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2005年09月27日
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カテゴリ:カテゴリ未分類
さ之部

     鮫豆腐
 茄子三四個の皮を剥き、輪切りにして油煎出しに作った上へ、雷豆腐の如く、水を絞《しほ》って、醤油でざっと炒りつけた豆腐一丁を、ばらりとかけたもの。熱いうちに好みの薬味で食す。

 
     さい揚げ豆腐
小賽に切って揚げた豆腐をいう。汁の実に用う。


    茶礼《されい》豆腐
 大平鍋の底へ笹をみっしりと布き、その上へ豆腐を五つ切りぐらいにしてムラなく並べ、その上に服紗味膾を厚く敷き、また笹を布き、豆腐を列《なら》べ、味噌を敷くという順序に、かくの如く二遍も三遍にもして半日余り煮たもの。平茶碗へ盛り、山椒を撒《ふ》って出す。また笹を茶碗の底へ布いても出す。

 草《そう》の茶礼豆腐は、豆腐一丁を五つ切りぐらいに切形して、服紗味噌(薄みそ)に終日煮て、味噌を払い、味加減して出すもの。

 茶礼豆腐 平鍋の底に笹をびっしりと布きならべ、その上へ豆腐一丁五つ切りぐらいにしたるを、またびっしりとならべ、その上へ摺り味噌を厚くしき、また笹をしき、かくの如く段々にして、半日あまり煮たる後、笹をしきならべたるまま、平茶碗によそい山椒をふり出す。


      実盛《さねもり》豆腐
 豆腐一丁を薄く好みに切形して、煮出汁一合と薄醤油三勺で煮て、汁を少くして盛り、絞り生姜をかけ、その上へ擂った黒胡麻を一面にまぶせたもの。斎藤実盛が白髪を染めて出陣した故事から出た酒落。


      笹の雪
豆腐一丁を四つ切りにし、椀に一つずつに、葛を溶いた水で鍋に仕掛け、浮き上った時、重炭酸|曹達《ソーダ》を少し加えて椀に盛り、どろどろに溶いた葛をかけ、山葵のうわ置きして供す。


      三清豆腐 (塩豆腐の一種)
 大根半分ほどの絞り汁に、等分の水を加えて沸し、炒り塩で味加減し、一丁ほどの豆腐を砕《くす》したおぼろ豆腐を入れ、湯豆腐の煮加減にして、大根の絞り汁をかけて出すもの。


      砂糖漬豆腐
 豆腐を厚さ三四分ぐらいに切り紙に包み、灰の中へ半時間ばかり埋め置き、取り出しよきくらいに切り、鍋に入れ、豆腐のかさほどの上等白砂糖を入れ、水を五六滴ほど入れ、よく攪拌し、強火にて漸々煮つけ、煮る間はしばらくも手を休めずかきまぜ、段々煮つまりたるを見て、指頭にてその砂糖をつまみ試みるに、砂糖ねばりて糸を引くようになれば、これ砂糖充分に煮え熟したるなり。その時鍋の底に溜りある水気を別器へしたみ尽し、その上また別に砂糖を多分に加え、その後は弱火にてそろそろと煮るなり。水気かわきてからからとなるを度として、別器に取り入れ、三盆白の砂糖をふりまぶし貯うべし。これ普通砂糖漬の法にて、果物、蒟蒻《ごんにやく》なども同じ。


      索麺豆腐
 豆腐二丁に葛一合ほど入れて、よく摺り合わせたものを、俎板《まないた》に紙を敷いた上に、庖丁にて薄く平らに延ばして付け、紙ぐるみ小口から巻き、茹でて索麺《そうめん》の如く細く切る。
 また、玉子をつなぎに加えて、擂り上げた豆腐を裏漉しにかけ、板の上に和紙を敷き薄く延ばして、それを竹の簀に載せて熱湯中に入れ、取り上げて冷水に投じて冷まし、紙を剥がして細く切り、汁につけて食う。
 また、豆腐を布に包みてよく水を断り、毛篩にて漉し、葛の粉を入れ、擂鉢にてよく擂りて美濃紙一枚を四つ切りに、さし身庖丁刀にてよく平らにつけ、紙一枚ずつ重ね蒸籠にてむし上げ、しばらく水に浸け冷して一枚ずつ紙をへがし、またかさねて切るべし(うんどん豆腐も同じ)。


