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2021.01.15
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全26件 (26件中 11-20件目) 御書と青年
カテゴリ:御書と青年
池田名誉会長が語る青春勝利の指針
御書と青年 11 異体同心の前進 (下) 苦闘は自身を鍛える青春の宝 わが生命を王者の如く 真心と真剣な祈りは必ず通じていく。 「確信の声」が相手を動かすのです。 阿部関東青年部長: 池田先生の川越(かわごえ)地区での御書講義に出席された多宝会の先輩が、語ってくださいました。 先生の励ましに奮い立ち、皆で仏法対話に走った日々が、どれほど楽しかったか。 ある婦人部の方は、当時、経済的に大変な中、やっと中古の自転車を手に入れました。ペダルをこぐと「ギィッコン、ギィッコン」と賑やかな伴奏付き(笑い)。 でも、「寂しくなくて、ちょうどいいわ」と(笑い)、朗らかに折伏に励まれ、見事に生活革命された、とうかがいました。 池田名誉会長: 尊いね。 日蓮大聖人は仰せです。 「此の良薬を持(たも)たん女人等をば此の四人の大菩薩(=上行・無辺行・浄行・安立行)・前後左右に立(たち)そひて・此の女人たたせ給へば此の大菩薩も立たせ給ふ乃至此の女人・道を行く時は此の菩薩も道を行き給ふ」(御書1306ページ) 広宣流布のために奔走(ほんそう)する創価の尊き母を、仏菩薩が護らないわけがありません。同志と歩む、その道は、永遠に「常楽我浄(じょうらくがじょう)」の金の道です。 ◆ 仏意仏勅の団体 熊沢女子部長: 今の時代性でしょうか。メンバーの中には「一人で信心をするのはいいんですが、皆と一緒に活動するのが苦手なんです」と言う人もいます。 これは、「組織」をどう説明するかにつながると思いますが……。 名誉会長: 信心の目的とは何か。それは、どんな苦難や悩みをも悠然と乗り越えていける、「大山(たいざん)」のごとき自分自身を創り上げることです。これが「一生成仏」です。しかし悪世末法にあって、自分一人だけで仏道修行を成就することは、現実には不可能に等しい。 御書には明快に仰せです。 「夫れ木をうえ候には大風(おおかぜ)吹き候へどもつよきすけをかひぬれば・たうれず」(1468ページ) 「甲斐(かい)無き者なれども・たすくる者強ければたうれず、すこし健(けなげ)の者も独(ひとり)なれば悪しきみちには・たうれぬ」(同ページ) 最後まで正しき信心を全うし、真実の勝利の人生を歩み通していくためには、自分を支えてくれる「善知識(ぜんちしき)」の存在が不可欠です。 この御聖訓に示された通りの「善知識」の世界が、わが創価学会なのです。 棚野男子部長: はい。青春は、心が揺れ動く年代です。時代は乱れています。今の社会では、ちょっとした悪縁に触れて、道を踏み外してしまう青年も少なくありません。 学会は、三代の師匠が命を賭してつくりあげてくださった「幸福の安金地帯」です。この使命の庭で、多くの良き仲間と、充実の青春を送れることに感謝は尽きません。 名誉会長: 学会は、互いに飾らず、ありのままの人間として励まし合い、共々に幸福を勝ち取る「庶民の城」です。 人工的につくろうとして、つくれるものではない。 牧口先生、戸田先生が心血を注がれた仏意の団体です。万人の成仏、そして広宣流布を目的として、「仏の願い」が呼び出した仏勅の団体としか、いいようがありません。 「立正安国」の旗を掲げ、いかなる難も恐れない。誇りと喜びに満ちあふれた「戦う民衆」「目覚めた民衆」の連帯が、創価学会です。 「創価の世界的広がりは現代史の奇跡」と、心ある識者は感嘆しております。 この「異体同心の大城(だいじょう)」を築いてくださったのが、皆さんの父母であり、多宝会・宝寿会・錦宝会の皆さま方であることを、絶対に忘れてはならない。この方々の気高き芳名(ほうめい)が、人類史に永遠に輝くことは間違いありません。 棚野: 今こそ、学会2世、3世の私たちが戦います。 学会の会合は、たとえ行く前は気が進まなかったとしても(笑い)、出れば元気になります。どんなに忙しくても、学会活動に励めば、生命力が強く豊かになります。 これが、誰もが実感する学会の素晴らしさです。 名誉会長: 最高の「善知識」の集(つど)いに連なるのだから、力が湧いてこないわけがない。人間革命の善友(ぜんゆう)です。 「立正安国論」には、「悦(よろこば)しきかな汝蘭室(なんじ らんしつ)の友に交りて麻畝(まほ)の性(しょう)と成る」(御書31ページ)と説かれています。 創価の同志こそ、「蘭室の友」です。 創価学会の和合僧自体に、人の善性を呼び覚まし、高めゆく力が漲(みなぎ)っているのです。 ◆ 地球大の規模で 阿部: 一昨年の9月、先生に見守っていただき、代表3万6000人による埼玉青年部総会を、さいたまスーパーアリーナで盛大に行うことができました。 ここには、ブラジルの青年部の代表も参加し、感動をわかち合いました。そのメンバーが核となって、昨年の5月3日には、サンパウロ市で青年部2万人の文化総会を堂々と開催しました。 名誉会長: そうだね。ブラジルの文化総会に参加した青年たちの多くが、この1年で、弘教を実らせたとのうれしい報告も届いています。 世界の青年部が、互いの健闘を讃え合いながら、異体同心で、壮大な地球の広宣流布を推進する段階に入った。 ゆえに日本の君たちが勝つことが、全世界の同志の希望となり、未来の後輩の模範となる。その誉れは大きいよ。 阿部: はい。断じて勝利の歴史を残してまいります。 熊沢: 広宣流布の世界的な広がりといえば、仕事のためアメリカに滞在している女子部員が、現地の座談会に参加した感想を語っていました。 本当に多彩な人種や民族の人たちが一つの会合に集い、和気あいあいと語り合って、師弟不二の前進を決意している。まさに「異体同心の団結」は地球大のスケールだと感激したといいます。 名誉会長: グローバルな視野に立った時に、学会の存在が、いかに重要な意義を持っているかがよく見えてくる。日本にいては、かえってわからないかもしれない(笑い)。 毎日毎日、皆さんが当たり前と思って取り組んでいる地道な運動こそが、時代を創り、世界を変えているのです。これが、広宣流布という最高最善の道です。 棚野: アメリカの宗教ジャーナリストであるストランド氏は指摘されました。 「地涌の菩薩が人類共通の大地から出現したということは、すべての人々が、手をたずさえて人類共和の目的に進む存在であることを教えたものではないか」 そして、池田先生の「開かれた対話」を模範として、SGI(創価学会インタナショナル)は活発に社会に出て交流している。ここに、多様な人々を包み込みながら発展する鍵があると論じておられました。 名誉会長: 「多民族、多様性の調和する社会」という、人々の夢を実現しているのが、創価の異体同心の世界なのです。そこに、多くの識者が人類の宿命を変える可能性を見出し、期待しています。(下-2に続く) 2010年6月19日付 聖教新聞
最終更新日
2010.09.28 21:12:40
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カテゴリ:御書と青年
池田名誉会長が語る青春勝利の指針
御書と青年 10 異体同心の前進 上-2 ◆ 共に「仏道を成ぜん」 阿部: どこまでも「一人」を大切にし、苦楽を共にするのが創価の世界ですね。 名誉会長: 御書には「松栄(さかえ)れば柏(かしわ)悦ぶ芝かるれば蘭なく情無き草木(そうもく)すら友の喜び友の歎(なげ)き一つなり」(934ページ)と仰せです。 友の喜びを、わが喜びとする。友の活躍を心から讃えていく。苦難の時は一緒に悩み、励ましを送る。共に笑い、共に泣いて、人生の幾山河を越えていく。この人間性輝く、温かな結合に、真の「異体同心」が生まれるのです。 戸田先生は、わかりやすく言われていた。 「君も苦労しているか、君も貧乏しているか、君も苦しいか、お互いに信心を奮い起こそうではないか ── これを異体同心というのです」と。 大聖人が若き南条時光に教えられた法華経の一節に、「我等と衆生と皆共に仏道を成ぜん」(同1561ページ)とあります。「皆共に」です。皆で仏道修行をし、共に向上していこう、勝利していこうとの誓願があれば、おのずと「異体同心」になるのです。 棚野: 私たちは、池田先生から「一人への励まし」に徹する心を教わりました。 名誉会長: それが仏法だからです。来る日も来る日も、私は「一人」を励ましてきました。何十万人、何百万人と激励し続けてきました。私の願いは、全同志が幸福になることです。勝利の人生を胸を張って前進することです。そのために、私は生きてきたし、戦っているといってよい。創価の「異体同心の和合僧」は、この不惜身命の闘争の結実なのです。 ◆ 永遠の「将軍学」 熊沢: 「一人を大切にする」といえば、伊藤関東女子部長のお父さんは、長年、未入会でした。じつは以前、伊藤さんは、この点について、先生に直接、聞いていただく機会がありました。 