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ペルーアマゾンの泥染めとシピボ族の人々

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2018.03.12
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カテゴリ:アマゾン訪問記
【あまりに惜しい人を亡くした】

2015 3月25日がテレサの母アナスタシアの一周忌だった。
あの悲しく重々しい日々から、あっという間に1年が経った。

シャーマンの父を持ち、おそらく遺伝もあるのか、シャーマンの助手のようなこともしていた。
泥染を描くデザイン能力も明らかに優れていたし、仕事が丁寧だった。

手に入りにくい材料を大事に使い、今は作り手の少ない「素焼きの壷」もアナスタシアが作るものは本物だった。

木の実のアクセサリーも最後の方まで作っては売っていたが、彼女が作るものはデザインは素朴だが木の実のひとつひとつが選ばれた秘めた美しさがあるので大好きだった。
もうあの人の素敵な作品は手に入らない。








【チャーミングで野生的な人】

この人は誰が見ても「特別にチャーミングな人」と言われるような、笑うと愛嬌があり何か人を魅了するものを持った人だった。決して優しいとかではない。

私が思うに、彼女はとても野性的な人だった。感情はストレート、人に気遣いすることもないし、人間的な嫌らしい部分もさらけだして平気だ。そういう人を野性的と私は思う。



【自分の家で死にたい、と言った】

彼女は2年以上の長い闘病生活の末に亡くなった。おそらく癌で最後にはあちらこちらに転移し痛くて相当に苦しみ、親族の誰からも諦められずに支えられ、しかしあっけなく亡くなった。
病院へ連れて行ったり、シャーマンの自然療法を試したり、苦しむ姿をほっておけずにテレサたちはただ翻弄した。病院でくれる薬は痛み止めのようなもので気休めでしかなかった。

病院が汚くて付き添いも滞在できない上お金がかかるというので「自分の家に居たい」と懇願した。「もう自分の家で死にたい」と、私にもはっきりと言った。



【見えない病気】

何度医者に見せても原因はよく分からなかった。私はやっぱり癌だろうと思ったが、テレサ達は決して癌だということに納得しなかった。

痛みが和らぐこともなく、再び期待できるシャーマンに診てもらおうと、近くの集落に住むレオニダの家にアナスタシアを運んで行ったのだという。
看病する場所を移動したことは自分の母親テレサが長い看病で疲れきっていることを気遣ってのことでもあったらしい。起き上がれないほど重症の病人を抱きかかえて乗り物に乗せたり降ろしたり、不便な地域を移動して遠くまで運ぶという行為がどんなに大変なことか。しかもボートだ。




【病いの結論は黒魔術の呪い】

結局シャーマンの結論は「ある人物がアナスタシアに黒魔術をかけている」ということだった。皆がそれに納得した。かといって病気が治るわけではなかった。

アナスタシアの病状は悪化し苦しみながらも、やはりすぐに家に帰りたいと懇願するので再び連れ帰ることになった日。よりによって大雨の中を、ボートでやっとのことで運びだし、自分の家にたどり着いたのだという。

テレサは濡れた衣類を着替えて休むために自分の家に戻っていた。
その夜アナスタシアに添い寝したのはひ孫のゴルド(8歳)だった。

大雨の夜、集落の闇にゴルドの声が響いた。
「おばあちゃんの息が止まってしまったよー!!」
どんなに恐ろしいことだっただろうか。


つづく






最終更新日  2018.03.12 22:00:18
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