      桜豆腐
 二合ほど熱湯を沸立てた鍋へ、葛粉を大匙一杯入れ、絹漉し豆腐一丁を四角に切って入れて、ざっと煮て掬い、椀に盛って海老のオボロをかけ、薄葛の汁をかけ、生姜のしぼり汁をかけたもの。海老のオボロは芝海老五十匁ほどの皮を剥き、茹でて摺り、味醂三勺ほど加えて鍋の中で溶き、火にかけ杓子でかきまわし、醤油少し加えて、ボpポロに炒り上げたもの。



き之部

      祗園豆腐
 一切れ盛りの大きさに豆腐を切って狐色に焼き、煮出汁に一割の醤油を加えた汁で煮て器に盛り、煎道明寺糒、花鰹、胡桃等を置いて出すもの。


      掬水《きくみ》豆腐
 鰹の生節を三本ほど小口切りにして、平鍋にみっしりと敷き列べ、魚がつかるほどに水を加えて、豆腐をまるのまま二丁載せ、強火で半日余り煮て、豆腐ばかりを、炒塩仕立ての潮煮にしたもの。葱、花柚、木芽の類を吸い口にして、薄葛におろし山葵などかける。掬水という浪花の俳人が嗜好せしに因んで名づけたもの。


      金砂《きんすなご》豆腐
 豆腐を布巾に包みて水気をしぼり、これを擂鉢《すりばち》にてよく擂り、食塩で味をつけ、玉子の白身をつなぎに入れ、さらによく擂り合わせ、これを小板の上に延ばし、その上に茹で玉子の黄身をほぐして撒布し、金砂子の如く綺麗になして、蒸籠に入れて蒸し上ぐるなり。色紙《しきし》形に切り、醤油にて食す。


      巾着《きんちやく》豆腐
 大|茄子《なす》六七個の肉を刳《く》りぬいて、巾着形の袋に作り、豆腐}丁に飛竜頭加料《ひりようずかやく》のうち、一一三品交ぜたものを、醤油と酒少量で煮て填め、口を括り、煮出汁一合、醤油三勺、砂糖大匙一杯で煮たもの。


      雪花菜飯《きらすめし》
 豆腐滓《きらず》三合ほど摺って、煮出汁五勺、醤油三勺、砂糖大匙一杯で味を付け、玉子の黄身一個を加えて炒りつけたものを、一升の飯を移すとき交ぜたもの。また白飯を盛って、雪花菜をうちかけて出すもの。薬味に生姜を繊にして添う。


      雪花菜《きらず》ぬた
 新鮮の鰯の皮を剥き、百匁ほどの量を携《~ '》(.て、塩酢一合ほどにしばらく漬け、豆腐滓二合を摺って醤油大匙一杯入れて煎り、酢三勺、酒塩二勺で塩梅したもので和える。また鯖《さば》、鰺《あじ》その他の魚を用うるもよし。


      菊豆腐
 豆腐を一寸二三分の厚さに、二寸四方ぐらいの大きさに切り、板の上に載せて隅を切り落し、さらに上面を縦横に布目に下まで切り下ろさぬように庖丁刀を入れ、板のまま水中に入れて動揺すれば、豆腐の折れ屑を洗い落し、それを葛粉少量溶き入れた熱湯の中に入れ、豆腐の浮き上らんとする時に、網杓子で掬《すく》いて椀に盛り、この際菊の葉をざっと茹でて豆腐の下に敷き、別に小皿に注汁《つけじる》を入れて添う。
 注汁は味醂一杯に鰹節の削りたるを入れて煮てさらに醤油一杯半を注して製る。
 また、吸物に用う菊とうふは、豆腐を平らに二つに切り、そのまま水をたらし、縦横に庖丁目を深く入れおき、これを六つほどに四角に切り、その一つを角々をおとし丸く形をつくり、湯の中へ金杓子にて一つずつ入れ、ちょっと杓子にてとうふの上を触れば、ばらりと菊花のようになる。一つずつこの通り湯煮して、水へおろし出す時にそっと煮こむ。吸い口は菊の嫩《わかば》をあしらう。


