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AMI's HP ブログ別館

March 27, 2007
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カテゴリ:雑談
本日、最近の脂質栄養学についてのさわりだけ勉強する機会があった。
以前からちらちらと見たり読んだりはしていたのだが、きっちりまとまった形で話を聞いたのが初めてだったので、その後自分でネットで調べた分も含めて、ここに(自分の備忘録も兼ねて)書いておこうと思った次第。

日本では、マーガリンが好まれる。
トーストに塗るのはバターよりマーガリン。理由は、

1.安いから。(お母さんの意見)
2.柔らかくて塗りやすいから。(子供の意見)
3.バターよりマーガリンの方が健康にいいから。(お父さんの意見)

…というのが一般的である。
1番、2番はまあわかる。というか、事実だし反論のしようがない。

問題は、3番。
「マーガリンはバターより健康にいい」の部分である。

これは…どうやら明確に間違いらしい。
え、言い切っちゃうの?と思われそうだが、少なくともバターより健康にいいことはないようだ。
それに関してはエビデンスも出ている。
バターが健康に悪いなら、マーガリンは同等かそれ以上に健康に悪い、というのが一番正しそうだ。

「え、だって動物性脂肪を食べるとコレステロール値が上がって、植物性脂肪を食べるとコレステロールがあまり上がらないんでしょう?」

…どうやらそこのところが、ここ数十年間で進んできた脂質栄養学で違うとわかってきたことみたいなんだよね…。

で、まず。
「あぶら」というのがどういう物かという話から…しないとわけわからないし。
今日もらった、研修資料から少し流用してみようっと。

「あぶら」の主成分は脂肪酸というものなんだけど、この脂肪酸には三つの種類がある。
飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸の三つである。

飽和脂肪酸と一価不飽和脂肪酸は、人間の体の中で作ることが出来る成分なので、食べ物として体内に取り込む必要性はあまりない。

しかし、多価不飽和脂肪酸は、人間の体内で作ることが出来ない成分なので、食物として体内に取り込まなければならない。そこで、多価不飽和脂肪酸の事を、別名「必須脂肪酸」と呼ぶ。人間が食べ物として体内に取り込まないと生きていけない、どうしても必要な脂肪酸だからこう呼ばれるのである。

必須脂肪酸には、リノール酸と、α-リノレン酸の二つの脂肪酸がある。
マーガリンはリノール酸の代表(ω6系列)、EPA(エイコサペンタエン酸)などいわゆる「頭にいい油」と呼ばれる魚の脂はα-リノレン酸の仲間である(ω3系列)。
(最近ではω6、ω3と言わずに、n-6、n-3と書かれている事も多いので、どちらも覚えておくと良いかも)

最近の脂質栄養学のトピックでは、この二つの油は、どちらかにあまり偏らないように、バランス良く摂らないと健康に悪影響があるということになってきたのである。
で、何故今マーガリンが問題かというと、このマーガリンを含む植物油健康信仰のお陰で、日本人の脂肪酸摂取バランスが、リノール酸に思いっきり偏ってしまったから、なのである。

もっと厳密に言うと、どの油にも実はいくつかの脂肪酸が組み合わさって出来ているのだが、リノール酸を多く含む油は、コーン油、綿実油、ひまわり油、サフラワー油、大豆油であり、これらを原料とするマーガリン、マヨネーズ、サラダ油には、当然ながらリノール酸が多く含まれる。
α-リノレン酸を多く含む油の代表はシソ(エゴマ)油、菜種油、そして後は魚介類である。

「あれ、オリーブ油は?」
…オリーブ油はα-リノレン酸をほとんど含まない。
あれ?と思うかもしれないが、実はリノール酸もあまり含まない。
オレイン酸という別の脂肪酸が多いのである。

「じゃ、バターはなんなのよ。」
あれは飽和脂肪酸を多く含む油であり、一昔前は「飽和脂肪酸はコレステロール値を上げ、不飽和脂肪酸はコレステロール値を上げない!」なんて言われていたので、バターは目の敵にされたわけで。ほんでもって、ぶっちゃけこれが思いっきり間違いだったわけで。

「胡麻油は?」
これが意外とリノール酸を多く含んでいる。といってもコーン油やひまわり油なんかに比べればずいぶん少ない方だし、少量ながらα-リノレン酸も含んでいるから、脂肪酸バランスのいい油と言えると思う。