その時に先生から、「お父さんに心配かけちゃいけないよ」「お父さんに『大好き』って言うんだよ」(笑い)と激励していただいたことが、自分を見つめ、変えていく大きな原点になったそうです。 以来、お母さん、妹さんとも心を合わせて祈り、お父さんをもっと大切にしようと心がけてきました。やがて、お父さんも「信心するよ」と決意をされました。 入会後、お父さんは、一人のために献身する多くの同志の姿に触れ、深く感嘆されていたとうかがいました。 名誉会長: 本当に良かったね。「心こそ大切」です。相手を思う真心、真剣な祈りは必り」(563ページ)と仰せです。 「慈愛の声」「正義の声」「確信の声」が、相手の心を動かしていくのです。 ともあれ、有名な「異体同心事」で大聖人は仰せです。 「異体同心なれば万事を成し同体異心なれば諸事(しょじ)叶う事なし」(御書1463ページ) 「日蓮が一類(いちるい)は異体同心なれば人人(ひとびと)すくなく候へども大事を成じて・一定(いちじょう)法華経ひろまりなんと覚へ候」(同ページ)どんなに人数が多くとも、どんなに権勢を誇ろうとも、心がバラバラでは勝利を得ることはできない。 反対に、たとえ人数が少なくても、各人が広宣流布へ「心」を合わせる「異体同心の団結」があれば、万事を成すことができると結論されている。 阿部: 大聖人は続けて、「悪は多けれども一善(いちぜん)にかつ事なし」(同ページ)と仰せです。「一善」とは「根本の正義」ですね。 名誉会長: そうだ。妙法流布に生きゆく仏の軍勢が最後に勝つことは、御聖訓に照らして絶対に間違いない。そのために大切なのは「前進」です。「勢い」です。 70万騎という殷(いん)の大軍に、わずか八百諸侯の周(しゅう)が打ち勝った中国の故事もそうでした。殷の兵士たちの心は定まっていなかった。その迷う心が、周の精兵の勢いに揺り動かされて、形勢が一気に逆転したのです。 「攻め抜く」「動き抜く」なかで、味方が広がり、真の団結が生まれる。「断じて勝つ」と決めて死力を尽くす時、本当の「異体同心」が鍛え上げられる。受け身では、「同心」とはならない。だからこそ、まず決意した「一人」が立ち上がることが、「異体同心」の起点となる。 リーダーが真剣に祈り、率先して行動する。この敢闘精神の勢いが波動を広げる。戦いの中で、皆が心を合致させて祈り、大いに励まし合いながら、「異体同心の前進」を加速していくならば、どんな壁も破ることができる。 この「異体同心の将軍学」を、今こそ、わが青年部は会得 (えとく)してほしいのです。 2010年6月18日付 聖教新聞
最終更新日
2010.09.28 21:11:49
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カテゴリ:御書と青年
池田名誉会長が語る青春勝利の指針
御書と青年 10 異体同心の前進(上) 御聖訓「異体同心なれば万事を成し」 団結こそ最強の力 勝利へ! 心一つに歴史を創れ 棚野男子部長: いよいよ情熱光る「青年の月」です。7月11日の「男子部結成記念日」を大勝利で飾りゆこうと、一丸となって拡大に打って出ています。 池田名誉会長: 皆、元気だね! 広宣流布は、君たち青年の熱と力で決まる。一段と深き自覚を持って、勇気凛々と前進してもらいたい。 熊沢女子部長: 女子部は7月19日に「結成記念日」を迎えます。私たち池田華陽会も、断じて新たな「師弟勝利の門」を開いてまいります。 名誉会長: これほど明るく、にぎやかな、希望に満ちた青年のスクラムは、世界のどこにもないでしょう。いまだ厳しい経済不況の中で、奮闘している友も多い。皆が励まし合い、支え合って、乗り越えてもらいたい。私も一生懸命、題目を送っています。一人一人が粘り強く「信心即生活」「仏法即社会」の実証を示し切って、功徳満開の青春であってもらいたい。これが私の願いです。 阿部関東青年部長: 大関東の青年部も燃えています。50年前、「池田先生の第3代会長への推戴(すいたい)を急げ!」との声を真っ先に上げたのは、埼玉県の青年部でした。関東は、師弟直結の誇りを受け継いで、断固、勝ちます。 名誉会長: 関東は明るいね! 埼玉も関東も、私の手づくりです。古来、「関八州(かんはっしゅう)を制する者は天下を制す」というが、関東は今や日本だけではなく、世界広宣流布の誇り高き要衝(ようしょう)であり、大本陣です。使命が大きいから、苦労も大きいに違いない。 しかし、若き南条時光(なんじょうときみつ)への御聖訓にも「しばらくの苦(く)こそ候(そうろう)とも・ついには・たのしかるべし、国王一人の太子(たいし)のごとし・いかでか位(くらい)につかざらんと・おぼしめし候へ」(御書1565ページ)と仰せです。 今、歯を食いしばって戦い切ったことが、全部、汝自身の生命を、王者の如く荘厳していくのです。戸田先生の事業が最も大変だった時も、その打開のために私は埼玉を奔走しました。一番、苦しい時代でした。だからこそ、一番、光り輝く黄金の歴史となっています。 棚野: 若き日の池田先生が、戸田先生のために埼玉を駆けめぐっておられた当時の日記(昭和25年10月)に、こう記されていました。「戦いは、毎日激烈を極む。唯、勝つことを願い、前に前に進む以外の道なし」「進め、叫べ、戦え、若いのだ。若いのだ。今、活躍せずして、いつの日か、青春の戦う日があるのだ」この先生のお心のままに、団結して歴史を創ります。そこで今回は「異体同心」をテーマに、うかがいたいと思います。 名誉会長: わかっているようで奥深い、大事なテーマです。仏法実践の極意であり、あらゆる戦いの勝利の要諦(ようてい)です。私たちが常に立ち返るべき原点といってよい。 ◆ 川越での御書講義 阿部: 関東の同志が誇りとし、宝としている歴史の一つは、埼玉の川越における池田先生の御書講義です。この講義でも「異体同心の団結」を教えていただきました。 これが「鉄桶(てっとう))の埼玉」の淵源(えんげん)です。以前、新井関東男子部長、照喜納(てるきな)総埼玉男子部長をはじめ男子部・学生部の有志が、この「川越講義」の軌跡を調べ、学ばせていただきました。先生が志木(しき)支部の川越地区の御書講義に足を運ばれたのは、昭和26年(1951 年)9月から同28年2月まで、足かけ3年です。 講義してくださった御書は「生死一大事血脈抄」「佐渡御書」「聖人御難事」など、記録に残っているだけでも11編に及びます。 名誉会長: 懐かしいね。共に「行学の二道」に励んだ同志の顔は、私の胸奥(きょうおう)から離れることはありません。川越での御書講義を開始した時、私は23歳です。 戸田先生が第2代会長に就任され、事業のほうは私が一身に担いながらの戦いでした。先生は、私たち講義担当者に厳格に言われました。「ただ講義すればいいというものではないで特に驚いたのは、一編の御書の講義が終わるごとに受講者に渡されていた「修了証書」です。 そこには一枚一枚、受講者の氏名と講師である池田先生のお名前、学んだ御書名と、講義が行われた日付が記されていました。そして、会長である戸田先生のお名前と共に、大きな印鑑が押されていました。 皆に不動の信心の楔(くさび)を打ってくるんだ!」「戸田の名代(みょうだい)として、毅然として行ってきなさい!」「名代」です。先生から直々に遣(つか)わされた、会長の代理として講義せよとのご指導です。この自覚と責任を持って真剣勝負で臨んだのです。一回一回が最高の訓練でした。 師匠の若き「名代」として広宣流布の戦野を力走する。これほど使命ある闘争はありません。これほど光輝ある青春はありません。 阿部: 「川越講義」について学ぶなか 名誉会長: よく、とってあったね(笑い)。質素な証書でした。しかし、受講された方のご多幸を祈り、未来の栄光の記別(きべつ)にとの願いを込めて、お渡ししたものです。 熊沢: 修了証書を家宝とされている、あるご家庭では、お孫さんに当たる池田華陽会の友が、中国の名門の大学院で学究の道を歩んでいます。彼女の学ぶ大学でも、「池田大作研究所」で先生の思想の研究が活発に行われていますと、近況を伝えてくれました。 名誉会長: 一緒に戦ってきた友が功徳に包まれ、子孫末代まで勝ち栄えていかれることが、私の何よりの喜びです。仏法の世界で、同志と共に行動した歴史は、時とともに、無量無辺の福運となって輝きを増していくのです。 ◆ 師弟直結の闘争 熊沢: 先生が川越で講義してくださった「生死一大事血脈抄」に、この「異体同心」の真髄が明かされています。拝読させていただきます。 「総じて日蓮が弟子檀那(だんな)等・自他彼此(じたひし)の心なく水魚の思(おもい)を成して異体同心にして南無妙法蓮華経と唱え奉る処を生死一大事の血脈とは云うなり、然(しか)も今日蓮が弘通する処の所詮(しょせん)是なり、若し然らば広宣流布の大願も叶うべき者か」(同1337ページ)との一節です。 名誉会長: 戸田先生から幾度も講義していただいた忘れ得ぬ御聖訓です。大聖人門下にとって最重要の御金言です。「異体同心」の心で題目を唱え、広宣流布に前進する中にこそ、「生死一大事の血脈」が流れ通うと断言なされています。「若し然らば広宣流布の大願も叶うべき者か」と仰せです。「異体同心の前進」こそ、広宣流布の生命線なのです。「異体同心」であれば、必ず広宣流布はできる。 