9月27日、自民党総裁選挙の投開票が行われ、石破茂氏が新総裁に選出された。選挙戦前半は小泉氏優勢と言われていたが、選挙戦後半は高市氏、石破氏が追い上げ、小泉氏が失速する情勢となり、1回目の投票では、高市氏が181票、石破氏が154票、小泉氏が154票となり、いずれの候補者も過半数に届かなかった。小泉氏は3位となり決選投票に進めず、1位の高市氏と2位の石破氏が決選投票に進んだ。1回目投票後の時点では高市氏は議員票72、党員票109の計181票を獲得し、石破氏は議員票46、党員票108の計154票で党員票は両氏ともに互角、議員票は高市氏が優勢であった。議員票だけでみると高市氏に勢いがありそうな感じがあり、「初の女性首相」かとも思われた。その後の決選投票では石破氏が議員票189、都道府県連票26の計215票、高市氏が議員票173、都道府県連票21の計194票となり石破氏が逆転で新総裁に選出された。1回目の投票で3位以下の候補者に投票した議員票が勝敗のカギとなったが石破氏に流れた票が高市氏より多かった。投票者は高市氏では近いうちに行われるであろう総選挙に勝てないと考えたのだろう。
石破氏はこれまで2008年、2012年、2018年、2020年の総裁選立候補し、2024年の今回の総裁選で5回目の立候補、2012年の総裁選では1回目の投票では1位となったものの、決選投票では1回目2位の安倍氏に逆転で敗れた。2024年、5度目の挑戦で総裁選に勝利した。人間あきらめずに努力すれば願いが叶うということなのかもしれないが、初挑戦から16年、逆転負けした2012年から12年、ずいぶん時間が経ってしまった感じである。石破氏は現在67歳、文字通り「最後の戦い」であった。新首相となってどのような仕事をしていくのか見ていきたい。
自由民主党本部に掲げられていた総裁選のポスター。