天翔ける鳥船

2004/09/03(金)12:54

「忘れ雪」新堂冬樹

小説(34)

角川書店 私は忘れ雪に願う、春に奇跡が降ることをーー。 感動と奇跡の”純愛小説”(ピュア・ストーリー) 普段は買わないハードカバーの小説ですが、感動したから、とほとんど押しつけられるように借りてきました。しかし、506ページあるハードカバー。電車の中で読むには重い(重量も内容的にも)と思い、借りてきた袋のままで・・・ 「どうだった?」聞かれて思い出しました。それで、帰宅してから夜読み始め・・・結局2時近くになって一気に読み終えました。 両親を交通事故で亡くし、伯父の家に引き取られた小学6年生の女の子が、公園でけがをした子犬を見つけた。彼女の伯父の家は、事業が破綻し、引き取った姪を京都の弟のところに送ろうという相談をしていた。それを聞いてしまった彼女は、学校帰りに公園によったのだった。どうすることも出来ずに子犬を抱きしめていた彼女に声をかけたのは、近所の獣医の息子だという高校生だった・・・・ 初めてあった公園で降っていた淡雪、それは彼女の心を占め、8年がすぎ、そして・・・ この小説の中で、印象的なクイズがありました。 「恋人が、魔女に魔法をかけられて蛇になってしまいました。あなたならどうする? 1 気づかないふりをする 2 なんとか魔法を解こうと努力する 3 自分も蛇になる さあ、選んで?」 1を選んだもの、2を選んだもの、そして3を選んだもの。 単なるクイズ、なのですが、その後のストーリーを考えると、それがいいかどうかは別にして、そうだったんだ、と思いました。 登場人物たちの行動・考えについては、あまり同感できない部分があるのだけれども、それはそれとして、魅力ある、哀しい、引き込まれるお話でした。

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