棚野: かつて「団結は力なり」と、先生が墨痕(ぼっこん)鮮やかに認(したた)められた書を拝見したことがあります。究極の「団結の力」が、広宣流布への「異体同心」ですね。 名誉会長: 大聖人が仰せになられた「異体同心の団結」が、どれほど強く尊いか。あの熱原(あつはら)の法難を勝ち越えたのも、「異体同心の団結」があったからです。 若き日興上人は、折伏の大闘争の指揮を駿河地方(するがちほう=現在の静岡県中央部)で執(と)られました。 大聖人の御心を、農村の門下にも、そのまま伝え、師弟直結の信心を打ち込んでいかれたと考えられます。さらに、当時の身分や立場などの垣根(かきね)を越えて、互いに平等で尊敬し合う同志の連帯を強めていかれました。 ゆえに、いかなる迫害にも屈しない金剛不壊(こんごうふえ)の和合僧が築き上げられたのです。 「熱原の三烈士」の殉教は、何ものにも負けない、真の民衆仏法の確立を告げました。「異体同心の団結」は、師匠の御心を根幹として、不二の弟子が最前線に分け入って創り上げていくものである。このことを、日興上人は示してくださ ったのです。 熊沢: 広宣流布を成し遂げる、この「異体同心の血脈」は、わが創価学会にのみ、脈々と受け継がれています。 名誉会長: そうです。牧口先生と戸田先生が、広布を進めるために創立された「異体同心の組織」が学会です。「異体同心なればかちぬ」(同1463ページ)と大聖人は仰せです。また、勝つことが「異体同心の実証」なのです。 あの蒲田(かまた)支部の2月闘争も、男子部第1部隊の大拡大も、文京支部の大前進も、大阪の戦いも、山口の開拓闘争も、札幌でも、葛飾(かつしか)でも、私はいつも「異体同心の前進」を最第一に心がけ、勝利してきました。 棚野: 「異体同心」という言葉は、今や“国際語”となっています。4月の青年部幹部会で、アフリカのコートジボワールから参加したメンバーが、「イタイドウシン(異体同心)!」「ビクトワール(勝利)!」とかけ声をかけていた姿が、実に印象的でした。 コートジボワールは青年部を先頭に、「異体同心」と「勝利」を合言葉として、この20年で200人から2万人へと、実に100倍もの目覚ましい発展を遂げました。 【名誉会長】 皆、本当に頑張ってくれている。尊い尊い仏の方々です。内戦を乗り越え、想像を絶する過酷な環境のなかで、平和と生命尊厳の連帯を広げてこられた。いずこの国にあっても、わが友は、皆、仲良く団結し、良き市民、良き国民として、社会に貢献し、信頼を勝ち得ておられる。 熊沢: 「池田華陽会」も、世界中で異体同心のスクラムを広げています。欧州のSGI(創価学会インタナショナル)の女子部メンバーと懇談した折、「異体同心」が話題になりました。個人主義を重んじる人は、「団結」や「組織」というと、ともすると個性や個々人の人間性が軽んじられるような、マイナスイメージを持つことが多い。 でも「異体同心」という考え方には、どこまでも「一人」を大切にする仏法の思想が込められている。そこには、欧州でも世界でも共感を広げる普遍性があるというのです。 ◆ 桜梅桃李の輝きを 名誉会長: 重要な視点です。あくまでも「異体同心」であって「同体同心」ではない。皆、それぞれ大切な個性がある。職業も違う。年齢や性別、性格も、千差万別です。 今、私が対談を進めている中国文化界のリーダー・高占祥(こうせんしょう)先生は、「敬其所異(けいごしょい=其の異(こと)なりを敬う)」こそ、進歩の鍵であると語っておられた。異なるからこそ、学び合い、生かし合い、より大きな力を出していけるのです。 「御義口伝」には「桜梅桃李(おうばとうり)の己己の当体を改めずして」(御書784 ページ)とあります。 それぞれの持ち味を、最大限に発揮していけるのが大聖人の仏法です。「異体同心の団結」は、一人一人がわが使命の舞台で最高に輝きながら、広宣流布という無上の目的へ共に前進するなかで生まれる。 それは人から言われてではない。「自発能動」の団結であり、「自体顕照(じたいけんしょう)」の連帯です。 どこまでいっても大事なのは、一人一人の幸福です。人生の勝利です。「一人の宿命転換」「一人の成長」が一切の根本なのです。(上-2に続く) 2010年6月18日付 聖教新聞
最終更新日
2010.09.28 21:10:58
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池田名誉会長が語る青春勝利の指針
御書と青年 9 御書根本の勝利(下) 自分らしく生き生きと! 幸福の大道を歩み抜け 「一人立つ」真の勇者たれ 御聖訓 「強盛の信心弥弥悦びをなすべし」 君よ雄々しく進め! 大胆に進め! パラグアイ国立イタプア大学の総長 創価の哲学は世界の指針 川島関西女子部長: 以前、池田先生に私は、「どうすれば新入会の友に、師弟の精神を伝えることができるでしょうか」と質問させていただく機会がありました。 その時、先生は「難しく考えることはないよ」と言われながら、「日ごろの触れ合いのなかで、一歩一歩、信心を教えていけばいい。先輩として、親しい友人として、ふつうに、ありのままに接していけばいいのです」と温かく語ってくださいました。 「大切なのは、友の心を知り、時と場合に応じて語っていく、人間哲学者の直観の智慧である」とも教えてくださいました。私の原点となりました。 池田名誉会長: そうだったね。無理したり、背伸びをしたりする必要はないんだよ。 大聖人の仏法では、成仏といっても特別な存在になるのではない。最も人間味あふれる人格が、仏の生命です。 「九界即仏界」であり、「仏界即九界」です。信心したからといって、悩みや苦しみがなくなるわけではない。 しかし、真剣に妙法を唱え、法のため、人のため、社会のために行動するなかで、「本有無作(ほんぬむさ)」のありのままの凡夫の身に、偉大な仏の境涯を現していける。久遠元初のわが生命を旭日のように光り輝かせていけるのです。 「御義口伝」には、「久遠とははたらかさず・つくろわず・もとの儘(まま)と云う義なり」(御書759ページ)と説かれています。 気取りや見栄など、いらない。人と比べて、自分を卑下してもいけません。 最高に明るく伸び伸びと、自分らしさを発揮して、社会に貢献できるのが、正しき「自体顕照(じたいけんしょう)」の信仰です。 ともあれ、女子部は一人も残らず、これ以上ないという幸せを勝ち取ってもらいたい。そのために教学がある。 戸田先生は「女子部は教学で立て」と言われた。生命尊厳の哲理、平和と幸福の哲学に生きゆく青春ほど、気高く尊いものはありません。 もちろん、男子部は手を抜いてもいいというわけではないよ(笑い)。男子部も「剣豪の修行」の如き錬磨を重ね、「実践の教学」で前進してもらいたい。 熊谷関西青年部長: はい! ヤング男子部も、学生部も、先生が教えてくださった「立正安国」の哲学を真剣に学び、社会をよりよい方向へ変革していこうと、若い世代に連帯を広げています。 ◆ 共生の文明を創造 名誉会長: かつて戸田先生は東北のラジオ局のインタビューで、「創価学会に青年が多いのはなぜか」と質問されました。先生の回答は明快でした。「それは哲学が深いからである」と。 古屋関西男子部長: 「哲学不在」の時代を開く学会の前進に、世界の識者も大きな期待を寄せてくださっています。5年前の春、池田先生に「名誉博士号」を授与されたパラグアイの国立イタプア大学のゴンサレス総長は語られました。 「SGI(創価学会インタナショナル)の哲学は『世界の指針』といえます。より良い世界への変革は、池田博士の卓越した指導のもとに推進される『人間革命』によってのみ、実現可能です」と。 名誉会長: ゴンサレス総長は忘れ得ぬ信念の大教育者です。南米のパラグアイでも、わが同志は社会貢献に尊い汗を流しています。 この大哲学の基盤こそ、御書です。御書は、人類の未来を開く智慧の宝庫です。 戦争や暴力、差別や環境破壊といった、世界が直面する課題も突き詰めれば、人間自身、そして生命の問題に帰着する。 大聖人の仏法は、その根本に光を当て、真の平和と共生の文明を創造しゆく英知を明かしているのです。 「立正安国論」には、「若し先ず国土を安んじて現当(げんとう=現在と未来)を祈らんと欲せば速(すみやか)に情慮(じょうりょ)を回(めぐ)らしイソイ(公/心)で対治を加えよ」(御書31ページ)と仰せです。 君たち青年には、この大哲学で社会を照らし、全世界を照らしていく重大な使命がある。権利がある。責任がある。 ◆ 大難を勝ち越えよ 古屋: 立正安国といえば、関西の同志が命に刻みつけている歴史が、昭和32年(1957年)の7月3日、池田先生が事実無根の冤罪によって不当に逮捕された「大阪事件」です。 「小失(しょうしつ)なくとも大難に度度(たびたび)値う人をこそ滅後の法華経の行者とはしり候はめ」(同297ページ)と御聖訓に仰せの通りの法難です。 先生は敢然と戦われ、無罪判決を完壁に勝ち取られました。 名誉会長: 学会が、なぜ御書根本で進むのか。それは、教学の利剣がなければ、難に打ち勝てないからです。 戦時中の弾圧で、牧口先生、戸田先生以外の最高幹部は、ことごとく退転した。組織は壊滅状態になりました。教学がなかったからです。 