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カテゴリ:御書と青年
池田名誉会長が語る青春勝利の指針
御書と青年 14 未来を創る(下) ◆ まず話を聞くこと 河本: ところで、未来部と接するなかで、「どうしても世代間ギャップを感じてしまう」という担当者の声もあります(笑い)。 名誉会長: そうだね。ただ、君たちが未来部員だった時の担当者の方々も、きっと同じ悩みを持っていたと思うよ(笑い)。 でも、世代が違うからこそ、子どもたちに伝えられることがある。 学校では、だいたい同じ年齢の友人たちとの付き合いしかないのが普通です。 そうした中で、社会経験もあり、一回り大きな視野に立つ先輩の意見やアドバイスは、本当に貴重です。教育の面でも、社会的に見ても、実に深い意味があります。 良き兄、良き姉として、話をじっくりと聞いてあげることです。まず、こちらが心を開いて仲良くなることです。 難しく考えることはありません。仏法は本有無作(ほんぬむさ)です。広宣流布へ邁進する、ありのままの大情熱を誠実に伝えていけばいいのです。 佐藤: 池田先生が今、対談を進めておられるアメリカの歴史学者のハーディング博士も、語られていました。 「大人や教師が、失意や焦燥の中で、子どもたちに接しなければならない場合もあるでしょう。しかし、それ自体も、格好の教育環境となるのです。つまり、子どもたちに、大人がそうした困難をどう乗り越えていくかを見せてあげる好機となるからです」 名誉会長: 子どもたちは本当によく見ている。大空へ伸びゆく若木のように、太陽の希望の光を求めている。心を満たす豊かな滋養を、真剣に求めています。だから、スポンジのような吸収力を持っている。グングン成長していくんです。 前にも申し上げた通り、大聖人は、南条時光を未来部の年代から、何度も何度も激励しておられました。 若くして父を亡くした時光に、まさに慈父のごとく、一人の人間としての大成を願われて御指導されています。 熊沢: 時光が大聖人から賜った御手紙は、御書全集で30編を超えます。 名誉会長: その一編一編が、夫来部にとっても永遠の指針です。 「親によき物を与へんと思いてせめてする事なくば一日に二三度え(笑)みて向へとなり」(同1527ページ)とも、こまやかに教えてくださった。子どもが微笑んでくれるだけで、親はうれしいものなんだよ(笑い)。 【河本】 「親孝行」は、先生から繰り返し教えていただいた、未来部の合言葉です。 ◆ 三世に輝く王者に 名誉会長: 大聖人は、未来を担いゆく時光に期待されるがゆえに、信心の姿勢については厳しく御指導された。 10代の時光に、退転者、反逆者の名前を列挙されて、その師敵対と破和合僧の本質を教えてもおられます。 「日蓮が弟子にせう房と申し・のと房といゐ・なごえの尼なんど申せし物どもは・よくふかく・心をくびやうに・愚擬にして・而も智者となのりし・やつばらなりしかば・事のをこりし時・たよりをえて・おほくの人を・おとせしなり」(同1539ページ) 要するに「貪欲(どんよく)」「臆病(おくびょう)」「愚凝(ぐぎょう)」「増上慢(ぞうじょうまん)」に心を食い破られた人間であると。 後継の若き生命に、正義と真実を鮮烈に刻みつけていかれたのです。この御指導を受け切って、時光は悪と戦い、同志を守る破邪顕正の指導者へ成長していきました。 弟子が師弟不二の正義に奮い立った時、令法久住の道が開かれるのです。 熊沢: 長い目で見守ってくださる師匠のまなざしほど、ありがたいものはありません。高等部の代表で結成された鳳雛(ほうすう)会、鳳雛グループの方々が、結成25周年(1991年)の夏にお届けした記念文集に、池田先生は揮毫してくださいました。 「鳳雛会 永遠に万歳 勝利の旗高く 万歳 合掌」 「学会と同志のために 戦い 尽した勇者は 人間として また正義の人として 世に輝きわたる 幸福と勝利の王者なり」 この言葉の下には、舞い飛ぶ、たくさんの鳳雛の絵を描いてくださったのです。 名誉会長: 人を「育てる」ということは、その人のことを「祈り続ける」「励まし続ける」ことです。 一人一人が鳳雛から大鳳(おおとり)へ立派に成長していく晴れ姿を見守る。これほどの喜びはありません。 ◆ 自身の成長が根本 佐藤: 今年の未来部躍進月間では「家庭における信心の継承」も重要なテーマです。未来部の子どもを持つメンバーからは、どのように信心を継承していけばいいか、相談を受けることがあります。 名誉会長: かつて私は、家庭教育へのアドバイスとして大要、次の点を挙げました。 1、信心は一生。今は勉学第一で。 2、子どもと交流する日々の工夫を。 3、父母が争う姿を見せない。 4、父母が同時には叱らない。 5、公平に。他の子と比較しない。 6、親の信念の生き方を伝えよう。 子どもたちは、一人一人が無限の力を秘めている。かけがえのない豊かな個性を持っています。朗らかに自信をもたせ、ほめて伸ばしてあげてほしい。 ともあれ、信心の継承といっても、根本は親自身が信心で成長する以外にない。 「信心の偉大さ」「学会の素晴らしさ」を、自らの躍動する姿で快活に示していくのです。 戸田先生は「子どもは、いつも理想をもって引っ張っていってあげなさい」と語られていた。子どもたちに自分の理想を誇りをもって語れる。こんな素晴らしい親から子への贈り物はありません。 大聖人は、門下のお子さんの誕生を寿(ことほ)がれて「現世には、必ず跡を継ぐ親孝行の子であり、後生には、この子に導かれて仏になられるであろう」(同1123ページ、通解)と仰せです。 学会家族にあっては、地域の未来部が、みな、わが子に等しい宝です。やがて迎える2030年、創立100周年のその時、今の未来部のメンバーは、さっそうと若きリーダーに成長していて、口々に語ることでしょう。 ── 自分の今があるのは、あの時に励ましてくれたお兄さん、お姉さん、また、地域のおじさん、おばさんたちのおかげだ、と。 そして深き恩返しの心で、今度は、その時の未来部の友を真剣に育てていってくれるに違いない。地涌の友から、次の地涌の友へ、「法華経の命を継ぐ人」(同1169ページ)のリレーが続きます。 壮大な師弟の魂の継承がある限り、創価学会は万代に栄えます。広宣流布の松明(たいまつ)は、万年へ燃え続けます。 「正義の走者」「勝利の旗の走者」である未来部、そして青年部の皆さんに、私はあらためて心から申し上げたい。「21世紀の創価学会を、よろしくお願いします!」と。 2010年8月14日付 聖教新聞
最終更新日
2010.09.28 22:13:20
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