アラビア書道とその周辺

2011/02/11(金)12:05

ウズベキスタンとアラビア書道

アラビア書道(727)

ウズベキスタン大使館に行ってきました。 目黒駅からタクシーで10分ぐらいの、閑静な住宅街の真ん中にある大使館で、元々は日本の住宅を改修して作ったような建物でした。 応対してくれました担当者は非常に体格の良い、日本語がうまい男性でしたが、慶応大学に留学した経験もあり、レスリングもやっていたとのことでした。 ウズベキスタンで今般、アラビア書道の本を出版したのでこれを日本に紹介したいのでアイデアを出して欲しいというのが内容でした。 ウズベキスタンにも財団があり、日本の大学と共同でシンポジウムを開いたりと、近年文化事業に力をいれているとの話がありました。 出版されたアラビア書道の本を見るとかなり分厚い本で英語とウズベキ語でアラビア書道に就いての説明と所蔵の作品の写真に多くを割いていました。 アラビア書道の作品はウズベキスタンだけではなく、その他の地域の作品も混ざっていましたが、スルス書体はほとんどなく、ナスヒー書体やペルシア書体が多く、かなり偏っている感じでした。またアラビア書道だけではなく、ミニアチュールの作品もかなりのページを割いていましたが、余り微細なものはなく、資料的な価値はありそうですが、ちょっとアラビア書道的には中途半端な印象がありました。 アラビア書道とは余り関係なさそうな国ですが、実はイスラム教徒が人口の80%を占めており、モスクもたくさんあります。 また言語は、ウズベキスタン語というトルコ系の言葉が主に使われています。 その表記方法は1992年以降ラテン文字になりましたが、それ以前はキリル文字(いわゆるロシア文字)が使われていたので両表記が混在しているようです。ただ中国のウズベク族は改良アラビア文字で表記しています。ということでアラビア文字も現役です。 ウズベキスタンはOIC(イスラム諸国会議機構)の一員でもあります。 イランとロシアに挟まれた中央アジアの国で二重内陸国です。つまり、海に出るのに最低2ヶ国を通過しないと出られない、内陸国中の内陸国ということになります。代わりにアラル海という巨大な湖がありますが、灌漑のしすぎで水が急速になくなり、塩湖になりつつあります。 ブハラ、サマルカンド、ヒヴァなど見るべき遺跡もかなりあり観光資源は豊富です。 意外にアラビア書道をしている生徒さんにもウズベキスタンに観光で行ったことがある方が多く、印象も良さそうです。 日本から直行便だと成田から関空経由で10時間ぐらいで行けます。また、大韓航空でソウル経由でもフライトがあり比較的便利です。 最近、中東諸国が国内で紛争が起きているので、秋に検討しているアラビア書道ツアーにウズベキスタンも面白そうだなとちょっと思いました。 アラビア書道を行っている施設もありそうです。ただ、この国も1991年の独立以降、イスラム・カリモフ大統領のほぼ独裁政権になっており、その点は少し心配ではありますが。

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