2006/05/04(木)23:24
「天を支える者(古戀唄 4)」前田珠子
天を支える者(古戀唄 4)
コバルト文庫、「天を支える者」外伝4巻目
本編がまだ2巻しか出ていないのに、外伝は4巻目。もう本編の話の記憶が薄れてきてしまいました。
ディエーン王国の柱神の代替わりが近づいてきた。そして次代候補として、アマンシールが選ばれてしまった。柱神は国の守護者。もともとは人間であったが、柱神に選ばれることによって変化し長い寿命を生きる神となる。しかし、柱神の代替わりは、国内の争いを生み出した。柱神が変わるときに王朝が変わる、しかも次代の柱神を生み出した一族が旧王家を滅ぼすのだという。
アマンシールは国内でも屈指の名門であるファラスース侯爵家の3男。王家と縁戚関係にあるとはいえ王族ではない。しかも王女(実は王の妹と隣国の柱神の娘)クランクレイアと7年越しの恋をやっと実らせたところだった・・・
次代の柱神をめぐる陰謀、暗殺される関係者。そんな中で、「ディエーンの安全を守り」「ファラスース家を守り」「数奇な運命に見舞われた末の侯子の安全と未来を守る」その3つを念頭に事態に対処してきた侯爵と上の2人の息子は、すべてを守るということが困難であることを知った。
何を最優先すべきか、そして何を切り捨てるべきか・・・
これは「外伝」ということで、本編の主人公に対して語られた古い恋歌という形で始まりました。
ですから、結果はすでに見えています。それでもやはり、どうなったのか、どう解決したのか、気になります。・・・・それにしても1巻ですでに完結した短編がこんなに長くなるとは思いませんでした。さすが・・・というか・・・
【本日の言葉】
p115 「お前が、勝手に自己完結するのは自由だって、言えないこともないけどな、それがクランクライアさまの意志をとことん無視した傲慢な行為だって自覚ぐらいは持てよ?」