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テーマ:二次創作小説(939)
カテゴリ:「HUNTER×HUNTER」小説
BLの苦手な方は読まないでください。 18禁です。 あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。 何卒お許しくださいませ。m(_ _)m 「あ、兄貴・・・あっ、ああ、ああ~」 イルミの愛に酔いしれるようにキルアは喘ぎながら絶頂に 達した。そして、それと同時にイルミもキルアの中で果てた。 「キル。愛してる。もう、どこにも行かないって誓ってくれ。」 「兄貴。悪いけど、それは誓えない。俺は稼業を継ぎたくない んだ。だから、兄貴の傍にずっといるわけにはいかない。」 「キル。ゾルディック家の人間は全員、暗殺者になるんだよ。 それに、キルはもう立派な暗殺者だ。ハンターになりたいなら 来年、またハンター試験を受けて良いよ。ライセンスカードは 暗殺の役に立つからね。」 「・・・。」 「良い子だから。キルは俺の言う通りにしてればいいんだよ。」 イルミはそっとキルアの頭を撫でた。しかし、キルアは 強い意志を持った瞳でイルミを見つめて、こう言った。 「俺は兄貴の人形じゃない。俺は敷かれたレールの上を歩く 人生が嫌で、それを壊したくて家を出たんだ。兄貴のことは 好きだけど、俺はまた家を出るよ。」 「仕方のない子だね。勝手にしなさい。」 イルミはキルアの頑固さに呆れたように溜息をついた。 「もし、ゴンに捨てられたら、いつでも俺のとこに戻ってきな。 俺の可愛いお人形さん。」 「ありがとう。兄貴。」 キルアはにっこりと微笑んだ。その屈託のない笑顔にイルミは 苦笑した。キルアは愛も恋もまだわからない子供なのだ。 希望に溢れる将来に向かって歩いて行きたいと願う幼い心 だけで行動している。ただ、それを支える人間が兄から 友達に変わっただけなのだ。大人になった時に愛というものが 何か分かれば、それでいい。と、イルミは思った。イルミは 最愛なる弟キルアに口づけした。人形はいつしか意志を持ち、 人間になる。キルアにとっては身体を駆け巡る電流も痛みと 快楽を与えてくれる媚薬に過ぎなかった。拷問道具が並ぶ 地下室でマリオネットのように繋がれて吊るされている キルアはまさに闇の中で生きる人形だった。やがて、闇に 光が訪れるようにゴンがやって来る。闇に染まっている イルミの心をキルアは傷つけたくなかった。愛を囁く抱擁は どんな媚薬よりも甘美な味がした。舌を絡ませ、イルミを 受け入れ、闇に沈む人形のように再び抱かれながら、 キルアは心の中で最愛の兄に別れを告げていた。 (完) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012年09月02日 22時37分21秒
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