さーてこのあたりから話はややこしくなってくる。
頼むからついてきてよ。こっちもいっぱいいっぱいだから。

同じ必須脂肪酸とはいえ、リノール酸とα-リノレン酸の二つは、体内での働きが大きく違う。もともと人間の体内で合成されないから外から摂らないと生きていけないという物質なわけで、それが二種類あるというのは別に伊達や酔狂ではなく、別々の二種類が必要だから二種類あるわけで(くどい)、考えてみれば両方ともバランス良く摂らないといけないに決まっている…今頃気づく私もどうかだけど。

で、その体内での働きの違いだけど、
リノール酸から体内で作られる物質の主な働きは、
・アレルギーを促進する。
・炎症反応を促進する。
・血液凝固作用を促進する。
・血管収縮作用を促進する。
というもの。

α-リノレン酸から体内で作られる物質の主な役目は、上記のリノール酸から作られる物質を競合的に抑制する働きが主である。つまり、
・アレルギーを抑制する。
・炎症反応を抑制する。
・血液凝固作用を抑える。
・血管収縮作用を抑える。

…つまり、リノール酸から体内で作られる物質と、α-リノレン酸から体内で作られる物質は、バランス良くお互いの働きをコントロールする役割を持つのである。

「も、もしかしてリノール酸って、超悪役!?」

…まそう言いたくなる気持ちはわからないじゃないけど、リノール酸だって立派な必須脂肪酸であって、なけりゃ人間の体は非常に困っちゃうことになる。体内での炎症反応を強くしたり、血液凝固作用を強くしたりするのは、古代の人にとっては非常に大切な役割だったわけで。ただ今の生活習慣ではリノール酸から体内で産生する物質は(アラキドン酸なんだけどね)悪役ちっくだよねえ…。

というわけで、この二種類の脂肪酸は、出来るだけバランス良く摂ることが非常に重要になってくる。
ところが。

「リノール酸は体にいい!!」という単純且つ明快なスローガンが思いっきりはびこってしまった現代日本では、摂取脂肪酸バランスがリノール酸優位にものすごーく偏っているのである。
その結果、何が起こったかというと…。

・アトピー、花粉症を発症するアレルギー体質の人が増えた。
・心筋梗塞、脳梗塞が増えた。
・欧米型癌(特に大腸癌、乳ガン)が増えた。
・認知症との関与も指摘されてきている。

何度も言うけど、リノール酸だって立派な必須脂肪酸であり、まったく摂らなければ体に悪い。しかし、現代日本社会の食生活では、意図してリノール酸をわざわざ摂らなくても不足になることは考えにくいようだ。日本で利用されている加工食品を摂るだけで、十分なリノール酸が摂れると考えられるからだ。むしろ摂りすぎの方が問題になっている。
となると、意図的に食べるリノール酸を減らし、α-リノレン酸を摂る量を増やすのが合理的と考えられる。

現在、日本でのω6(リノール酸系)とω3(α-リノレン酸系)の摂取比率は、
ω6:ω3 = 5:1である。
欧米ではこれが10:1、世界でもっともα-リノレン酸の摂取比率が多く、脳梗塞、心筋梗塞の発症が非常に少ないと言われるイヌイットで2:1であるらしい。
(そのかわり、事故での出血死が圧倒的に多いらしい。理由は血液凝固機能の低下によると考えられている、つまりリノール酸があまり少ないのもどうかと思われる。)

そんなわけで、現在、厚生労働省はω6:ω3の摂取比率を4:1にしましょうという提案がなされている。
ただし、本気でアレルギー症状の改善、また脳梗塞、心筋梗塞予防を考えるなら、せめて3:1、出来れば2:1ぐらいにするといいのではないかと考えられているらしい。

エゴマ油、オリーブ油、ごま油は体にいいよ。
魚を食べると動脈硬化の予防になるらしいよ。

…等の話は、ここから出てきているわけである。
要はリノール酸摂りすぎだから、リノール酸の少ない油を食べてね、出来ればα-リノレン酸が多量に含まれている油を食べてね、という事である。

…とまあ、ここまでが一般的な油の話だったんだけど、マーガリンについては、さらにもう一つ問題があるんで…本当はそっちがメインだったんだけど、さすがに疲れたので、続きはまた。






最終更新日  March 27, 2007 04:17:48 PM
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