信心をすれば功徳がある。幸せになる。そう言われて信心を始めたのに、大変な目にあった。それで疑いを起こして退転してしまった。お世話になった牧口先生に悪口(あっこう)を言う恩知らずもいた。 しかし、大聖人は御書で厳然と仰せです。 「此の法門を申すには必ず魔出来(しゅったい)すべし魔竸(きそ)はずは正法と知るべからず」(同1087ページ) 「大難来りなば強盛の信心弥弥(いよいよ)悦びをなすべし」(同1448ページ) 正法を行ずれば、必ず大難がある。正しいがゆえに圧迫される。それを勝ち切ってこそ、永遠に崩れざる成仏の幸福境涯を築くことができる。 大聖人は御書の中で、このことを繰り返し、教えてくださっています。 戸田先生は、戦後、徹して教学に力を注がれた。御書全集の発刊も、先生の深き一念が結実したものといえます。 熊谷: 大聖人は、青年門下の南条時光(なんじょうときみつ)にも「難を乗り越える信心」を訴えられました。 「自身が大事と思っている人たちが信心を制止し、また大きな難がくるであろう。その時、まさに諸天の守護が叶うに違いない、と確信して、いよいよ強盛に信心に励むべきである」「くれぐれも人の制止があったならば、心に嬉しく思いなさい」(同1512ページ、通解)と。 名誉会長: 若き時光も、不当に多くの課税を強いられるなど、さまざまな迫害や中傷を受けました。その矢面に立って同志を守ったのです。 大聖人は時光が青年だからこそ、甘やかされなかった。若き魂に「師子王の心」を打ち込まれた。 「師子王の心」で戦えば、必ず一切に勝てることを示されました。 学会は、この勝利の経典の真髄を行じているのです。 古屋: この御書を軽視し、違背したのが、邪宗門です。 それは「御書」の収集や書写、なかんずく、御消息を含めた御書の講義に力を注がれた日興上人の御心を踏みにじる悪行であり、五老僧と同じです。 名誉会長: 「日興遺誠置文(にっこうゆいかいおきぶみ)」には「当門流に於ては御書を心肝(しんかん)に染(そ)め」(御書1618ページ)と仰せです。 また「五人所破抄」には、「大聖人の御書も、広宣流布の時には、また仮名交じり文を外国語に翻訳して、広く世界に伝えるべきである」(同1613ページ、趣意)とも示されている。 創価学会は、日興上人の御精神の通りに、御書を世界の諸言語に翻訳し、全世界に流布してきました。 いまやアジアの各国でも、北中南米でも、欧州でも、アフリカでも、オセアニアでも、多くの同志が喜々として御書を拝し、行動している。これほど、すごい仏教研さんの運動はありません。 ここにも、学会こそが大聖人・日興上人に直結した、仏意仏勅の広宣流布の団体である証(あか)しがあります。 ◆ 激闘の中で学べ 熊谷: 平成3年11月、邪宗門が学会に滑稽千万(こっけいせんばん)な「破門通告」なるものを送りつけてきた時も、御書の引用は全く一つもありませんでした。 要するに衣(ころも)の権威で、学会を服従させようとしただけでした。その邪義を、学会は御書を根本にして、ことごとく打ち破りました。 名誉会長: 戸田先生は師子吼なされた。 「創価学会の一つの誇りとするところは、世界最高の教学をもっていることだ」と。 ともかく、一節でも、一文でもいい。御書を心肝に染め、実践していくことです。 よく戸田先生は言われた。「仏法はあまりにも深いのだから、『ああ、そうですか』と簡単にわかるものではない(笑い)。そして、わかってから実践するよりも、最初に信じて実践して、後でわかったほうが得じゃないか」と。 川島: 池田先生の若き日の日記には、御金言がたくさん書き込まれています。 21歳の時の日記には、「御義口伝」の「妙法蓮華経を修行するに難来るを以て安楽と意得可(こころうべ)きなり」(同750ページ)の一節とともに、「雄々しく進め。大胆に進め。若いのだ。若いのだ。常に、伸びるのだ。飛躍を忘れてはいけない」との決意が記されていることに感動しました。 名誉会長: どんなに忙しくても、いな忙しいからこそ、御書を声に出して拝読しました。大聖人は、社会から離れた安穏とした環境で、御書を執筆されたの ではない。命にも及ぶ大難の中で、御書を認(したた)められたのです。 ゆえに私は、渾身の激闘の中でこそ、御書を自身の血肉にできると定め、要文を書き留めました。 諸君も、壁に突き当たった時こそ、御書を拝し、勇気を奮い起こすことです。 「妙と申す事は開(かい)と云う事なり」(同943ページ)と仰せです。御書を開けば、わが生命から偉大な勝利の智慧を開くことができる。 ◆ 「最前線」が大事 熊谷: 「大阪の戦い」の時も、池田先生は、当時の大阪のあらゆる地区に、御書を通して激励を贈ってくださいました。 名誉会長: 一番大事なのは、最前線の「地区」であり、「支部」です。御聖訓には、「其の国の仏法は貴辺にまかせたてまつり候ぞ」(同1467ページ)と仰せです。 日蓮大聖人から、直接、それぞれの地域の広宣流布を託されているのが、創価学会の支部長、支部婦人部長であり、地区部長、地区婦人部長です。 そして、若き部長、地区リーダーの皆さん方です。どれほど深い宿縁であり、どれほど大きな福運であるか。 川島: 昭和32年の7月17日、池田先生が冤罪による投獄から出獄された時、大阪拘置所の前には、関西の地区婦人部長(当時は地区担当員)をはじめ、多くの女性リーダーも集われたとうかがっています。 そして「負けたらあかん」と、総決起されたのです。 名誉会長: 御聖訓には、佐渡流罪の法難の渦中に、師のもとへ駆け付けた乙御前(おとごぜん)の母を讃えられ、「あなたの信心が、どれほど素晴らしいか── その素晴らしさが現れるために、私は佐渡に流されたのでしょう」(同1222ページ、趣意)とまで、仰せになられています。 学会が一番大変な時に、一心不乱に祈り、戦ってくれたのが、関西の婦人部です。日本中、世界中の創価の母たちです。 川島: 池田華陽会も、その心を受け継いでまいります。 池田先生のもと、関西の先輩方が歩み抜いてきた御書根本の常勝の道を、まっしぐらに前進してまいります。 名誉会長: 入信直後に、戸田先生から直接教えていただいた御文は、私の原点となっています。 「一念に億劫(おくごう)の辛労(しんろう)を尽せば本来(ほんらい)無作(むさ)の三身念念に起るなり」(同790ページ) 戸田先生は「学会の闘士は、この御文を生命に刻むのだ。絶対に忘れるな」と断言されました。 「大阪の戦い」の時も、常に私の胸奥(きょうおう)から離れなかった御文です。 「一念に億劫の辛労」とは、一次元からいえば、自分が一切の責任を持つ「一人立つ信心」から始まる。 2010年5月27日付 聖教新聞
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2010.09.28 21:08:10
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池田名誉会長が語る青春勝利の指針
御書と青年 8 御書根本の勝利 上-2 創価の師弟が大聖人の御遺命を実現 大難を越えて全世界に妙法流布 目の前の一人に勇気を贈り、立ち上がらせる そのための教学です。 ◆わが栄光の劇を! 熊谷: 「大阪の戦い」に参加した先輩は、一様に「あの時は大変だったけど、本当に楽しかった」と言われます。「なんだか矛盾するような気もしますが、どういうことなんでしょうか」と、ヤング男子部の友が語っていました。 池田名誉会長: 本来、「苦」と「楽」は一体なのです。 真の「楽しさ」とは何か。それは「生命の充実」です。その充実とは、苦難と戦う中にこそある。 労苦を厭(いと)わず、必死に祈って、壁を破る。勝利する。だから喜びも大きい。本当に楽しいのです。 自分だけの小さな悩みで一喜一憂する青春では、あまりにも佗(わび)しい。 広宣流布は、人類の幸福を勝ち取る大闘争です。ゆえに楽な戦いではない。しかし、「始めて我心本来の仏なりと知るを即ち大歓喜と名く所謂南無妙法蓮華経は歓喜の中の大歓喜なり」(同788ページ)と仰せです。 大仏法を実践し、自他共の幸福のために尽くしゆく喜びに勝るものはない。これ以上の充実はありません。 古屋: 昭和31年1月5日、「大阪の戦い」の出発の地区部長会の折、先生は、緊張して固くなっている皆の様子をご覧になって、歌を歌い、舞うことを提案されました。参加された方々も、びっくりしたそうですね。 池田名誉会長: そうだった。皆、即興で自由奔放というか(笑い)、一生懸命、踊りを披露してくれた。おかげで雰囲気が一気に明るく弾けた(爆笑)。 御書には「迦葉(かしょう)尊者にあらずとも・まいをも・まいぬべし、・舎利弗にあらねども・立ってをどりぬべし、上行菩薩の大地よりいで給いしには・をどりてこそいで給いしか」(1300ページ)と仰せです。 学会歌の指揮も、この御書に則った在り方なのです。 私は、大阪中、関西中の大地から、新たな地涌の菩薩を続々と誕生させてみせるとの一念で指揮を執りました。 同じ戦うならば、地涌の菩薩としての誇りを胸に、悠然と舞うように戦うことです。創価という最極の青春の晴れ舞台で、栄光の劇を演じ切っていくのです。 「一生成仏抄」には、「皆我が一念に納めたる功徳善根なりと信心を取るべきなり」(同388 ページ)とあります。 