2007/03/21(水)16:30
【六】ほらふきチャオ
周がポケットから用心深く取り出した紙切れとは・・・
周が私に渡して、『早く見て』という素振りをするので
私も(何故か)周囲を見回してから、その紙を開くと。。
借条
今収到周○先生借給趙○○人民幣陸百元整(600元),
200×年×月30日前還清。
@0@;;←私
私 「これっ・・・(驚)」
周は 『皆まで言うな』 と無言で何度も小刻みに頷く。
(日本語訳)
借用書
今、周○さんが趙○○に貸した人民元600元を受領しました。
200×年×月30日前に返金します。
200×年×月×日 趙○○
借金て、チャオ・・・(汗) ボンボンちゃうんかいな
私 「*600元(約9000円)って…多いな~?(小声)」*現場作業員の基本給くらい
周 「チャオ、家にパソコン買うから貸してくれって。(小声)
前にも300元貸しましたけど、その時はすぐに返したから。。
でも今回は『金ない、金ない』って期限過ぎても返してくれないし。
・・・危ない、危ない。踏み倒される所だった~。あ~危ない、危ない。」
・・・それで、アコ小姐に、ちょっとお願いが~」
ドキ
また面倒臭い事ちゃうやろな…
・・・話そらそうか(~~)
私 「周君・・・すごいなぁ~(真顔)」
周 「え!?」
私 「600元って…いや~(首振りながら)普通は無理やで。(感心)
甲斐性あるね~
さすがやね~!^▽^」
周 「…いや~そんな(´▽`)(テレテレ)」
周は乗りがいい^v^
私 「…じゃ!仕事あるから(・_・)」
素早く回れ右をする私。(よく、こうやって誤魔化す)
周 「…ちょっと、ちょっと!アコ小姐!」
・・・チッ、気付いたか(~~)
私 「何よ~(~~)」(振り向く)
周 「あの…お願い事!次の給料日の時に、チャオの給料から600元、
直接、僕に下さい」
私 「はぁ!?」
周 「この借用書あるし!彼から回収する権利は僕にあります!!」
・・・また、ややこしい事を・・・(~~)・・・
私は、ちょっと考えて。
私 「・・・でもチャオは、会社から給与を受け取る権利があるよ。
この借用書も、あんたとチャオの間のもので、
会社があんたから600元、借りたワケじゃない。
そうでしょう?(対不対?)」
周 「・・・う~ん・・・」
私 「やっぱり、チャオから直接回収して^^」
周 「ああ・・・(ガッカリ)」
私 「ゴメンね。*法的にもできない相談だわ」
*大陸の人は「規定」に弱いので、私は、よく適当に「法的に」と言います
周 「分かりました・・・(ショボン)」
ガッカリしている周を残して、事務所へと歩き始めた。
・・・えらい事言うな、あいつ(周)・・・
チャオの給料から直接返してくれって・・・(汗)
・・・あれ?
・・・本当は、いいのかな?
いや、やっぱり、ややこしい事になりそうやから
あの回答で良かったよ。(周も諦めたしな)
知らん、知ら~ん(汗)
事務所に戻って、チャオを観察していると。
周が怖い顔をして、チャオに何か言っていて。
チャオが頷いているのが見えたので・・・
早速、取立ててるな・・・(ーー;;
と思いました。
チャオが辞めるニュースは事務所内に、またたく間に広がり。
何人かチャオの周りをウロチョロしているのが目に付いたので。
どうやら、借金は周だけじゃなかったな、と・・・(~~)
首突っ込むと、ややこしい事になりそうなので、ほおっておきましたが。
給料日翌日。
周が私の側に駆け寄ってきて。
また小声で
『アコ小姐、回収しましたよ!うぁ~危ない、あ~危ない』
と「危ない」を、10回以上言っていたので
・・・あんたもな・・・(ーー) 色んな意味で。。
と心の中で
突っ込みを入れておきました。。
********************************
給料日から一週間後。
チャオが辞める日。
一通のメールが、大川さん・竹山さん・洪経理・私宛に入りました。
各位領導們
○○公司で勤めた2年間は、
僕の人生にとって輝いていた2年間でした。
今まで支えてくれた上司の方々、同僚の皆さんに感謝しながら、
そして少しの感傷を感じながら、僕は○○公司を後にします。
<中略>
もしISOで分からない事があれば、僕の個人アドレスXXXXに連絡して下さい。
僕は喜んで公司のお役に立ちたいと思います。
さようなら、○○公司。
さようなら、上司の方々、同僚の皆さん。
僕は○○公司を生涯忘れないでしょう。
公司に栄光あれ!
200×年×月×日 趙○○
私は。
パソコンの前に腕組みして座り、じーっと、このメールを見つめていましたが。
暫くして
長いため息を一つ ついて。
キーを叩き始めました。
そして、
一字一句省略せず日本語に翻訳した
チャオの 「最後のホラ」 を
大川さんと竹山さんに転送しました。
***************************************
その日は金曜日。
夕方、チャオの退職を告げる紙を、工場と事務所内に掲示しました。
この時は、
週明けに何が起こるか、
全く想像していませんでした。
つづく。
←是非1票お願いします!(別窓)
←こちらも是非!非常感謝!(別窓)
←御支持お願いします^^(別窓)
この話は【五】ほらふきチャオの続きです。宜しければ、どうぞ。