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ペルーアマゾンの泥染めとシピボ族の人々

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2024.03
2008.03.21
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カテゴリ:ペルー生活
金塊マジック 2 つづき 

白髪にネクタイのドクターが金をチェックするための液体と金の両替リストを持って戻ってきた。

そのリストによれば、小さな金貨一枚で150ドル(1万4000円位)ほどになる。
おばさんはポケットからさらに金貨を出して言った。
「実はこの金貨はこれだけではなく、さらに大きな鍋に2杯分あります。農作業で畑を耕していたら、突然、古代の壺などと一緒に革袋が出てきて、そこに金貨がざっくざっく・・・・」
「さらにこんなものもあるんだけど・・・・」ノートを破った紙に無造作に包まれていたのはずっしりと重い金のかたまり。

「この塊があと20個あります」
「・・・・・・・・・!!!!!!!」
「信じられないような話だねえ・・・」
私はへらへら笑いながら、しかし、完全に信じていた。あり得る話だと思っていた。
しかしこれらの金に相当する金額はすでに想像できない。

彼女の田舎というのはカハマルカという山岳部の地方都市だが、古代文明の発達した土地であり、大量の黄金がその地に集められたという歴史もある。古代の宝を掘り当てる墓泥棒「ワケーロ」という商売だってある。

金貨も、金の塊もどうやら本物だ。土の中から出てきたというなら本物に違いない気がしていた。
「で、その他の金はどこにあるのか」
「バスターミナルで、妹が見張っている」

白髪のドクター「まず、あなたに意見を聞きたい。あなたならまずどうしますか?」
私は言った。
「すぐにバスターミナルに行きましょう、泥棒が多い場所にあってはとても危険です。それを両替してから銀行に口座を作ってすぐに預けるべきでしょう」他には思いつかなかった。
もともとバスターミナルは人が見張っていても荷物を泥棒に持っていかれる場所である。しかも頼りない若い女の子が見張っているだけだという。私は早く行かなければと焦った。

このおばさんを助けなければならない。今日はとことん付き合おう、と心に決めた。

おばさんは我々が助けることになったことを神に感謝し、そして、ひとつかみの金貨をお礼にあげますとしきりに言っている。金貨も嬉しいが、それよりも、滅多にない面白いネタだと思っていた。最後まで追求し見届けたいという異様なほどの好奇心は私の奥底に眠るジャーナリスト魂を蘇らせるものでもあった。私はこのようなパターンでは、人を助けずにはいられない性分である。

でも。この話をここまで聞いて、「そんなことにそこまで付き合うなんて」とあきれている人も半分以上いるはずだ。ペルーでは、まず、人の話を聞いてはいけない、これが第一歩だったりする。

まだまだ話はつづく
読んでくれてる人は偉いです。





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最終更新日  2008.03.21 23:46:54
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