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当たり前だけれど、
新卒・6ヶ月という条件付きの職探しに苦戦した。 6ヶ月で辞めることを伏せておく選択も あったのかもしれないけれど、 あたしにはそれはできなかった。 結局、以前のバイト先に、 全ての事情を呑んでもらって 勤務させてもらうことになった。 ありがたい。 でも、食べてゆくのにカツカツのお給料だ。 4月から半年、二人で究極の貧乏暮らしが始まる。 「ドラちゃんとしばらく離れて暮らすとしても、 新卒で就職して日本で働いたほうがよかったのかな?」 父親に弱音を吐いてみたところ、 一笑に付された。 「一緒に居ることが、いちばん大事なんだ。 二人で一緒に居さえすれば、 なんとかなるよ。」 ドラちゃんがいつも口にすることと、 奇しくも同じだ、一言一句。 きっとそれはただしいことなのだと、 ドイツと日本とで離れていた日々の感触を蘇らせてみながら、 自分に言い聞かせる。 コンビニでおにぎり一個を買うことすら勿体ないと感じたり、 ため息をつきながら昨々々シーズンのスカートをはき続けたり、 こんな安い化粧水で衰えの始まる肌が耐えられるだろうかと懸念したり、 毎日に小さな嘆きや不満や不安や怖れが ぷつぷつと浮かぶけれどもそれでもやはり、 互いをそのぬくもりで包みあえることは失えないもののはずなのだ、と。 愛さえあれば何も要らないなどと、 あたしは言えない。 わかっていることはただ、 いちばんたいせつなもののためには、 無理かもしれないことでもやってみるしかない時間が、 時には訪れてしまうということ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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