のだめとピアノとバイオリンと北村薫の日々
ひっさびさの更新です。夏休みぼけを引きずり、リハビリの末ようやく社会復帰ができました。そんなわけで、惜別の情をこめつつ、今年の夏休みを述懐。キーワードは、「のだめ」と「ピアノ」と「バイオリン」と「北村薫」。まず、のだめ。ついに待ちに待った21巻。CDブックまで出て、ラヴェルのピアノ協奏曲を聴いてたら、全曲聴きたくなって、買っちゃいました。フランソワのラヴェル、ピアノ協奏曲集。EMI CLASSICS 決定盤 1300 84::ラヴェル:ピアノ協奏曲集「左手」とのカップリング。ちょっと「ティル」とか、「魔法使いの弟子」にも通じるウキウキワクワク感。でも、しっとりとおしゃれなんですよね。名曲です。あれをのだめの名シーンにのせて流した日には、きっと涙なしには見られません。ちなみにのだめのストーリーの方はすごいことになっちゃってます。次が気になるー!!!さて次のキーワード、ピアノ。夏休み一日目の日曜になにげに近所のホールに行ったら、偶然昔習ってたピアノ教室の発表会をやってて、ちょっとピアノでも触ってみようかなー、と何年ぶりかになりました。そんなわけで、帰って適当に遊び弾きをしてたら、ある曲にめぐりあい、はまってしまいました。ドビュッシーのベルガマスク組曲より 前奏曲。ベルガマスクといったら、やっぱり「月の光」が有名ですが、なぜか「前奏曲」。でも、どうしてなかなか。この「前奏曲」もいい曲です。最初、低音からはじまるどっしりした和音の中から、はかなげにあらわれる高音の旋律は、やがてわずかな憂いを秘めて展開をはじめ、心地よくゆれるテンポの波の中で静かな盛り上がりをみせる。寄せては返す波のような音楽は、どこか悲しげで切なげな淡い色彩の中に響き、静かに高揚し、そして何事もなかったかのように終わる。古典を思いっきり意識してますが、音楽はまさにドビュッシー。ひさびさにどっぷりはまってしまい、あろうことか暗譜まで始めてしまい・・・。密かに録音までして完全に自己満足で楽しみました。あんなにピアノにはまったのは何年ぶりかと思うほど。あー、今思い返してもちょっと幸せな日々でした。ほんとは、夏休み最後の日に大学オケの合宿があって、そのOB会で弾くシューベルトの交響曲5番モーツァルトの交響曲39番を練習しないといけなかったんだけど。というわけで、次のキーワード、バイオリン。なにげにバイオリンよりもピアノの方が弾いてた気がするけど。バイオリンも例によって4月以来ほとんど触ってなかったので、ひさびさに弾いて少しだけ生き返ったような気がします。やっぱり楽器は弾かないと死んじゃいますね。ま、それをいうならもっと上手い人に弾いてもらった方がいいんだろうけど。OB会は、結構しんどかったけど、ミラクルなことに一応最後まで通り、へとへとになりながらも楽しかったです。うーん、音楽っていい!!そして、やっぱりモーツァルトは天才だ。って、このブログで何回書いたんだろう。でも、「晩年」を迎えていたモーツァルトの最後の3つの交響曲はそれぞれにいい。そして、大曲って感じの41番、美しいまでの憂いに満ちた40番もいいけれど、生命力にあふれた39番こそ、モーツァルトの音楽という気がする。今の私なら、3曲のうち一つ採るとしたら、迷わず39番。セカンドバイオリンはありえないほど難しいけど。これは、無理してでも本番乗りたいっ!と、今から空しく騒いでます。そしてもう一つ。北村薫著 『六の宮の姫君』これ、いい本です。日本には珍しい書評ミステリー。芥川自信が語ったという、「六の宮の姫君、あれはキャッチボールだね。いや、玉突きというべきか」という言葉。その謎を解くうち、芥川と菊池寛という2人の親友の心の交友に迫り、大正に生きた二人の文豪がリアルタイムに蘇ってくる。芥川は何を考え、何に憧れたか。芥川が「私の英雄(ヒーロー)」と呼んだ菊池寛は、何を思い小説を書いたか。2人の天才の心の光と影を、現代に生きる主人公、私が書簡と著作の中から読み起こしていく過程は、信じられないほどスリリングです。菊池寛が芥川龍之介の葬儀で、友人総代として号泣しながら呼んだという弔辞は、まっすぐに泣けます。夏休みに福島に旅行に行くという設定から始まるせいか、夏になると読みたくなる。今回は、どこにも旅行に行かなかったからか、これを読んで旅行に行ってる気分になってました。一週間の夏休みの間になんと二回も通読してしまうぐらい、オススメです。うーん、こう考えてみると、結構楽しかったなぁ。というか、実家が途中からなんか別荘みたいに思えてきて、近所のスーパーに買い物に行くのでさえ、なんか幸せでした。こういう、仕事を忘れてのんびりできて、好きなことできるって幸せですね。まあ、老後の楽しみに取っておこう、ということで。今はぼちぼち働きます。。。