本当に中毒しているの? ヤーコン芋で
ヤーコンはキク科植物で、地下に芋が出来ることは同じキク科のダリアと同じである。昔からダリアには毒があると言われているが、最近の図鑑には毒はないと書いたものもある。中毒事例を探すために、筑波大で中毒関係の雑誌を調べたが見つからなかった。有料のデータベースについては検索していない。 Dictionary of Natural Productsデータベースには、葉に猛毒のポリアセチレンが含まれているとあった。 大量摂取で中毒を起こすようだ。 毒性は量とのかねあいで、ある量以下なら毒性を示さないが、ある量以上では中毒する。大量になると死亡する。(中毒量や致死量は個体差がある。)水は無毒と考えられているが、大量摂取で死亡者が出ている。 毒性は摂取量の問題である。が、蓄積も考えないと・・・0---------------àI-------------àI-------------à 摂取量多い 無毒 中毒量 死亡 PCB、ビタミンA,サリンなどは油に溶けやすい物質で、脂肪に蓄積しやすく、体外に排泄されにくい。ポリアセチレンの1回の摂取量が中毒量以下であっても、蓄積されてあるとき突然中毒量を超えると言うことはないだろうか?ポリアセチレンは調理(特に加熱時に)中に分解するだろうか?(刺身のつまの浜防風には大量のポリアセチレン(上図の右の構造のもの)が含まれているとの指摘を受けた。)ポリアセチレンは朝鮮人参、キク科植物他、いろいろな植物やキノコに含まれている。それでは、ヤーコンではどうであろうか?1998年まで調べたが、文献は見つからなかった。文献がないからといって、ポリアセチレンがヤーコンに含まれないことを意味してはいない。もし存在が分かったとしても、既知化合物であれば天然物化学者は報告しないであろう。 2000年にヤーコン成分の総説を書いた。当時、現在もそうだが、健康食品がブームになっていて、結構インチキなものが商品となっていた。そこで、何が分かっていて、何が分かっていないか、分かっていることだけでもはっきりさせた。書いてから5年以上経つので、追加版を出す時期に来ている。