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カテゴリ:Movie
邦題:もしも昨日が選べたら
全米ではミッションインポッシブル3よりも売れたもの。これもショービズカウントダウンでチェックしていた。実際、アメリカに来てしばらくの間このDVDがWal-martの目立つところに展示され続けていたのでアメリカではかなり売れたのだが日本では公開はされたものの鳴かず飛ばず?

DVDプレイヤーのリモコンみたいなもので自分の人生をリプレイ、スキップ、リターン、一時停止と好き放題出来るという話。例えば、宣伝では奥さんに初めて出会った時に流れていた曲名を聞かれて過去に戻って確認したり、むかつく上司を一時停止している間に殴ったりといったシーンが使われていた。
これだけ聞くと、本当それだけのいかにもアメリカンなお気軽映画と思うだろう。私もそう思いながら見ていた。

しかし、実際は全然違うタイプの映画だった。恐らく脚本はダメ出しされて3,4回書き換えられているのだろう。この頃のソニーコロンビアの状況がどうだったのかわからないが、絶対売れる映画を作ってやると言うもの凄い強い意志を感じざるを得なかった。ひとつは脚本の練り具合、さらに特殊メイクアップの凝り具合(そのシーンにそこまで時代考証して凝る必要はないだろうというシーンがある)、女優陣の使い方だ。
普通、映画はリアリティーを追求するためとヒロインを目立たせるため、ヒロイン以外の女性はやや個性的な美人でない女性を使うものだが、この映画は違う。徹底的にプレイボーイ誌の表紙を飾りそうなモデルチックな女性を使いまくっている。
それだけ色っぽいおねーちゃんを使いまくっているのに、奥さん役のケイト・ベッキンセイルが一番魅力的に見えるのだから凄い。まさに昔の理想の奥さん像。美人でスタイルも良くて黙々と家事をこなす。それでいて質素なのに一番色っぽい。この女性なら一生一緒にいたいと思わせる奥さんを演じており、かつ実はそれが後半の肝となる。この映画はケイト・ベッキンセイルのおかげで破綻しなかったとすら思えるほど。実際、他のキャラは他の俳優さんでも置き換え可能だがこの役だけは無理だろう。

脚本に関しては、誰でもそんな便利な道具を使ったら天罰をくらうだろうというところまでは予想できるはず。問題はその後で、ではどう落とすのかなと。しかもアメリカ映画的な落とし方でないといけない。結果的に考えつく結末を全部盛り込んだようなプロットで、話が破綻しない程度に落ち着いていくのだが、問題はそんなストーリーの流れではない。

私が考える良い映画の条件は三つ。
1) 自分の人生にフィードバックできるものがある。シンプルに言うと、元気が出るということ。また、人生こうあるべきと案じさせるもの。
2)その世界観をもっと見続けたいと思わせるもの。
3)社会的な問題を提示するもの。

3)はいわゆるドキュメンタリーもので、ショッキングな映像を作ればよいので、まぁ、あまり好きではないジャンル。2)のタイプの映画が一番好きなのだが、この映画は1)のタイプの映画。実は主役の役柄はアメリカ人としてはあまり典型的な家庭スタイルではない。むしろ、非常に日本人的な家庭スタイルだ。その意味で日本人の方が感情移入しやすいはずだが、そして、それが理由で日本でも公開されたのだが、たぶんあまり日本では売れなかったはず。やはり、ドラえもんの道具を使って最初は良いけど後でひどい目に合うだけの映画だろうと見切られてしまいやすいのが難点。実際は全然違う映画なのに。出てくる綺麗なおねーちゃんを見るだけでも楽しめると思うので、これはかなりお薦め。特に家庭を持っているヒトには見て欲しい。

英語に関してはかなりわかりやすかった。それでも字幕を見ると把握できていないところがあったりしたが、ストーリーを掴むのには問題ない。とはいえ、一カ所理解できない展開があったのでリプレイしたりしたのだが…(話の展開ががらりと変わるところで過去の話なのか、現代・未来の話なのかよくわからなくなったのだ(^^;;)

かなり詰め込みすぎている部分があり、コンパクトにまとまった良い映画とは言いづらいが面白かった。アダム・サンドラーの役柄には共感できないが、あの役柄でないとストーリーが成り立たないのでまぁ仕方ないかな。

88点

90点台にしないのは主役のキャラクターに感情移入できないからw





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Last updated  2008.02.16 16:32:31
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