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ペルーアマゾンの泥染めとシピボ族の人々

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2013.05.02
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シピボ族の人々とのやりとりは15年にもなるが、大変なことのひとつに商品の受け取りに手間がかかることがあった。
最近は毎月定期的にシピボ族3人(母テレサ、長女ベロニカ、次女レオニダ)の作品がバス会社留めで荷物が届き、それを取りに行き同時に次の注文と素材(コットン生地白)を送る作業は常に時期がズレ込み送られてくる内容も、それに対する支払い金額も不安定だった。3人分まとめてひとつの荷物を送ってくれればいいものの、それぞれが自分のペースで仕事をし決めた出荷時期に合わせることも難しい。交通費がかかることもあり乳飲み子のいる次女のために荷物発送を買って出ることもない。つまり仕事に関しては家族間の協力はなくどちらかというと競争相手という意識が強いところが特徴だ。

色々と事情はあるとはいえ何度言っても毎月荷物をバラバラに送って来るので、忙しいこちらとしてもその度に荷物を取りに行くわけにはいかないため長い間バス会社の倉庫で荷物を放置することになった。渋滞の中タクシーでバス会社へ往復することは時間のロスになるため、最近はM女史に行ってもらうことが多かった。それにしても時間と人件費と交通費がかかった。こういう費用は商品の金額に加算されていないが、面倒なやりとりを金額に加算したらとんでもない金額だろう。

それまでに国内の宅急便を利用するという考えはなかった。そんな業者があるのかも分からないのだけど、少なくとも郵便局が小包の宅配をしてくれるはず。とにかくお互いのため少しでも楽になるために、現地から自宅への宅配サービスを検討するように申し渡した。が、郵便局の存在さえよく分からない様子、最終的にいつものバス会社で自宅までの宅配を頼めることが分かり、早速試したところみごと実現した。

日本では宅配サービスがあまりに身近で当たり前になっているので、荷物が家に直接届くことは珍しくないけれど、シピボ族の人たちにとっては驚くべきサービスだったようだ。送った時も不安そうで大事なものは送れないと気が進まない様子、無事に荷物が届いたことを報告すると、かなり驚いた様子でそれは良かった良かったと大笑いしていた。

支払いも以前は荷物と一緒にバスの宅配荷物に忍ばせて送ったが、最近はやっと全員が銀行預金カードを作ってくれたので振込が簡単にできるようになった。

銀行に預金したり引き出したりというシステムも、彼らにとってはかなり不思議で理解できないことだった。未だに多くの月でお金が足りなくなって前借りを要求してくるが、荷物と一緒にお金を送らなければならなかった頃は送金が大変だった。お互いのために銀行に口座を持つことが必要なのだと諭しても、自分が何か損するようなイメージがあったらしく、なかなか実現しなかった。銀行送金ならば記録が残るしすぐに対応できるので、本当に楽になった。

そして携帯電話の利用によって遠方の彼らとのやりとりをスムーズにした。大雨が降るだけでラインが繋がらなくなる事もよくあるが、町にひとつある公衆電話にかけて相手を放送で呼び出しやっと話ができた時代を考えると、今は必要なメッセージを送っておけば、相手は後からでもチェックできるところが本当に助かる。多くの場合残金がないらしく受信専用だが、割と頻繁に公衆電話から電話をしてくるので密接に現地の様子が分かる。また、もともと民族間の情報ネットワークが徹底されている彼らの生活自体も携帯電話の普及によって大きく変化したに違いない。

こうしてプカルパの町からほど近いサンフランシスコ集落に住むシピボ族のパートナー達の暮らしは、少しずつ変化している。生活に関して便利なものは柔軟に取り入れる性質があり、無理をしてでも手に入れ割とすぐに文明の利器に馴染むことができるところが感心する。(奥地の集落は別だけれど)決して原始的に暮しているだけではない、常に政治や行政に関心を持っているし、時代の変化の波にしっかりと乗っていると感じる。

ただ、環境の変化は決して彼らの生活を向上させるわけではなく、自給自足をできなくさせ、豊かだった自然の恵みの恩恵を受けられなくなった分だけお金がかかる。

これから彼らが生き抜く道のりはいかなるものなのか。












最終更新日  2013.05.03 00:01:13
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