|
カテゴリ:御書と青年
池田名誉会長が語る青春勝利の指針
御書と青年 16 創価の連帯・人間の善性の結合(下) 言葉や振る舞いで、感謝と愛情を示すことです。 それが幸福を創る“音律”となる 親孝行の人たれ 棚野: 男子部には、「親が信心に反対です」「妻がなかなか、学会のことを理解してくれない」といった悩みを持つ人がいます。 皆、「何とか信心をしてもらいたい」と、祈り、頑張っています。 名誉会長: 焦らなくていいんです。私も入信当時、父が信心に反対でした。父と私の間に立って、母がずいぶん苦心してくれたことを思い出します。 大聖人は「末代の凡夫此の法門を聞かば唯我一人のみ成仏するに非ず父母も又即身成仏せん此れ第一の孝養なり」(同984ページ)と述べておられます。 まず自分自身が人間革命して、仏の生命を輝かせていくことです。家族を大事にしていくことです。成長して、親を安心させていくことです。 「一切は現証には如かず」(同1279ページ)です。「道理証文よりも現証にはすぎず」(同1468ページ)です。 棚野: 家族ほど、自分の実像をよく知っている人はいません。どんなに取り繕っても、すぐ見破られてしまいます(笑い)。 熊沢: イタリアなど海外でも、入会した青年部員が、生まれ変わったように成長していく姿に驚き、続いて入会する家族が少なくないとうかがっています。 名誉会長: 自分が変われば、やがて家族も変わる。根本は自分です。一家の幸福を真剣に祈っていけば、必ず通じていきます。 恩師の有名な「青年訓」には「青年は、親をも愛さぬような者も多いのに、どうして他人を愛せようか。その無慈悲の自分を乗り越えて、仏の慈悲の境地を会得する、人間革命の戦いである」とあります。 青年部の皆さんは、どうか、親孝行であってほしい。 お金がなくても、できることは、いっぱいあるんだよ(笑い)。明るい笑顔。「ありがとう」の一言。一本の電話……。親というのは、それだけで幸せな気持ちになって、元気になるものです。 不思議な縁で結ばれた家族に、ちょっとした言葉や振る舞いで、感謝と愛情を示していくことが、生きる喜びの名曲となり、人生の名画となる。幸福を創る音律となります。 大聖人は若き南条時光に、こう仰せです。 「如何ぞ此の経の力にて我が母の仏にならざるべき、されば法華経を持つ人は父と母との恩を報ずるなり」(御書1528ページ) 我が父母を絶対に成仏させられるのが、妙法です。妙法を受持し、広宣流布しゆく青春は、それ自体、最高の親孝行の道を歩んでいることを確信していただきたい。 棚野: はい。池上兄弟も、父から猛反対されながら信心を貫き通して、最後は一家和楽の信心を勝ち取りました。 魔に紛動されるな 名誉会長: 大聖人は、試練と戦う兄弟に仰せです。 「第六天の魔王或は妻子の身に入って親や夫をたぼらかし或は国王の身に入って法華経の行者ををどし或は父母の身に入って孝養の子をせむる事あり」(同1082ページ) 民衆を幸福にさせまい、仏にさせまいとする第六天の魔王の働きは、権力者などの生命に入って、正義の師弟に襲いかかってくる。この魔性に信心を破られてしまえば、一生成仏はできない。広宣流布も断絶してしまう。 だから、強く賢く、魔を魔と見破って、絶対に紛動されてはならないのです。 ある場合には、魔の働きは、親や妻子などの家族の身に入って、その人の最も「大切にしている部分」「弱い部分」を責めてくる。 といっても、その家族の方が魔なのではありません。魔とは、あくまでも“働き”です。家族それ自体は、大切な宝です。 ですから自分の信心を試してくれるのだと受け止め、勇気を奮い起こして祈り、境涯を開けば、必ず「善知識」に変わっていきます。 これが妙法です。日蓮仏法では、一切を大きく包みながら、良い方向へと生かしきっていけるのです。 熊沢: 池上兄弟は大聖人の御指導通り戦い抜き、父親も、ついに正法に帰依しました。 名誉会長: 師弟不二の勝利です。師匠の仰せを根本とする、兄弟の団結が勝利をもたらしたのです。 身近な人が仏法を理解するには、かえって時間がかかる場合がある。それも、自分の信心を鍛えてくれていると捉えていけばいいんです。 また、信心をしないからといって「一家和楽」が実現できないなどと、窮屈に考える必要もありません。 信心していなくたって、家族のため、子どものために一生懸命働いてくれるお父さんも、おられる。