徒然日記

2011/07/23(土)07:35

俵万智「トリアングル」を読んで

本(27)

恋愛 俵万智のエッセイは好きで昔読んでいたのですが、小説を書いていたのは知りませんでした。ちなみにこの作品が処女小説のようです。 トリアングルはフランス語でトライアングル(三角形)のことのようです。 トリの視点(アングル)と捉えても面白い、と作者は考えているようです。 不倫も含んだ三角関係が綴られています。恋愛小説にしては性描写がちょっと弱いな、と感じる部分もありましたが、エッセイしか知らなかった私は俵万智さんがこんな刺激的な文章を書くなんて、と驚きました。 また、恋愛の短歌はかなり刺激的です。 彼女も言っていますが、源氏物語の時代は不倫が結構当たり前(結婚の制度も今ほど確立していない)ようだったのですね。 俵万智さんの考えはとても共感できます。 例えば、 分かっていてもあえて突っ込まない姿勢。 裏を取ってしまっていることをあえて言わない。 何事もはっきりさせすぎないことが、人間関係を長く続かせる秘訣かもしれません。 前にある美容院に行っていたのですが、根掘り葉掘り聞いてくるのが嫌で通わなくなってしまいました。腕も確かで、金額も安かったのですが。 あと俵さんの好感が持てるところが、難しい漢字を余り使わないところです。 彼女はワードプロセッサののころからコンピュータを使っており、変換機能の便利さは分かっていたのです(エッセイに書いてありました)ただ文章のやわらかさを表すために敢えてひらがなを用いているのです。ちなみにワープロを使う前と使った後と文章の違いがあるかとファンにどの時期でワープロになったか聞いてみたところ、当てられなかったようです。 難しい思想書は難しい漢字を使ってしまうことが多いようですが、ライトノベルで難しい言葉にルビなしの本に出会うと、この人は格好つけたがりかなと感じます。 88点(85点と90点とで迷いましたが、俵さんの珍しい小説に出会えた幸せをめでたい数字であらわしました)

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