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テーマ:DVD映画鑑賞(14373)
カテゴリ:Movie
別の記事を書いていたけど、長くなりそうなので先にこちらを。
元ネタはチョウさんのところ。 トントン拍子で全てが上手くいくというストーリーが基本なので、その前が悲惨であればあるほど感動的になる。この映画の基本プロットはここです。そういう映画なんだけど、トントン拍子で上手くいくのが本人の努力もほとんどなしにたまたま上手くいったという話です。でも、そのご都合主義自体をこういうこともあるもんやねというストーリーにして映画の最大のウィークポイントを売りにしてしまうことで完成度を上げている。それ故に評価が高かった映画です。 この映画を観ていて最後、どうなるんだろうかとはらはらドキドキしたはずです。というのは、そこまでのストーリーからどう転んでもありな気がしてくるからです。これもこの映画の上手いところです。 結構お腹一杯になって、もうどうなっても受け入れられるという心理状態にまで持って行けているのもこの映画の良いところでしょう。その意味でルート66のとんでも結末を思い出します。 さて、最後手に入るお金と最愛の人ですが、それぞれどうなったらどう感じたかそしてその後どうなるか考えてみましょう。 1)金も女も手に入らない。 普通はそうです。でも、この映画のコンセプトに反しますから、こういう結末ならむしろ、前半中盤にトントン拍子で色んなものが手に入る話がないと映画になりません。 2)金は入るが、女は手に入らない。 これも悲惨ですね。でも、映画の基本プロットとしてはこれは十分あり得る話です。だから最後少しドキドキするわけです。しかし、これではそもそも主人公がミリオネラーに出た動機が解決せず、映画が終わらないことになります。そこで顔に傷をつけて観客に対して脅しをかけているわけです。こういうことも起こりえるよと。 3) 金は手に入らないが、女は手に入る。 たぶん、ほとんど人が予想した結末ではないでしょうか。動機は解決するので映画としても終わることができるし、そもそも彼は別にお金を必要としていません。よって、本当のハッピーエンドはこの終わり方だったのです。 しかし、実際は次のように終わりました。 4)金も女も手に入る。 ここで少し映画の主張の意味合いが変わってきました。もし、中盤にお金は一度手に入るが痛い目にあってもう金は要らないというエピソードがあるならこれがハッピーエンドの終わり方としてあり得たでしょう。その後、金は要らないと断ったり、どこかに全額寄付したりして、女と幸せに暮らしましたとさで終われるからです。 でも、そんなエピソードはなかったわけです。貧乏暮らしをしていた彼はこのお金を受けとって生活するでしょう。すると、今度は彼が必要としていない色んな誘惑が彼を襲ってきます。また、あぶく銭は身につきません。お金の使い方を知らない彼がそんなお金を持っていても、待っているのは不幸なエピソードだけです。また、彼女が求めているのはそんなお金持ちの彼でしょうか。お金を捨てるという話を間に挟まないと決して彼は彼女と同じ土俵に立てないのです。だから、彼らは別れることになるといったわけです。それは死別かもしれません。でも、別れてもその別れが彼を強くし、初めて彼自身の力で何かを手に入れる人生が始まるのです。その上で再度出会って一緒になるというのならありだと思います。少なくとも今のままでは彼を守るためにまた自分自身を守るために覚悟を決めた彼女に対して彼は心理的に負い目を感じたままでかつその負い目をとりあえず手にしたお金でどうにかしようとしてどつぼにはまって別れることになるしかないというわけです。 さて、チョウさんのところにコメントしていてあることに気付いた。 これって、現実の世界でもあり得る話なんですね。 例えば、取り柄も何もない万年平社員とそれこそアンちゃんのような実家が超金持ちでかつ本人も超美人とたまたま恋愛できたとします。男の方はもの凄く分不相応だと感じるでしょう。その結果、無理して自分を大きく見せようと努力してしまいます。その結果、例え結婚できても家庭を顧みないことになり、最終的に別れることになる。彼女は別にそんな無理して頑張る彼と一緒になりたかったわけではないのです。万年平社員のままで良かったのです。自分らしく生きる彼を好きになったのです。こんな極端な例え話でなくても良いのですが、もし結婚したり、付き合っている異性がいるなら客観的に見て分不相応と感じていてもそれを恥じることもないのだというメッセージもあったのだなと思い至りました。そういや氷壁もそうでしたね。 ちなみに超映画批評でも似たようなことを書いています。 一時書くことが無くなって困っていたのだが、最近また書きたいことが増えて困っている。書きたいことが3日もしないうちに熱を冷ましていくからだ。書きためるのも手だけどそれはもうしないことにしたので、できるだけその熱意を覚えておくしかない。忘れやすそうなものから書いていこう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.01.27 11:14:11
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