広布の活動は、最後は全部、自分の福運となって返ってくる。必ず宿命転換ができる。これほど楽しく、これほど価値のある行動はない。 とともに、笑いがあり、喜びがあり、感激の涙があるところに人は集まってくる。こういう機微が大事なのです。 「戦いというのは、最後は『本当に楽しかった』と言えるまでやらなければいけない。そうでなければ、本当の戦いとはいえない」これも、恩師の指導です。 ◆億劫の辛労を尽くし 川島: 関西本部での早朝講義は、毎朝8時から行われたとうかがいました。参加者は大阪はもとより、関西各県から集われたといいます。 池田名誉会長: 始発に乗って勇んで集ってくださった方もいた。皆、真剣だった。私も真剣勝負でした。だから「心」が一致し、無量の「力」が生まれたのです。 いまだ信心をして日が浅い同志に、どうすれば、信心の偉大な功力を伝えられるか。億劫の辛労を尽くす思いで毎回の講義に臨みました。講義が終わると、皆、師子奮迅の力で飛び出していきました。朝の講義だけではない。あらゆる会合や個人指導で、御書を通して激励をしました。 戦いのスタートにあたって、まず拝したのは、「何(いか)なる世の乱(みだ)れにも各各(おのおの)をば法華経・十羅刹(じゅうらせつ)・助け給へと湿(しめ)れる木より火を出(いだ)し乾(かわ)ける土より水を儲(もう)けんが如(ごと)く強盛(ごうじょう)に申すなり」(同1132 ページ)との一節です。 世間の常識から見れば不可能な戦いだったかもしれない。しかし「不可能を可能」にできるのが信心です。強盛な祈りです。題目です。皆の心に、その大確信を燃え上がらせたかったのです。 「なにの兵法よりも法華経の兵法をもちひ給うべし」(同1192ページ) これが大阪の大闘争におい,て、私が一貫して訴え、そして自ら示したことです。 古屋: 先生は御書を通し、「時に応じた指導」を自在にしてくださったと、先輩方は回想されています。 メンバーの呼吸が合っていないと感じられた時には、「異体同心(いたいどうしん)なれば万事(ばんじ)を成(じょう)し同体異心(どうたいいしん)なれば諸事(しょじ)叶(かな)う事(こと)なし」(同1463 ページ)の一節を拝して、団結を訴えられました。 地域の中心者の一念が弱いと見抜かれた時には、「軍(いくさ)には大将軍を魂(たましい)とす大将軍をく(臆)しぬれば歩兵(つわもの)臆病(おくびょう)なり」(同1219ページ)の御金言を通して、リーダーを鼓舞していかれました。 池田名誉会長: 学会の教学は「実践の教学」です。目の前の一人に、勇気を贈る。目下の課題を打開する智慧を湧き起こす。そして、仏の生命力を涌現させて、共に大勝利への道を開いていく。そのための御書であり、教学です。 何としても、皆を奮い立たせ、勝たせたい。この強き一念で御書を拝し、率先して祈り、行動していく中で、「随縁真如の智」が滾々(こんこん)と湧き出てくるのです。 熊谷: 先生は、それこそ大阪の全会員と会われたのではないかというくらい多くの方に、個人指導をされました。また夜中には手紙やハガキを書かれて、同志や拠点に送られています。 池田名誉会長: 私は、できることは何でもやりました。 戸田先生に断じて勝利のご報告をしたい。喜んでいただきたい。その一心で大阪中を駆けめぐった。師弟を根本に、御書を根幹に一人一人を励まし抜いた。だからこそ、勝利できた。それゆえに今の関西がある。 若き君たちが、この道に続いてくれるかぎり、常勝関西の大発展は永遠です。 2010年5月26日付 聖教新聞
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2010.09.28 21:04:27
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池田名誉会長が語る青春勝利の指針
御書と青年 8 御書根本の勝利(上)
確信の講義が「大阪の戦い」の原動力に 不屈の関西魂を燃やせ 御聖訓 法華経の兵法をもちひ給うべし 御書は永遠の勝利の源泉 強き祈り 一念から無限の智慧が 熊谷関西青年部長: このたびは、中国最高峰の名門・清華大学から「名誉教授」称号のご受章、誠におめでとうございます! 平和友好の壮大なご貢献を讃嘆する歴史的な授与式に、関西青年部の代表も参加させていただきました。本当にありがとうございました! 池田名誉会長: ありがとう! わが創価の青年の意気軒高のスクラムを、清華大学の顧秉林(こへいりん)学長はじめ先生方も、感嘆されておりました。 すべて、戸田先生に捧げゆく栄誉です。 私が今日あるのは、一切、「戸田大学」の薫陶のおかげだからです。 戸田先生から私は、万般の学問と最高の人間学を学ばせていただいた。根本の哲学と究極の社会貢献の道を教えていただいた。 こんなにありがたい師匠はおりません。私は、先生から教わった一切を、君たちに伝えたい。 川島関西女子部長: 私たち関西女子部は昨年から、「御書で勝て! 関西池田華陽会」を合言葉に、先生の講義を学び、実践しています。この「行学の二道」の息吹の中から、新しい人材が陸続と育っています。 関西は断じて勝利します! 池田名誉会長: 関西はいいね! 何よりも、元気だ。関西は私の手づくりです。青春の大舞台です。関西と聞けば懐かしい。心が躍る。胸が熱くなります。 常勝関西こそ、創価学会の心臓部であり、柱です。関西は、いかなる大難も私と共に乗り越え、勝ち越えてきた「師弟不二の錦州城(きんしゅうじょう)」です。 古屋関西男子部長: はい! 先生が死身弘法で築き上げてくださった大関西を、私たちが断固として受け継いでまいります。 関西男子部の一般講義も、関西約170会場で1万数千人の精鋭が参加する大行事になりました。また、部長、本部長などを対象に、人材グループとして「常勝教学大学校」を結成し、池田先生の教学著作を学んでいます。 熊谷: 男女学生部も「教学大学校」などで仏法即社会の哲理を研さんしています。先生が教えてくださった最強無上の「法華経の兵法」で、関西青年部は、勝って、勝って、勝ちまくります! わが力を千倍万に 池田名誉会長: 昭和31年(1956年)も、関西の友は私と一緒に御書を拝し、御書のままに戦った。そして御書の通りに勝った。 御書は、希望の源泉です。 御書は、歓喜の音律です。 御書は、勇気の宝剣です。 御書は、正義の旗印です。 御書は、平和の光源です。 御書は、師弟が永遠に常勝しゆくための経典なのです。 日蓮大聖人は、「信力の故に受け念力の故に持つ」(御書1136ページ)との天台大師の一文を引いておられる。正法正義を受持することこそが、人間として最極の信念なのです。 民衆が正しき生命哲学を学べば、恐れるものはない。青年が立正安国の信念に立てば、無敵です。 御書を心肝に染め、絶対の大確信に立って前進する民衆のスクラムは、誰も止めることはできない。 川島: 錦宝会(きんぽうかい=多宝会)の先輩方から、先生の烈々たる御書講義の波動で、関西本部が軍艦のように揺れたとうかがっています。先生は、御書根本の闘争を、全関西に植え付けてくださいました。 池田名誉会長: 戸田先生は、よく言われました。 「御書には、一切の肝要が完壁に記されている。妙法という最高の価値観に立てば、何ごとであれ、どう進めばよいかがわかるのだ」と。 御書の一文字一文字には、御本仏の燃え上がるような民衆救済の大情熱が脈打っています。 御聖訓には、苦悩の底にある人々を蘇生させ、幸福へと立ち上がらせる大慈悲と大哲理が光り輝いている。 御書には、人生と広宣流布の勝利への「方程式」が記されている。妙法の「将軍学」が厳然と留められている。 「正義によって立て! 汝の力、二倍せん」とは、先哲の箴言である。 御書を根本とすることは、人間として最も強く、最も深く、最も尊い正義の中の正義によって立つことです。 汝自身の力を百倍にも、千倍、万倍にもすることができる。全人類の幸福と未来を開く広宣流布の闘争に勝利していくことができるのです。 大聖人は法華経を身読なされました。その大聖人に直結して、御書を身で読まれたのが牧口先生であり、戸田先生です。これが創価の師弟の誉れです。 「不可能」を「可能」に 古屋: 牧口先生は、妙法流布のゆえに、国家権力の弾圧を受け、投獄されました。獄中で、「立正安国の旗」を掲げて最後まで戦い抜かれ、殉教されました。 池田名誉会長: 「開目抄」には「詮ずるところは天もすて給え諸難にもあえ身命を期とせん」(同232ページ)との大聖人の烈々たる叫びが記されています。牧口先生は、この御書の一節に赤の傍線を引いておられた。 まさに、大聖人の仰せのままに、身命をなげうって広宣流布に生き抜かれたのです。そして戸田先生は、この牧口先生に、最大の感謝の心でお供し、2年間の獄中闘争を戦い抜かれました。 熊谷: 池田先生は、関西で法難を一身に受け切られ、戸田先生を守り通されました。あらゆる三類の強敵を打ち破って、今日の世界広宣流布の基盤を築いてくださいました。私たちは、いかに感謝しても、感謝しきれません。 池田名誉会長: 「撰時抄」では、「法華経の大白法の日本国並びに一閻浮提に広宣流布せん事も疑うべからざるか」(同265ページ)と、末法における世界広布が断言されています。