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2005年10月05日
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   動物画の名人列伝
      烏の糞と同居した暁斎
 古来動物の画では、古永徳、応挙、岸駒等の虎、祖仙の猿など有名で、明治になっては雅邦、翠石の虎、東皐、春草の猫、金鳳の狸、栖鳳の猿など聞えている。永徳や応挙の虎は丸々と肥っている、岸駒はやや写生的だが画として気品が足らぬ。
 巴里で金牌を得るまでは一向知られなかった大橋翠石氏、猛虎一声たちまち大家になって帰朝したので、さっそく麹町六番町の仮寓へ訪ねると六曲一双の屏風へ五頭の虎を描いていた。姿勢の変化や、毛書きの妙、全く独特の虎であった。画伯の座辺は虎の皮や大小の虎の彫塑、骨格の模型などでいっぱい、やはり専門だけあると思った。
 これも実見だが、あるとき上野の動物園で若い画家が虎を写生している所へ来合わせた立派なシナ人、「アナタその虎、飼った虎、容貌も温和、肉もやせており、野生の虎は十分餌を取り、もっと肥えていて顔も獰猛です、絵に書くソレ知る、必要です」。応挙の病猪の話も思い出された。
 猩々暁斎の烏の画は、特に傑作が多いと思っていたら、故条野採菊翁の談に「自分が一時住んだ根岸の家の二階の壁や床の間にまで白い汚ない斑点があったので家主に聞くと、この家は暁斎先生のいた家で、二階には烏を放し飼いにして写生していたそうですからその糞の痕ですよ、といわれ、なるほど先生のしそうなことだと思った」と、名作のある所以《ゆえん》。






最終更新日  2005年10月06日 23時48分14秒
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