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2011年02月11日
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カテゴリ:「秘密」詩・小説
 

 BLの苦手な方は読まないでください。

 あくまで二次創作ですから、苦情は受け付けません。

 何卒お許しくださいませ。m(_ _)m



   手書きハート  手書きハート  手書きハート  手書きハート  手書きハート  手書きハート  




 青木はいったんMRIを止めると、薪にこう言った。

 「殺害された岡田君が田中容疑者に何を言ったのかは

 分かりません。ただそれ以降、全く話しかけていない事から、

 何かしら怒らせるような事を言ったのは間違いないかと

 思われます。」

 薪は溜め息をついて、少し考え込んだ後、こう言った。

 「田中容疑者が塾のある駅前辺りや被害者の家の辺りを

 うろついていた事はないか?確か一年前の報告書には

 放課後に被害者と接触した形跡はなかったはずだが・・・。」

 「はい。確かに放課後の接触はありませんでしたが、田中は

 塾に通っていた事を知っていました。おそらく見つからないよう

 こっそりと後をつけたのではないかと思います。MRIは被害者

 の目に映った画像しか見る事ができませんから。田中は

 数ヶ月間に及ぶ学校での休み時間のとりとめのない会話から、

 塾、自宅、放課後何をしているかなどの情報収集は十分に

 できていたと考えられます。岡田君は田中の事を親切な先生

 と思っていたようです。それが、あの保健室の日以降、学校の

 廊下で顔を合わせても目を伏せて視線を合わせないように

 しています。それまでは週に何回か1、2分ほど立ち話をして

 いたのに、明らかに不自然です。」

 「実は以前に僕もこの場面を見て、もしやとは思ったのだが、

 これだけで犯人と決めつけるには状況証拠としては弱い。

 二人目の被害者とは高校入学以降の接触はなかったと思う

 のだが、何か見落とした点があったのか?」

 「はい。ありました。田中容疑者は保健室の数日後、大島

 勇一君の通う塾の近くの駅前の本屋に出没しています。偶然

 田中を見かけた大島君は声もかけずに数十秒間凝視した後、

 何事もなかったように漫画本を買い、本屋を去ります。

 そして、本屋を出る時に大島君は一度振り向いて、田中の姿

 が見えないのを確認して安心したように塾へと向かいました。

 もし、ここで田中の姿が確認されていたら、塾へ行く途中に

 後をつけているのが確認されていたら、容疑者として浮かび

 上がってきたかもしれませんが、尾行に気付かなかったのか

 大島君は田中を見ていません。高校入学以降殺害される

 までの間に田中を目撃したのはたった一度だけでしたから、

 当初の捜査で見落としても不思議ではありません。俺も中学校

 までさかのぼって脳を見なければ見落としていたでしょう。

 問題は中学校時代の田中と大島君の関係にあります。」

 「二人の間に何があったんだ?」

 「いじめです。」

 「いじめ?」

 「はい。正確に言うと、学級崩壊と言ったほうが良いのかも

 しれませんが、生徒による教師への悪質な嫌がらせが続き、

 担任を変えたほうがいいという保護者からの声も上がるほど

 授業妨害や誹謗中傷が耐えなかったようです。」

 「具体的にどのような事が起きていたんだ?」

 「まず、黒板に『ホモ教師』などと書かれたり、掃除の時間に

 バケツの水を突然かけられたり、イスに画鋲をまかれたり

 されていました。」

 「何故だ?原因は?」

 「田中容疑者はクラスのいじめられっ子を助けようとして、

 いじめっ子グループのボスである大島君を殴りました。しかし、

 いじめられっ子の男の子が校長の前でいじめられていないと

 嘘の証言をした為、田中は暴力事件を起こした教師として

 厳重注意され、謝らされました。更に、常日頃からかばい、

 可愛がっていたいじめられっ子の男の子が田中にセクハラ

 されたと訴えたので、田中は窮地に追い込まれます。

 その男の子は脅されて大島君の言いなりになっただけなの

 ですが、田中は暴力教師、ホモ教師と罵られ、生徒達から

 いじめにあうはめになりました。学校側の態度は冷たく、

 転任するまでの数ヶ月間、田中は地獄のような四面楚歌の

 日々を送っていたのでした。」


                          (続く)



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最終更新日  2011年02月11日 23時25分45秒
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こんにちは   かのん さん
ご無沙汰しております。色々ありまして、今頃になって新年のご挨拶周りをしております(^^;)
「秘密」小説、再開されたんですね。これから楽しみに読ませていただきます。
今年もよろしくお願い申し上げますm(_ _)m (2011年02月11日 23時51分09秒)

コメントありがとうございます   あみりん9129 さん
かのんさん
>ご無沙汰しております。色々ありまして、今頃になって新年のご挨拶周りをしております(^^;)
>「秘密」小説、再開されたんですね。これから楽しみに読ませていただきます。
>今年もよろしくお願い申し上げますm(_ _)m
-----
 お久しぶりです。
 新年のご挨拶どうもありがとうございます。
 そういえば、私は挨拶回りしてなかったな。すみません。(汗)
 今年もよろしくお願いします。(笑)
 私は長編小説を書くのが苦手で、つくづく中編止まりだなって思います。
 もっと広がりをもたせて、丁寧に描けば、25話~30話くらいの作品になったのに、
 力量の無さから青木のセリフでまとめてしまいました。
 今もう起承転結の転まで書きましたので、全部で16話か17話になると思います。
 最近「秘密」の皆様と疎遠になってきたので、
 かのんさんが読みにきてくださって嬉しいです。
 また近いうちにかのんさんの小説も読みに行きますね。^^;
 
 
  (2011年02月12日 00時34分45秒)


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