創価学会は、大聖人の仏法を世界192ヵ国・地域に流布し、この未来記を現実のものとしました。 御聖訓に違わず、三障四魔に打ち勝って、世界広布を進めている仏意仏勅の団体は、創価学会しかありません。だから、功徳も大きい。 古屋: 不可能を可能とした「大阪の戦い」は、まさしく「御書の偉大さ」「妙法の大功力」を現実社会に示しゆく戦いでした。 池田名誉会長: 戸田先生は宣言されました。 「妙法を持(たも)って努力してゆけば、必ず人間革命できる。広宣流布はできる。御書には、そのことが記されているのだ。あとは決意と実践だ」 このことを、「大阪の戦い」に参加した同志が、一人一人、証明してくれました。 広布の母は人類の宝 池田名誉会長: 「大阪の戦い」の時、みんなは、まだ生まれていないね(笑い)。家族の中で参加された方はいるかな? 川島: 私の祖母は昭和30年に京都で入会し、「大阪の戦い」にも参加しました。一緒に入会した母は小学生でしたが、大闘争の熱気はよく覚えているといいます。 じつは母は、入会前、耳が不自由だったんです。しかし、家族で学会活動に走り抜くなかで、耳がよく聞こえるようになりました。祖母も結核を克服するなど、大きな大きな功徳をいただきました。 祖母と母は、私が小さいころから、先生と一緒に戦える喜びを私に語ってくれました。二人とも、今も元気に活動しています。 池田名誉会長: うれしいね。本当に立派なおばあちゃんであり、おかあさんです。大聖人は、けなげな女性の門下を讃え、こう仰せです。 「日蓮よりも強盛の御志どもありと聞(きこ)へ候は偏(ひとえ)に只事(ただこと)にあらず、教主釈尊(きょうしゅしゃくそん)の各(おのおの)の御心に入り替らせ給うかと思へば感涙押(かんるいおさ)え難(がた)し」(御書1126ページ) 関西をはじめ、日本全国、そして世界中に、大聖人から讃嘆される偉大な「広布の母」たちがおられる。この方々こそ、学会の宝です。いな、人類の宝です。 古屋: 私の祖父母も母も、草創の大阪支部の一員です。 「先生のお役に立つ人材になりなさい」が口癖で、私を関西創価学園、創価大学に送り出してくれました。関西には、いずこにあっても、池田先生との原点を胸に、素晴らしい宿命転換の実証を示された先輩方がおられます。私たち青年を励ましてくださっています。 池田名誉会長: 苦楽を共にしてきた関西の同志との絆は、三世永遠です。 御書には、弟子の功労を「いつの世にか思い忘るべき」(1193ページ)と仰せです。 関西が、どれほどの思いで「常勝の城」を築き、守ってくれたか。共に戦ってくれた全同志に、私と妻は毎日毎日、題目を送り続けています。(上-2へ続く) 2010年5月26日付 聖教新聞
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2010.09.28 21:02:46
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池田名誉会長が語る青春勝利の指針
御書と青年 7 立正安国の旗(下) 棚野男子部長: 東京のヤング男子部の友から、次のような体験を聞きました。彼は、友人への対話に懸命に挑戦していました。 ある時、先輩から「友人の深い理解を勝ち取るためには、まず自分が友人の真の理解者になることが大切だよ」と言われて、ハッとしたそうです。それまでは「自分の話を聞いてほしい」との思いばかりが先立っていた。でも「友人が悩み、考えていること」を理解しなければ、本当の友情は結べないのではないか、と。それからは、まずは椙手の話を聞こうと決めました。そうすると、友人は不思議と彼の話にも耳を傾け、学会の活動にも興味を持ってくれるようになりました。 その結果、職場の友人が4人、青年部幹部会に参加し、深く感動。聖教新聞を購読する人も出てきました。 池田名誉会長:ヤング男子部の健闘は頼もしいね。対話に挑戦しているということ自体が、尊き「立正安国」の行動です。 対話が思うように進まない時もあるかもしれない。しかし、くよくよすることはありません。壮年や婦人の先輩方も失敗を重ね、それでも実践を貫いて「対話の名手」となってきた。最初からうまくいったら、鍛えられないじゃないか(笑い)。 ともあれ、どんな人も「話を聞いてもらいたい」「悩みをわかってほしい」と思っている。話を聞いてくれれば、それだけでうれしい。心の重しがとれる。元気が出るものです。 以前、お会いした「核戦争防止国際医師会議 (IPPNW)」共同創設者のバーナード゙・ラウン博士は、医療は「癒しの芸術」「聞く芸術」であり、「正しく聞くことは、まずその人を尊敬することから始まります」と語っておられた。そして、誠実な対話を通して友情が結ばれれば、そこに「真の心の交流の道」が開かれると結論されていました。 熊沢女子部長:最近では、相手の立場に立って話を聞く「傾聴ボランティア」なども活発です。それだけ孤独な人が増え、社会における「対話」が渇望されているのだと思います。 名誉会長: 人間の心と心を結ぶ、創価の「対話」の運動は、社会的にも実に大きな意義を持っている。「立正安国論」も客と主人の「対話」です。語らいは、社会の混乱と人々の不幸を嘆く客の言葉から始まります。主人が、その「憂い」と「疑問」に、誠実に耳を傾ける形で、対話は展開されていきます。 ◆ 祈りがあれば必ず相手の「仏性」に届く 棚野: 本当に仲のよい友人であっても、仏法や学会の理念について語った時に、なかなか聞いてくれないこともあります。 名誉会長: 「立正安国論」の中でも、主人が誤った思想を正して、客が色をなして怒る場面があります。客は、ついに「もう我慢できない。私は帰る!」と席を立とうとする(笑い)。 棚野: ふつうなら「すいません、言い過ぎました」と謝るか(大笑い)、「帰れ! 帰れ!」とケンカ別れになりそうな場面です(爆笑)。 名誉会長: でも主人は、微笑みながら、客をとどめます。そして、客の心情もよく理解した上で、理路整然、諄々(じゅんじゅん)と正義を語っていきます。主人の大慈悲と確信に満ちた言葉、道理を尽くした説明に、客も最後は納得する。 ついには、「唯(ただ)我が信ずるのみに非ず又他の誤りをも誡(いまし)めんのみ」(御書33ページ゙)と、主人と共に立正安国のために行動していくことを決意するのです。まさしく「立正安国論」には、「対話の王道」が示されているといってよい。 熊沢: 池田先生はこれまで平和と共生の世界の実現へ、宗教や信条の差異を超えて、世界の指導者や識者と対話を繰り広げてこられました。こうした軌跡は、まさに現代における「対話の王道」の金字塔であると思います。 名誉会長: 牧口先生は語っておられた。「物や金でつながった交際は、下(げ)の友情である。就職の世話をしたり、仲良くするのは、中の交際。友人のために悪を取り除き、忠告できるのが、上(じょう)の友情である」と。友のためにと思って、仏法の正義を語った言葉が、反発を受けることもある。しかし、その心は必ず伝わる。 大事なことは、その対話に強く深い「祈り」を込めていくことです。 「祈り」のこもった言葉は、必ず相手の生命の内奥の「仏性」に届きます。相手が自覚しようがしまいが、必ず「仏性」を薫発していきます。 祈りがあるから「声仏事を為す」(御書708ページ゙)となるのです。 勇気凛々と、わが信念を叫んでこそ、青年です。相手がどうあれ、「立正安国」という最極の正義の対話の実践です。自信満々と朗らかに語り切っていけば、勝利です。 ◆ 現代の「一凶」とは 棚野: 青年部では本年、「核兵器禁止条約」の制定を求める署名運動を全国各地で展開し、核兵器廃絶への大きな波動を起こしてきました。この署名は、5月にニューヨークで開催される「核拡散防止条約(NPT)」再検討会議に合わせて、国連に提出される予定です。 名誉会長: うれしいね。皆さんの奮闘の様子は、よくうかがっています。「核兵器の廃絶」など学会の平和運動や国連支援の取り組みは、立正安国の現代的な展開の一つです。 熊沢: 池田先生はこれまで、「核兵器廃絶」への提言を繰り返し発表してこられました。また米ソなど核保有国の首脳や国連の事務総長と何度も会見され、「核の脅威なき時代」の構築へ行動されてきました。私たち青年部の平和運動は、こうした先生の取り組みを受け継ぐものです。 名誉会長: 「立正安国論」で日蓮大聖人は仰せです。 「若し先ず国土を安んじて現当を祈らんと欲せば速に情慮を回(めぐ)らしイソイ(公/心)で対治を加えよ」(同 31ページ゙) 大聖人が烈々たる気迫で権力者を諫められたのは、ひとえに民衆の幸福と平和を願われたからです。 具体的には、「他国侵逼難」「自界叛逆難」という「戦乱」を断じて起こしてはならない、との叫びであられた。 戦争は、人間性を根幹から破壊する。ましてや一瞬にして数十万の人々の生命を奪い、地獄の苦しみへと突き落とす核兵器は、魔性の産物以外の何ものでもありません。また、もし核戦争が起これば、人類そのものが滅亡しかねない。 熊沢: 戸田先生は「原水爆禁止宣言」で、核兵器を使用し、人類の生存の権利を脅かすものは「魔ものであり、サタンであり、怪物であります」と喝破されました。 