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御書と青年

2010/11/01
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カテゴリ:御書と青年
池田名誉会長が語る青春勝利の指針

御書と青年 16 創価の連帯・人間の善性の結合(下)

言葉や振る舞いで、感謝と愛情を示すことです。
それが幸福を創る“音律”となる


親孝行の人たれ
棚野: 男子部には、「親が信心に反対です」「妻がなかなか、学会のことを理解してくれない」といった悩みを持つ人がいます。
 皆、「何とか信心をしてもらいたい」と、祈り、頑張っています。

名誉会長: 焦らなくていいんです。私も入信当時、父が信心に反対でした。父と私の間に立って、母がずいぶん苦心してくれたことを思い出します。

 大聖人は「末代の凡夫此の法門を聞かば唯我一人のみ成仏するに非ず父母も又即身成仏せん此れ第一の孝養なり」(同984ページ)と述べておられます。
 まず自分自身が人間革命して、仏の生命を輝かせていくことです。家族を大事にしていくことです。成長して、親を安心させていくことです。
 「一切は現証には如かず」(同1279ページ)です。「道理証文よりも現証にはすぎず」(同1468ページ)です。

棚野: 家族ほど、自分の実像をよく知っている人はいません。どんなに取り繕っても、すぐ見破られてしまいます(笑い)。

熊沢: イタリアなど海外でも、入会した青年部員が、生まれ変わったように成長していく姿に驚き、続いて入会する家族が少なくないとうかがっています。

名誉会長: 自分が変われば、やがて家族も変わる。根本は自分です。一家の幸福を真剣に祈っていけば、必ず通じていきます。

 恩師の有名な「青年訓」には「青年は、親をも愛さぬような者も多いのに、どうして他人を愛せようか。その無慈悲の自分を乗り越えて、仏の慈悲の境地を会得する、人間革命の戦いである」とあります。
 青年部の皆さんは、どうか、親孝行であってほしい。
 お金がなくても、できることは、いっぱいあるんだよ(笑い)。明るい笑顔。「ありがとう」の一言。一本の電話……。親というのは、それだけで幸せな気持ちになって、元気になるものです。
 不思議な縁で結ばれた家族に、ちょっとした言葉や振る舞いで、感謝と愛情を示していくことが、生きる喜びの名曲となり、人生の名画となる。幸福を創る音律となります。

 大聖人は若き南条時光に、こう仰せです。
 「如何ぞ此の経の力にて我が母の仏にならざるべき、されば法華経を持つ人は父と母との恩を報ずるなり」(御書1528ページ)
 我が父母を絶対に成仏させられるのが、妙法です。妙法を受持し、広宣流布しゆく青春は、それ自体、最高の親孝行の道を歩んでいることを確信していただきたい。

棚野: はい。池上兄弟も、父から猛反対されながら信心を貫き通して、最後は一家和楽の信心を勝ち取りました。

魔に紛動されるな
名誉会長: 大聖人は、試練と戦う兄弟に仰せです。
 「第六天の魔王或は妻子の身に入って親や夫をたぼらかし或は国王の身に入って法華経の行者ををどし或は父母の身に入って孝養の子をせむる事あり」(同1082ページ)
 民衆を幸福にさせまい、仏にさせまいとする第六天の魔王の働きは、権力者などの生命に入って、正義の師弟に襲いかかってくる。この魔性に信心を破られてしまえば、一生成仏はできない。広宣流布も断絶してしまう。
 だから、強く賢く、魔を魔と見破って、絶対に紛動されてはならないのです。
 ある場合には、魔の働きは、親や妻子などの家族の身に入って、その人の最も「大切にしている部分」「弱い部分」を責めてくる。
 といっても、その家族の方が魔なのではありません。魔とは、あくまでも“働き”です。家族それ自体は、大切な宝です。
 ですから自分の信心を試してくれるのだと受け止め、勇気を奮い起こして祈り、境涯を開けば、必ず「善知識」に変わっていきます。
 これが妙法です。日蓮仏法では、一切を大きく包みながら、良い方向へと生かしきっていけるのです。

