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カテゴリ:月刊アマゾン屋だより
今回新しいお客さまに説明させて頂くために、アマゾン屋に関する簡単な紹介をまとめたパンフレットを作りました。内容はホームページに書かれていることですが、ちょっと手を加えたりしました。これからホームページも改訂しなければならなりません。「アマゾンの泥染めって?」という方には是非読んでいただきたいです。
**************************************** 太古の森からのメッセージ アマゾンのシピボ族と泥染めを守りたい! ●ペルーのアマゾン地帯? 南米ペルーというと世界遺産「マチュピチュ遺跡」の方が有名ですが、ペルー国土の6割はアマゾン地帯に属し60以上の種族、約30万人もの先住民族が暮らしています。「シピボ族」はそのうちの一種族で、独特な幾何学模様で知られる伝統工芸である「泥染め」を今に伝えています。 ●アマゾンの「泥染め」とは? アマゾンの泥染めには、茶色地と白地の2種類あり、樹皮から抽出される「タンニン」と、森の奥地から採取する泥に含まれる「鉄」の化合を利用して染める染色手法で、反応したデザインの部分だけが黒く染まるのが特徴です。 シピボ族の女性によって描かれるデザインは全てフリーハンド。一枚一枚の模様はシピボ族の精神世界を映し出すとも言われ、これは先祖代々の脳内に刷り込まれてきた、太古の森からのメッセージなのかもしれないと私は考えます。 ●気の遠くなるような手のかかる作業工程 染料を煮出すために薪を探し集め大鍋で一日がかりで染料を抽出、晴天の下、染めては天日に干しを繰り返し、濃い茶に染めあげます(茶地)。固い棒きれを使って泥をのせるようにしてデザインを描くのは大変時間のかかる工程です。最後に泥をアマゾン川の流れで丹念に洗い流すと、黒い線が浮き上がります。これらの伝統的な手法は先祖代々から伝承され、技術を習得した者に与えられる特殊能力です。 彼らの集落を訪れ、布を染める作業を体験したとき、こんな気の遠くなるような作業をしていたのかと、驚きました。このとき、染色の工程を説明することの必要性を感じ、この伝統工芸の貴重さをできるかぎり伝えていこうと考えるようになりました。 ●森の暮らしに学ぶこと 森で彼らの原始的な生活の中に入ってみると、彼らの暮らしに学ぶことは多く、森と共存するための知恵と野性的な能力を備えもつ彼らに敬意を感じるようになりました。 日の出とともに起きて日没で仕事を終え、ろうそくの灯しかない夜、星を眺めて静かに眠ります。最低限に必要なものだけがあるシンプルな生活、生ゴミや廃棄物は小動物が消費し、むだなごみがありません。大自然の中で、本来人間がそうあるべき生活をしていると思いました。文明の世界に生きる我々が、思い出すべき大切なことばかりです。 ●厳しい現状と今後の不安 芸術品ともいえる貴重な民芸品ですが、残念ながらペルーにおいても認識が低く、伝統技術を伝え作り続けていくための保護もありません。そのためこの工芸品を売ることで家計を支えている村の人々は不安を感じながら生活しています。泥染めを作っていても定期的な収入は望めません。泥染めの伝統を守ることよりも、生活のために、町へ出て働くことになるでしょう。自然破壊・環境の変化にともない、昔ほど森も川も豊かではなくなってきているようです。もともとは身近にあったはずの染料も手に入りにくくなり、材料にお金がかかる時代になってしまいました。 ●アマゾンの泥染めと小さな暮らしを守りたい 都心に出稼ぎに来ていたシピボ族の女性から買った一枚の泥染めから、いつの間にか家族ぐるみの付き合いになり、彼らの暮らしが具体的に見えてきました。民芸品としての泥染め布を観光客などに売って生活することは簡単なことではありません。この素晴らしい伝統的な芸術を、絶やさずに作り続けてもらうためには、どうにかして彼らの生活を支えなければならないと感じました。そのためには、とにかく彼らの布を買い取ることでした。 ●アマゾン屋として 1997年に泥染めと出会ってから最初の8年間は自分の貯金から払えばいいと割り切っていましたが、資金的に限界がありました。2007年日本で何かできないかと模索しつつ「アマゾン屋」としてイベントに出店、2008年「シピボ族とアマゾンの泥染め」のホームページを公開、ペルーの自宅を「アマゾン屋」として、できるだけ多くの人に見てもらいたいと思っていたところ、自然と自宅玄関が「アマゾン屋」として定着しました。現在は泥染めと草木染めをアレンジした「手作りバッグ」が人気です。自転車操業ですが少し軌道に乗り「シピボ資金」は前と比べやりくりが楽になりました。売上はすべて運転資金として貯金しています。 ●太古の森からのメッセージ アマゾンの泥染めに触れることで、これまで関心のなかった方にも何かのきっかけになれたら嬉しいことです。アマゾンの森のこと、環境のこと、先住民族の暮らしのこと、泥染めのこと、伝統工芸のこと、シピボ族の描く神秘的な文様のこと、それらすべてが、私たちに投げかけられる「太古の森からのメッセージ」なのかもしれません。 www.amazon-dorozome.com ayabbhouse@yahoo.co.jp wakat3970@docomo.ne.jp アマゾン屋 馬場 綾 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010.02.25 15:10:44
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