名誉会長: そうです。戸田先生は、「その奥に隠されているところの爪をもぎ取りたい」と言われたのです。先生が凝視しておられたのは、人間の心の奥に潜む「生命軽視」の魔性であった。大聖人は、この正体を元品の無明は第六天の魔王と顕われたり」(同997ページ゙)と断じられている。 「元品の無明(がんぽんのむみょう)」とは、生命にそなわる根源的な無知であり、ここから人間の尊厳に対する不信や、他者の生命への蔑視が生まれます。 真の平和建設を阻む現代の「一凶」とは、この「元品の無明」にほかならない。「元品の無明を対治する利剣は信の一字なり」(同751ページ)と仰せのごとく、この「一凶」を打ち破る力こそ、「万人の尊厳」を説き明かした妙法の大哲学です。この理念を広げ、時代精神へと高めていくことこそ、恒久平和を実現する道なのです。 ◆ 世界の識者が期待 熊沢: 最近、ある女子部のメンバーから質問を受けました。それは「立正安国の戦いには"到達点"はあるのでしょうか」というものでした。 名誉会長: 皆、一度は考える間題かもしれない(笑い)。でも「立正安国」は結局、人間生命の変革の戦いです。仏と魔の戦いは止むことがない。その意味では永遠の闘争といえます。 他者のため、平和のためという「立正安国」への行動があってこそ、真実の仏法の実践といえる。そこに自身の一生成仏があり、宿命転換がある。自他共に揺るがぬ幸福を確立しゆく道が開かれます。 ただ、その途上には、幾多の障魔が競い起こることは必定です。 大聖人の御闘争も苦難の連続でしたが、その戦いは、まさに「能忍(のうにん=能く忍ぶ)」という究極の粘り強さに貫かれていました。 棚野: 松葉ケ谷(まつばがやつ)の法難や伊豆流罪、竜の口の法難、さらには佐渡流罪など、大難に続く大難を大聖人は、すべて敢然と乗り越え、勝ち越えられました。 名誉会長: 大聖人は厳然と仰せになられました。「此法門を日蓮申す故に忠言耳に逆う道理なるが故に流罪せられ命にも及びしなり、然(しかれ)どもいまだこりず候」(同1056ページ゙)と。 すさまじい気迫です。偉大なる師子吼であられる。不二の弟子である日興上人、も、大聖人の立正安国の魂を厳然と受け継がれました。 大聖人滅後も、日興上人は幕府や朝廷への諫暁をたびたび行われています。「日蓮聖人の弟子日興」と明記された諫暁の書を、師が著された「立正安国論」に添えて提出されたのです。 これに対して五老僧は、自らを「天台沙門(しゃもん=天台宗の僧侶)」等と名乗った申状(もうしじょう)を幕府に提出した。弾圧を恐れた、卑劣な保身の姿でした。 棚野:日興上人、日目上人の後、「立正安国」の精神は、宗門のなかで急速に失われていきます。やがては、民衆救済の目的と活力をなくしてしまいました。 名誉会長: 歴史の闇に埋もれていた「立正安国の大精神」を現代に生き生きと蘇らせたのが、大聖人正統の創価学会なのです。立正安国の道は平坦ではない。山もあれば、谷もある。迫害の波浪が荒れ狂う時もあれば、苦難の烈風が吹きつける時もある。 ゆえに、途中に何があっても、あきらめず、へこたれず、明るく進み続けることです。大聖人直結の「師弟不二の信心」がある限り、立正安国の大理想は必ず実現していくことができる。 人間一人一人の生命の可能性を最大に開花させ、平和へと進みゆく私たちの運動に、世界の識者も大きな期待を寄せてくださっています。 熊沢: 国連のチョウドリ前事務次長は、池田先生の国連支援に最大に感謝されながら言われました。 「民衆自身の力を開発する創価の運動は、まことに重要です。SGI(創価学会インタナショナル)は、平和と人間の開発のために力を尽くす人々の集まりです。まさに、人類の夢を描き、夢を実現する団体なのです」 名誉会長: 立正安国は、人類の夢の実現です。悲願の達成です。 若き諸君は、その目標に向かって、一日一日を勝ち進んでほしい。 「立正安国」の実践に徹する時、仏の力を出すことができる。人間は最も強くなれる。 大聖人の「立正安国」の大宣言から750年 ── 。 これほどの晴れ舞台はありません。自分自身の人間革命に挑みながら、大いなる「正義の勝利の大連帯」を社会に、世界に広げていってもらいたいのです。 2010年4月30日付 聖教新聞
最終更新日
2010.09.28 21:01:46
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池田名誉会長が語る青春勝利の指針 御書と青年 6 「立正安国の旗」 上-2 ◆ 全人類の宿命転換を 棚野:「一人の人間における偉大な人間革命は、やがて一国の宿命の転換をも成し遂げ、さらに全人類の宿命の転換をも可能にする」 ── 。この小説『人間革命』のテーマは、まさに「立正安国」の現代的な展開ですね。「立正」=「人間革命」。「安国」=「全人類の宿命の転換」と言い換えられます。 名誉会長:その誇り高き主役は、君たち青年です。今や妙法は世界192ヵ国・地域へと広がった。「立正安国」の具体的な展開は、若き妙法の青年たちが日本へ、世界へ、「人間革命」の連帯を、さらに広げていくことです。生き生きと社会に貢献していくことです。 棚野: それは、教育、学術、芸術、経済、政治、スポーツなど、ありとあらゆる分野に、正しき哲学と信念を持った若き人材が躍り出ていくということですね。 名誉会長:さらに言えば、仏法への理解を広げ、共感する人を増やしていくことも、「立正安国」の行動です。生命尊厳の思想を広め、人類の境涯そのものを高めるために、多くの人と対話し、心広々と「善の連帯」を結んでいくのです。 棚野:反対に人間自身の可能性を否定し、差別をもたらす思想とは戦うことですね。 名誉会長: 「立正」は「破邪」と一体です。人間の尊厳を脅かすものとの戦いです。私が深い交友を結んだ、アルゼンチンのアドルフォ・ペレス=エスキベル博士は、非道な軍事政権(1976年~83年)との闘争を貫かれた。博士自身、14ヵ月にわたって投獄され、電気ショックなどの拷問を受けました。 しかし、断じて負けなかった。やがて世界から"「良心の囚人」を釈放せよの「生命の尊厳」「自由と正義」を守るための、闘争が、世界の人々にどれほどの勇気と希望を贈ったか。深い深い信頼で結ばれた「平和と人権の同志」です。 ◆ 弾圧を恐れず諫暁 熊沢:大聖人は「立正安国論」の提出をはじめ、御生涯で幾度も国主諫暁をされています。弾圧の危険を顧みず、大聖人は厳然と言論戦を重ねられています。 名誉会長: 大聖人は、その理由について、「但偏(ただ ひとえ)に国の為法の為人の為にして身の為に之を申さず」(同35ページ゙)と仰せです。 大聖人の諫暁は、天変地異、大飢饉や疫病、幕府の無策によって、塗炭の苦しみに喘ぐ民衆を救わんがためです。またそれは、正しい宗教の真髄を示される戦いでもありました。 当時、権力者は、自己の保身のために各宗派に祈祷を行わせていた。宗教の側も、その権力に迎合して癒着し、民衆救済の戦いなど微塵もなかった。民衆の幸福と安穏のためには、この根底の意識を転換せねばならない。「立正安国論」は、「宗教の革命」とともに「指導者の革命」を訴えられた書でもあるのです。 棚野: まさしく、烈々たる民衆救済の精神に貫かれています。 名誉会長: 自界叛逆難(内乱)、そして他国侵逼難(侵略戦争)が起きることを経文に照らして予言し、権力者を諫められたのも、罪なき民衆が犠牲になる戦争を絶対に起こしてはならない、との御心からであったと拝される。戦争ほど残酷なものはない。 6年前、フィリンピンの名門キャビドル大学の創立者であられる、ラウレアナ・ロサレス先生と語り合ったことが忘れられません(2004年6月、東京)。 ロサレス先生は、第2次世界大戦で、約2万人が犠牲になったとされる、日本軍による「バターン死の行進」の生存者でした。ロサレス先生は、当時、16歳の乙女であった。先生は語られた。「私は、人間が同じ人間に対し、このような残虐行為を働くのを、2度と目にしたくありません。生命の尊厳を教える教育こそが、このような蛮行を繰り返さないために不可欠なのです」本当に偉大な"教育の母"でした。 熊沢: 今月には、後継のファレス学長のご一家が、創価世界女性会館を訪れ、「ラウレアナ・ロサレス教育・人道賞」を池田先生に授与されました。先生が世界に築かれた平和の宝の結合を、私たちは受け継いでまいります。 ◆ 雰囲気に流される弱さを打ち破れ 名誉会長: 軍国主義の嵐が吹き荒れた20世紀の日本で、「今こそ国家諫暁の時ではないか」と決然と立ち上がられたのが、牧口先生、戸田先生です。 あの時代に「立正安国」を叫び切ることは、まさに死身弘法の大闘争でした。初代、2代会長の身命を賭した獄中闘争こそ、学会の平和運動の原点です。立正安国の戦いの出発点です。 戸田先生は、権力の恐ろしさを知り抜いておられた。 だからこそ「青年は心して政治を監視せよ」と訴えられたのです。 棚野: 池田先生も冤罪で牢に入られました。ありとあらゆる三障四魔の難を受け切り、すべてを勝ち越えてこられました。 名誉会長: 私には、創価の師弟という、金剛不壊の立正安国の柱があるからです。ともあれ、正義は断じて勝たねばならない。勝たねば、立正安国は実現できない。そのために、私は、巌(いわお)の如き信念の、絶対に負けない青年を育てたい。 熊沢: はい。強く強く前進してまいります。ある実験の結果を聞きました。それは、ブランド好きといわれる日本人が、もしブランドがなかったら何を基準に買い物をするかという実験です。その結果、最大の基準となったのは、「周りの人と同じものかどうか」ということでした(笑い)。 名誉会長: 大勢や雰囲気に流される日本人の気質は、なかなか変わらない。周りが右を向けば、右を向く。左を向けば、左を向く。こうした風潮は、全体主義がはびこる温床となる。 トインビー博士は、私に語られました。「ファシズムに対する最善の防御とは、社会正義を最大限可能なかぎり確立することです」正しいことは正しいと言い切る。自分の信念を貫く。社会の土壌を根底から変革する。平和と人権の大哲学を、一人一人の胸中に打ち立てていく。その青年の陣列を築き上げることが、立正安国の勝利の道なのです。 2010年4月29日付 聖教新聞
