【日記】Defense seminar
今日は卒業する二人の学生の学位審査(?)があった。?が付くのには理由がある。学位審査の英語名はDefense seminar要するに学生の間に研究したことの正当性と、学習の到達レベル、プレゼンレベルを審査する場である。そのため、日本では3人の教授が事前審査として、プレゼンに対してこれでもかというくらい細かい質問をして研究に対する理解度と、科学的なものの考え方がどれだけ身についているか確認するのである。この時、ダメ出しされると再審査、もしくは学位が取れないということになる。臨床系ではなぁなぁで甘い審査が多いかもしれないが、基礎系ではかなり厳しいことが多い。しかも、その審査は予備審査であり、本審査は教授会で行われる。但し、予備審査で通っていればまず落ちることはない。たぶん、この形式はアメリカのDefense seminarを丸々パクっているのだと思うのだが、私のいる大学では防御というより、普段以上に笑いのネタを仕込んだ仕事の紹介でデータもかなり省いていることが多い。質問も3人の教授ではなく、他の参加者から質問されるだけである。また、日本だと必ずレビューされる英語論文誌掲載が卒業の条件となっていることが多いが、こちらではそれは必須ではないようだ。また実際は、審査する3人の教授が学生の間に半年か年に一回プレゼンを聞いて、深達度とどう展開すべきかの助言を加えるというシステムが取られているため最後はほとんど見る必要はないというのも防御的にならない理由とも言える。この審査教授に対して現金を渡していたとして、横浜市立大学医学部が問題になっていたが、未だにこんな習慣が残っている大学があったのねとびっくりしてしまった。そういう時代があったのは確かだが、私の頃は菓子折を持っていくだけだった。それでも一部の医局では菓子折に現金が100万入っていることもあるという話もあったが(審査する教授に対してでなく、所属している医局の教授に対してである、アホな話だw)さて、今回、卒業する学生。歴代の学生の中でもトップ3に入る業績で4年間で一人はCell, Science, Neuronx2, PNAS, 他2報(Firstは二つ、ひとつはCNS)もう一人はCell, Science, Neuronx2, Nature Neurosciencex2, 他3報(Firstは一つ)日本だとこんな学生は年に5人もいないだろう。追記発表でのネタというのは、まず教授が学生を紹介するときに、学生の子供の頃から今までの面白い写真(女装など)を使って笑いを取りながら褒めちぎって紹介する。それに対して、発表する学生は教授に対して謝辞を述べるのだが、日本みたいに堅苦しい挨拶ではなく例えば、教授の奥さんにこっそりお願いして教授の子供の頃の写真をスキャンさせて貰いそれをネタにしながら謝辞を述べていくといった感じである。