      雉焼とうふ
 料理物語に、ぎじやきはとうふをちいさくきり、塩をつけうちくべて焼くなり。
○宗鑑の犬筑波集に、しやじ汁にまじろふしやうじ、雉やきをよくく見れば豆腐にて、(淀川一口、此句に付て、不審たつほどまつ白なしほ。註に、きじ焼はやき塩つける故なり)云々。
○松屋筆記巻九二、雉焼豆腐は、豆腐を広二寸四方計り厚五六分計に切て焼き、それを薄醤油にて味をつけ、茶漬茶碗やうのものに盛りて、その上より暖酒をつぎいれて呑をいふ、これは禁中父は宮の御所などにて正月の佳例也、一献に一つもりて酒をつぎ、二献には二つ、三献には三つ、だん/\に豆腐をもり上げて酒をもる也、豆腐は喰事なし。
○O宗鑑の新撰犬筑波集、女房私記、御歯固の御祝の条に二献きじやき云々、また、物の呼名を記せる条に、きじやきとは豆腐に塩付やく也云々。


      義清豆腐
 豆腐二丁ほどを崩して水気を断《き》り、酒一合、醤油三勺で炒《い》り上げ、切溜《きりだめ》の蓋に.平らに盛って圧蓋をして固めたもの。一寸五六分ほどの角切りにして、焼鍋で片面だけ焼いたもの。
 ぎせい豆腐 豆腐をから炒りにして、これに味醂と塩と加え玉子一個を交ぜ、油を引いた銅器または玉子焼鍋に詰め、上蓋をして、下火、一分、上火八分の火加減にて、ドの方程よく焼けたる頃を見計らい(厚さ二寸なら大抵三十分間)蓋の上に四角な石を載せてやや強く圧し、上下の火を大方去り、側面より温むるなり。焼き上らば取り出し、適宜に庖丁刀する。
 五目ぎせい豆腐 豆腐を潰して鍋に入れ、水を加えて火にかけ、一度沸たたせたる後これを布を敷いた笊《ざる》の中にあけ、水気を断り鍋に移し、玉子を加えてかきまぜつつ炒り、砂糖と醤油にて味をつけ、椎茸、蓮根等の煮付を細かに刻みつめ、ト火を弱く、上火を強くして焼き上げ、取り出して適宜に庖丁刀する。
ぎせい豆腐 生豆腐をよく煮ぬき、崩して笊にあげ水を切って、味醂と醤油にて味をつけ、また角鍋へ胡麻の油を引き、右の豆腐を入れ、よく煮、蓋をして石でおしをかけ、一夜置きて切るべし。


      義性豆腐(擬製)
 江戸山王なる勧理院の義性僧正の創めたるもの。豆腐二fほどを崩し水気を断ち、酒一合と醤油三勺で炒り上げ、切溜の蓋に平らに盛り、圧蓋をして固めたもの。適宜に切り焼鍋で片面焼ぎたるものをいう。
 また、右の如くして玉子を加え、野菜類を混じて焼きたるもの。
 また、ぎせい豆腐は常のとうふを湯煮し、笊へあげ水気をたらし、擂鉢にてすり、砂糖少し入れ、醤油にて加減し、玉子焼鍋に入れ、上ふたして焼きまた返して焼く。冷めて程よく切り重ねて出すべし。





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最終更新日  2005年09月29日 17時34分48秒
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