC)という悪魔系ヘビメタバンドのギタリスト・メインボーカルのクラウザーをする羽目になり、それがまた意外に受けてしまい、現実と理想のはざまに悩むという話です。
ヘビメタ音楽は、あの騒音の中、トンデモない歌詞を怒鳴り、ど派手な衣装を着てステージを暴れまくり、何が良いのかと思うのですが、どうも怒りの吐露と発散ではないかと思いました。
ロックに比べ、その怒りの発散の仕方がより過激で直截的です。
若いうちは感受性も高く、本来怒りもたくさんあるはずなので、このような過激な音楽でそれを一気に発散するのでしょう。その証拠に年齢を重ねるとこのような怒りがだんだんなくなり、丸くなり、ヘビメタをしている人もほとんどいなくなります。
一方、これだけ正反対のキャラを演じることができれば人生は楽しいだろうなと思います。もちろん映画の方の設定ではギャップに悩む若者ということになっていますが、ある意味人生を2倍生きているようなものです。
また、最近流行りのカミングアウトのように、「えっ、あの人があんなことを!!」的なことのある人生はある意味非常に楽しいのではないかと思います。
松山ケンイチという現在売り出し中の若い俳優さんが主演ですが、オリジナルは漫画のため、映画の方の造りもかなり、漫画チックになっています。
入場者のほとんどが若い女性で明らかに松山ケンイチさんを見に来たのだと思いますが、そうでなくても、宮崎美子さんが若いお母さん役になって大分弁を喋っているシーンがあったり、あの「フラ・ガール」ではダンスの先生をしていた松雪泰子さんがDMCの狂気の女社長を演じていたりしています。
ヘビメタの演奏部分を除けば、昭和レトロタッチな服装や風俗もチラチラして、全体的にゆるいタッチで映画は進行して行きます。
まあ、松山ケンイチさんのヘビメタ姿が余りにも板に付いているのを見るのも結構面白いです。しかしヘビメタ風に顔を塗ってしまうと、本当に誰が誰か分からなくなりますね。