天翔ける鳥船

2004/12/04(土)20:52

「タイトロープダンサー STAGE2」久能千明

BL(39)

リンクスロマンス(幻冬社) 「青の軌跡」シリーズ 「青の軌跡(上)(下)」「カタルシス・スペル」「クリスタル・クラウン(上)(下)」「バロック・パール」「ペルソナ・ノングラータ」「ファントムペイン」「タイトロープ ダンサー STAGE1 STAGE2」 新惑星をめざす惑星探査船。その船は、コンピューターによって精神面、身体面とも最高の相性と判断された文官と武官のペア、”バディ”たちによって運行される。長期間の運行には、担当の順番まで冷凍睡眠で待機する。惑星探査船ジュール=ヴェルヌのセカンドクルーである三四郎が目覚めたとき、彼の相手は、月生まれの美貌の男カイだった。 ジュール=ヴェルヌは2組のクルーによって運行される。文官である月人のカイと武官である元傭兵の三四郎。もう一組は温厚で元大学講師の大男の文官ロードと連邦政府の軍人でグラマラスな美女のサンドラだった。 本来なら、何事もなくすぎるハズの航海が、様々な事件が発生。今回、「タイトロープダンサー」では、漂流船を発見、救助に向かうが、その船は謎のメッセージを残し爆発してしまう。そのメッセージを見た三四郎は、「ジュール=ヴェルヌ」からの逃亡を図る。任務を放棄しようとした三四郎の決意が固いのをしったカイは、「特別任務」という形で、シャトルで三四郎とともに目的地をめざす・・・・。 話としては、「ペルソナ・ノングラータ」の続きのようなストーリーです。 生き抜くための傭兵暮らしが長く、破天荒な行動力とそれを支える技術を持つ三四郎と、マニュアル人間で常にバイザーをかぶり冷たい美貌のカイ。 カイは月人。月人の多くは快楽思考で、性的モラルが欠落している。そんな月人であることを知られることをいやがるカイは、月人の特徴であるカレイドスコープ(万華鏡)の瞳を隠し、クールな態度を崩さない。昔の「月人」そのものの自分に返ることをおそれている。そんな彼の殻をやぶってきたのが三四郎だった。そんな”仲”になっても、相手に負けたくない。そんな二人の緊張に満ちた関係は読んでいてスリルがあります。 今回は2冊では終わっていません。ツアルノルテからの独立をめざすマンダレイの争いに巻き込まれてしまった三四郎とカイ。「ペルソナ・ノングラーテ」で登場した司令官でマンダレイの王族の最後の一人であるマジェラの救出(誘拐?)作戦になりそうです。 タイトロープ ダンサー STAGE2 【本日の言葉】 p48 言葉にした方が負け、相手より先に動いたほうがこのゲームに敗れるのだという無言のルールで、二人は相手よりも優位に立とうと見えない火花を散らしている。互いに言わせたい言葉があって、それを自分から言うのは負ける気がしてーー。

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