〈心に刻む珠玉の言葉〉
「新・人間革命」と私
オランダ婦人部長 ジーナ・ハメーテマンさん
広布の使命を自覚し、戦いを起こしていく時、地涌の菩薩の大生命が、わが胸中に脈動します。
それが何ものにも負けない強靱な生命力をもたらし、自らの境涯を高め、広げていくんです。
<第17巻「民衆城」の章>
〈時代背景〉
1973年5月26日、山本伸一は欧州訪問の帰国の途次に、経由地であるオランダ・アムステルダムの空港に到着した。待機時間は約1時間の予定だったが、飛行機のトラブルで4時間ほど出発が遅れることに。伸一は疲労が蓄積していたが、空港に駆け付けたオランダのメンバーのために、空港近くの公園で青空座談会を行い、励ましを送る。
試練の今こそ周囲に励ましを
「民衆城」の章では、疲労のために発熱しているにもかかわらず、山本伸一がオランダの同志のために青空座談会を開催する場面がつづられています。師を求めて集った同志に、まさに命を削るような思いで励ましを送る心に感動しました。
故郷のインドで知人から仏法を勧められ、入会した私が、本格的に会合に参加するようになったのは、仕事の関係でシンガポールに移住してからのことです。その時、どんな会合でも「師弟」の重要性について確認し合っていたことに驚きました。その理由がなぜなのか、初めは分かりませんでしたが、小説『新・人間革命』を読み進める中で納得できました。
そこには、いつも同志の幸福を願い、成長のために心を砕き、励ましを送り続ける山本伸一の姿が描かれていました。その“師の心”に触れる中で、偉大な師匠に巡り合い、師と共に生きることができる人生が、どれほど尊いものであるかが伝わってきたのです。
『新・人間革命』を学び抜く時、師弟の原点を築くことができる! そして、その中で示された学会精神のままに戦い抜く時、勝利の人生を歩むことができる!――そうした思いから、オランダでは、昨年から全ての地区で『新・人間革命』を毎月、1章ずつ学んでいく運動が始まりました。
コロナ禍で、対面での会合が難しくなりましたが、そうした中でも工夫を凝らし、電話などで互いの感想を語り合いながら、地道に研さんを進めています。それとともに、“皆が山本伸一の心で周囲に励ましを送ろう”と、オンラインなどを活用して真心の声掛けに当たってきました。
その中で、ある地区の座談会では、御本尊を受持しているメンバーよりも多くの友人が参加するなど、共感の輪が大きく広がっています。
新型コロナウイルスの脅威は長期化しており、欧州では再拡大が深刻な状況になっています。試練の今こそ、オランダSGIの一人一人は、広布の使命を自覚して立ち上がり、立正安国への祈りを強め、社会に励ましの光を送ってまいります。
(2020年11月22日 聖教新聞)