アラビア書道とその周辺

2011/08/03(水)01:21

雑誌Penの特集はイスラム

本(32)

お稽古に行く途中に駅の売店を何となく見てみると、鮮やかなブルーのモスクの写真の表紙が目立つ雑誌が目に止まりました。 それはPenという雑誌で少し気取った感じのある、ちょっと高そうな商品の広告が載っていたりする男性誌でした。特集の表題は「ムスリムとは?モスクとは?いまこそ知りたい、イスラム」完全保存版となっています。 内容は非常に基本的なことが多いです。 世界の有名なモスクの写真あり、イスラムの基礎知識あり、コーランの説明あり、キリスト教・ユダヤ教とは何が違うのかの説明あり、となかなか盛りだくさんですが、いずれも2~3ページでコンパクトに纏めてあります。 面白いのが、普通のサウジ人の一家の生活が写真で紹介されているところです。もちろん奥さんは写っていません。ただランチの食事がキュウリ、トマト、オレンジジュースと牛乳しか見あたらず、寂しい感じです。対照的なのがちょっとリッチそうなパキスタンの家族で一家総出で写真におさまっています。 イスラム美術や工芸も少し紹介されていますが、残念なことにアラビア書道については皆無です。 個人的に一番面白かった記事は「仏教者の考える、イスラム思想の魅力とは。」という題名で、元東大寺別当の森本公誠氏がイスラム教について語っているところです。実は大学の授業で同氏よりイブン・ハルドゥーンの「歴史序説」の講義を学んだ記憶がかすかにあります。余り難しくて寝てばかりいたのですが、なぜ仏教者がイスラムについて教えるのかという疑問とともに習っていた覚えがあります。 同氏は、戦後日本仏教の役割が分からなくなったところに、いまだに人々の心の支えになっているらしいイスラム教について、どこにその魅力があるのかを探るために学んだ、言われています。個人的には日本仏教のふところの広さも感じました。

続きを読む

このブログでよく読まれている記事

もっと見る

総合記事ランキング

もっと見る