天翔ける鳥船

2004/08/04(水)13:08

「高齢化大好機」堺屋太一

NTT出版 ビジネスリーダーシリーズ 堺屋さんといえば、「油断」から始まり、「団塊の世代」で有名です。この本も結局、「団塊の世代」の話といえるでしょう。 なにしろ同一年代に人口が集中しているのだから、その人たちが、若者のときは、若者文化が変わっていったし、そして今度その世代が高齢化するにあたり、いままでとは違う高齢者像が出来てきたということでしょうか。 「金持ち・知恵持ち・時間持ち」の高齢者は「老人」ではない。 「70歳まで働くことを選べる社会」 たしかに、学生の頃は時間があってもお金がない。で、就職するとお金は稼げるようになるけけれども、いまの会社社会だとなかなか長期休暇はとれない。そう考えると、退職後っていうのは、ある程度のお金とたっぷりの時間があるってことですよね。 しかも昔の60歳、65歳と違い、今の60歳は元気な方が多いです。たしかに、時間をたっぷりつかった趣味の旅行は高齢者が多いというのは当然でしょう。 気になったこととして、 かつて人間の集団は、血縁社会からはじまり、同じ血を持つものたちがかたまって暮らし、その後、地縁社会となってきました。その後サラリーマンが増え、職縁社会となり、地元とのつながりが切れてきが、この終身雇用が崩れてきて、職場の縁にかわる社会がないという指摘がされています。 昔のような地域社会が崩壊していくにつれ、いままで口伝で伝えられてきた地域とのつきあい方、慣習など年寄りの知恵が必要なくなってきています。家を出た子どもの側から見ると、実家に帰る必要がない。親の知恵も、親の人脈も必要ない、あとはお金だけ。 離れていく子どもや孫をつなぎ止めるためにお金を使うのではなく、子どもや孫から見ても有用な、魅力のある人間になることという話もなるほとなと思います。

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