学会活動を理解して、応援してくれる家族もいる。ありがたいことじゃないか。まさに諸天善神です。心から感謝していかねばなりません。 必ず宿命転換できる 熊沢: 友人の中には、両親の不和や暴力などの問題で悩んでいる人がいます。女子部員の中にも、同じような問題に直面してきたというメンバーがいます。 名誉会長: どうか、一人一人の状況をよく聞いて、心から励ましてあげてほしい。問題によっては、その方のプライバシーを十分に尊重した上で、経験豊かな婦人部の先輩方などにも、力になっていただくことです。 大聖人は、南条時光のお母さんに仰せになりました。 「法華経をたもちたてまつるものは地獄即寂光とさとり候ぞ」(同1504ページ) 家族の悩みは千差万別です。しかし、それこそ世界中の学会員が、どんな深刻な宿命をも打開して、幸福を勝ち取ってきたのが、わが創価学会の80年の功徳の実証です。 棚野: 今から20年前、池田先生が台風の渦中に、鹿児島の研修道場を訪問された折、一人の役員の青年を激励してくださったお話を先日、うかがいました。 青年が自分が養子であることなど、生い立ちをご報告すると、先生は、『新・平家物語』の逸話を語ってくださいました。 ──実の父が誰かわからず煩悶していた若き平清盛に、“じじ”が言うのです。 “真の父親が誰であろうと、あなたは間違いなく一人の男の児ではありませんか。心を太々とお持ちなさい。天地を父母と思いなさい”と。 先生は「君が力をつけて偉くなれ! 君が偉くなれば、育ての親も生みの親も、みんな救っていけるんだよ」と励ましてくださいました。 名誉会長: 仏法には感傷はありません。どんな境遇であれ、久遠元初の太陽を、わが生命に昇らせて、今世の使命を立派に果たしきっていけるのです。 棚野: 今、その青年は世界を舞台に、重責を担い飛び回っています。ご両親も元気に頑張っておられるそうです。 名誉会長: うれしいね。本当によかった。 ともあれ、御書には「法華経一部を色心二法共にあそばしたる御身なれば・父母・六親・一切衆生をも・たすけ給うべき御身なり」(同1213ページ)と仰せです。 家族の中で「一人」が本気になって立ち上がれば、全員に妙法の偉大な功徳をめぐらしていくことができる。 大空に太陽が輝けば、万物を照らしていけるのと同じなのです。 熊沢: 女子部でも「一家和楽」を実現し、はつらつと前進するメンバーがたくさんいます。 名誉会長: 真剣の一人がいれば、必ず「一家和楽」を実現できる。苦労した分だけ、皆を包容し、励ませる境涯になるのです。 特に女子部は、青春時代に「幸福の土台」を築いてほしい。「信心の基盤」を確立してほしい。 焦らずに、自分らしく賢く朗らかに進むのです。そこに一家一族の永遠の福徳と繁栄を開く道があるからです。 皆、大聖人の子どもです。大聖人に直結する学会は、仏意仏勅の「妙法の家族」であるといってよい。 今、その“家族”は世界192カ国・地域に広がった。人類の宝です。 釈尊の教団は「不敗の集い」と讃えられた。君たち青年の熱と力で、「常勝不敗の集い」たる創価の連帯を、歓喜踊躍して、さらに光り輝かせてもらいたいのです。 任用試験の受験者、頑張れ! 行学二道の英雄に 21世紀の青年学会を 棚野: はい。断じて、新たな「人材・躍進」の連帯を広げてまいります。 教学部任用試験まで、あと1カ月となり、青年部では活発な研さんを行っています。 名誉会長: 人材の躍進といっても、根本は一人一人が「行学の二道」に徹し、信心を磨いていくことです。 同世代の友に大きく「人間の善性の結合」を広げるとともに、自分が勇敢に戦い、成長していくことだ。 大聖人は「願くは我が弟子等は師子王の子となりて群狐に笑わるる事なかれ」(同1589ページ)と仰せです。そのために、真剣に教学を学んでもらいたい。 受験する人は、仕事など多忙な中での研さん、本当にご苦労さま。一生の宝となります。一緒に勉強し、激励してくださる先輩方も、よろしくお願いします。 栄光の創立80周年の「11・18」は目前です。 君たち青年部が地涌の底力を発揮して、21世紀の新たな「青年学会」を築きゆくことを、私は心から期待し、祈り、待っています。 (2010年10月28日付 聖教新聞)
最終更新日
2010.12.30 10:41:32
コメント(0) | コメントを書く
[御書と青年] カテゴリの最新記事
|