歌声高く 誕生40周年の学会歌
19 「青春桜」
桜は特別な花である。
年々歳々、厳寒を越えて春に咲く美しさ、潔さに、人は、わが人生を映し見るものである。
日蓮大聖人は門下への手紙に、こう認められた。
「さくら(桜)はをもしろき物・木の中よりさきいづ」(御書1492ページ)
固く、ごつごつとした桜の木からも、やがて美しい花が咲き出る。その原理と同様に、凡夫の心からも必ず、最極の仏の生命を涌現できると教えられた。
第1次宗門事件の嵐が吹き荒れる中、池田先生は、厳しい冬を耐え、満開の花を咲かせる桜に、創価の同志の人生を重ね、訴えた。「嵐に負けるな!」「桜花爛漫の人生を開きゆけ!」と。当時の女子部の友が、師を求め、”父娘の誓い”を託しながら、何度も何度も歌った歌――それが「青春桜」である。
1977年(昭和52年)末、全国の女子部の友に大きな喜びが広がった。東京・信濃町に旧・創価女子会館が誕生したのである。
池田先生は「遂に建つ 創価の桜の 女子会館」と詠んで贈り、さらに桜を植樹。「青春桜」と命名した。
この1本の桜から、女子部の友は新・女子部歌の曲名を着想。代表が作成した歌詞の原案を受け取った先生は、全生命を注ぐ思いで筆を加えた。「新時代を開く”魂の歌”にしよう」と。
その結果、原案のうち「青春桜」という曲名、冒頭の「ああ」という言葉、最後の「薫れ生命の 青春桜」という言葉しか残らないほど、全面的に推敲された。
曲についても、先生は「もっと皆の心が開けていくようなものにしよう」等と具体的に提案。録音したテープを繰り返し聴いた。
こうして、師弟共戦の女子部歌「青春桜」が完成。78年(同53年)3月16日、東京・立川文化会館で開かれた「3・16」20周年記念の青年部総会の席上、発表された。
歌詞の3番には、こうつづられている。「あなたと語りし あの誓い」「いかに忘れじ この道を」「手に手をとりたる 青春桜」
私たちは決して一人ではない。創価の姉妹がいる。学会家族がいる。そして、師匠がいる!――女子部の友は、大好きな「青春桜」を口ずさみながら、荒れ狂う宗門事件の嵐を、敢然と乗り越えてきたのである。
時は巡り、2006年5月3日、現在の創価女子会館が開館し、その後、同会館に「青春桜」の歌碑が設置された。
池田先生ご夫妻の言葉が、この碑文に刻まれた。「時は満ち本門の華陽の連帯は/全世界に『師弟桜』『友情桜』/『幸福桜』『平和桜』を広げゆく/広布勝利の花の道を語り歩む」華陽の乙女は誓い進む。
自分らしく「人間革命の青春」の花を咲き薫らせるため、そして、「幸福」と「平和」の創価桜の道を開きゆくために!
(2018年9月16日 聖教新聞)
「青春桜」