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2010.09.28 20:59:05
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池田名誉会長が語る青春勝利の指針
御書と青年 6 立正安国の旗(上) 根本は一対一の対話です。 「人間革命の連帯」を幾重にも広げていくことです。 全民衆の幸福の実現へ指導者の精神性を高めよ 断じて戦争を起こさせない 戸田先生ー青年は心して政治を監視せよ 棚野男子部長: 池田先生、輝きわたる「5月3 日」、誠におめでとうございます。 第3代会長にご就任されて50年、先生が指揮を執ってくださった創価学会の大発展は「奇跡の中の奇跡」です。高名な識者も、「釈尊の一代の説法は、50年と言われています。その50年を現実に超え、世界192ヵ国・地域に仏法を広められた池田先生の功績は、類を見ない人類貢献の歴史です」と驚嘆されていました。私たち青年部は喜びと誇りに燃えて、前進しています。 名誉会長:ありがとう! 青年が立ち上がる以上にうれしいことはない。 これからの50年を託すのは、君たちです。君たちは不思議にも、今この時、21世紀の広宣流布を成し遂げゆくために、願って躍り出た地涌の勇者です。仏法の眼から見れば、君たちが自ら立てた誓願なのです。使命のない人は一人もいない。 熊沢女子部長: 女子部も、史上最高の「華陽のスクラム」を朗らかに拡大しています。新たに結成された池田華陽会の第3期のメンバーも、はつらつと元気いっぱいです。 名誉会長:広布の若き太陽の皆さんの活躍を、全国、全世界の父母たちも、どれほど喜んでいることか。何の遠慮もいりません。思う存分、歴史を残しなさい。創価の未来を頼むよ! 棚野: はい。池田先生が32歳で会長に就任されたのは、昭和35年(1960年)です。この年は、日蓮大聖人が、鎌倉幕府の最高権力者である北条時頼(ほうじょうときより)に「立正安国論」を提出された文応元年(1260年)から、ちょうど700年に当たっていました。 そして今年、「青年の月」7月には、満750年の佳節を迎えます。青年部は、必ず大勝利で飾ってまいります。そこで今回は、「立正安国」の精神について、おうかがいしたいと思います。 ◆ 21世紀における立正安国とは? 名誉会長:「立正安国」は、日蓮仏法の根幹です。「大聖人の御一代の弘法は、立正安国論に始まり、立正安国論に終わる」とも言われます。この「立正安国」の実践を忘れたら、日蓮仏法は存在しないといっても過言ではありません。 棚野:先日、学生部のメンバーから質問を受けました。「『立正安国論』が書かれたのは13世紀の鎌倉時代です。21世紀の現代で、立正安国とは、具体的にはどういうことなのでしょうか」と。 名誉会長:難しいことを聞くね(笑い)。だけど、学生部は真剣だ。簡潔であって、核心を突いた質問です。私は、ますます「立正安国」が必要な時代に入ったと思う。人類が待望してやまぬ世界平和のために、立正安国の思想が不可欠なのです。 世界の各地で、大きな自然災害も続いている。経済の不況が長引き、人々の心も動揺している。だからこそ、揺るがぬ「精神の柱」「哲学の柱」が求められています。「立正」とは「正(しょう)を立てる」。 すなわち「正義の旗」を打ち立てることです。真実の生命尊厳の思想を根幹としていくことです。ゆえに正しい思想、正しい信念を持った君たち青年が、現実の社会の真っ只中で勇気"をもって立ち上がること、それ自体が「立正」なのです。 熊沢: はい。私たちの日々の広布の行動が「立正安国」に直結しているということですね。海外の女子部から、安国の「国」は日本だけを指すのか、との疑問を聞きました。 名誉会長:立正安国の「国」について、日寛上人の文段(もんだん)には「意は閻浮及び未来に通ずべし」と説かれています。 安国の「国」とは、広々と「全世界」そして「永続する未来」へ開かれているのです。そもそも「国」といっても、時代とともに、機構や体制なども変化を続けています。「立正安国」とは、もっと普遍的な地球文明の次元へと広がっていく理念です。 熊沢:単に鎌倉幕府のための立正安国ではない、ということですね。 名誉会長:その通りです。安国の本義は、国家体制の安泰ではありません。あくまでも、民衆自身の幸福、万人の国土の安穏を意味します。 「民衆のための立正安国」「人間のための立正安国」「青年のための立正安国」なのです。 大聖人が「立正安国論」に認められている「国」には、「口(くにがまえ)」に「民」を入れた「クニ」の文字が多いことは、よく知られています。国は「民が生きる場」と想定されているのです。 棚野:先生と、中国の国学大師・饒宗頤(じょうそうい)博士との対談でも、論じ合われましたね。「口」に「王(玉)」を入れた「国」の字は、もともと「王の領地」を表します。それに対し、「立正安国論」に「クニ{国構えに民}」の字が用いられていることに、饒博士も感嘆されていました。 名誉会長: 大事なのは民衆です。民衆が根本です。民衆が平和で安穏に暮らせる社会をつくらなければならない。そのためにこそ、「生命尊厳」「人間尊敬」の思想を厳然と確立することです。 一人一人の生命は限りなく尊極である。「生命軽視」「人間蔑視」の風潮を断じてはびこらせない。どこまでも「一人を大切にする社会」「万人の幸福を実現する社会」を築く。それが21世紀の立正安国の実践です。 ◆ 仏と魔の戦い 熊沢: 80年前、創価学会が創立されたのは、二つの世界大戦の合間でした。そして50年前、池田先生が会長に就任された時は、厳しい冷戦の渦中でした。その中で、生命の尊厳を師子吼され、平和への対話の潮流を広げてくださいました。 名誉会長: 御聖訓には「此の世界は第六天の魔王の所領なり」(御書1081ページ)と喝破されています。人間を不幸にし、社会を混乱させる魔性の働きが渦巻いているのが現実の世界です。 妙法を根本に、その魔性を打ち破って、幸福にして平和な楽土を築きゆく闘争が「立正安国」といってよい。ゆえに、仏と魔の戦いなのです。その戦場は、人間の「生命」であり「心」です。そこにすべて起因する。だから、「立正安国」は一対一の対話から始めるのです。 熊沢 対話を通した、一人一人の心の変革ですね。 名誉会長:そうです。「立正安国論」も、主人と客の対話で展開されていきます。「立正安国論」には仰せです。改めて拝しておきたい。 「あなたは一刻も早く、誤った信仰の寸心を改めて、速(すみ)やかに実乗(じつじょう=法華経)の一善に帰依しなさい。そうすれば、すなわち、この三界は皆、仏国である。仏国であるならば、どうして衰微することがあろうか。十方の国土はことごとく宝土である。宝土であるならば、どうして破壊されることがあろうか」(同32ページ゙、通解) ここには、立正安国の方程式が示されています。 国土の繁栄と平和を願うならば、人間の心に「正義の柱」を立てねばならない。一切は人間生命の変革から始まるのです。そして社会の中に、磐石なる「民衆の平和勢力」を築き上げていくことです。そうでなければ、いつまでたっても、人類社会は権力の魔性に翻弄され、不幸な流転を繰り返さざるを得ません。(上-2に続く) 2010年4月29日付 聖教新聞
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2010.09.28 20:58:08
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2010.04.09
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池田名誉会長が語る青春勝利の指針 御書と青年 5 勇気 幸福の太陽はわが胸に
「闇なれども灯(ひ)入りぬれば明(あきら)かなり」 一人立つ精神で人々の心に春の光彩(ひかり)を
日本一のわが地域を創れ 使命の天地で舞いゆけ!
(2010年3月29日付 聖教新聞)
最終更新日
2010.04.10 00:33:58
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