熊沢: 池上兄弟は大聖人の御指導通り戦い抜き、父親も、ついに正法に帰依しました。

名誉会長: 師弟不二の勝利です。師匠の仰せを根本とする、兄弟の団結が勝利をもたらしたのです。
 身近な人が仏法を理解するには、かえって時間がかかる場合がある。それも、自分の信心を鍛えてくれていると捉えていけばいいんです。
 また、信心をしないからといって「一家和楽」が実現できないなどと、窮屈に考える必要もありません。
 信心していなくたって、家族のため、子どものために一生懸命働いてくれるお父さんも、おられる。学会活動を理解して、応援してくれる家族もいる。ありがたいことじゃないか。まさに諸天善神です。心から感謝していかねばなりません。

必ず宿命転換できる
熊沢: 友人の中には、両親の不和や暴力などの問題で悩んでいる人がいます。女子部員の中にも、同じような問題に直面してきたというメンバーがいます。

名誉会長: どうか、一人一人の状況をよく聞いて、心から励ましてあげてほしい。問題によっては、その方のプライバシーを十分に尊重した上で、経験豊かな婦人部の先輩方などにも、力になっていただくことです。
 大聖人は、南条時光のお母さんに仰せになりました。
 「法華経をたもちたてまつるものは地獄即寂光とさとり候ぞ」(同1504ページ)
 家族の悩みは千差万別です。しかし、それこそ世界中の学会員が、どんな深刻な宿命をも打開して、幸福を勝ち取ってきたのが、わが創価学会の80年の功徳の実証です。

棚野: 今から20年前、池田先生が台風の渦中に、鹿児島の研修道場を訪問された折、一人の役員の青年を激励してくださったお話を先日、うかがいました。
 青年が自分が養子であることなど、生い立ちをご報告すると、先生は、『新・平家物語』の逸話を語ってくださいました。
 ──実の父が誰かわからず煩悶していた若き平清盛に、“じじ”が言うのです。
 “真の父親が誰であろうと、あなたは間違いなく一人の男の児ではありませんか。心を太々とお持ちなさい。天地を父母と思いなさい”と。
 先生は「君が力をつけて偉くなれ! 君が偉くなれば、育ての親も生みの親も、みんな救っていけるんだよ」と励ましてくださいました。

名誉会長: 仏法には感傷はありません。どんな境遇であれ、久遠元初の太陽を、わが生命に昇らせて、今世の使命を立派に果たしきっていけるのです。

棚野: 今、その青年は世界を舞台に、重責を担い飛び回っています。ご両親も元気に頑張っておられるそうです。

名誉会長: うれしいね。本当によかった。
 ともあれ、御書には「法華経一部を色心二法共にあそばしたる御身なれば・父母・六親・一切衆生をも・たすけ給うべき御身なり」(同1213ページ)と仰せです。
 家族の中で「一人」が本気になって立ち上がれば、全員に妙法の偉大な功徳をめぐらしていくことができる。
 大空に太陽が輝けば、万物を照らしていけるのと同じなのです。

熊沢: 女子部でも「一家和楽」を実現し、はつらつと前進するメンバーがたくさんいます。

名誉会長: 真剣の一人がいれば、必ず「一家和楽」を実現できる。苦労した分だけ、皆を包容し、励ませる境涯になるのです。
 特に女子部は、青春時代に「幸福の土台」を築いてほしい。「信心の基盤」を確立してほしい。
 焦らずに、自分らしく賢く朗らかに進むのです。そこに一家一族の永遠の福徳と繁栄を開く道があるからです。
 皆、大聖人の子どもです。大聖人に直結する学会は、仏意仏勅の「妙法の家族」であるといってよい。
 今、その“家族”は世界192カ国・地域に広がった。人類の宝です。
 釈尊の教団は「不敗の集い」と讃えられた。君たち青年の熱と力で、「常勝不敗の集い」たる創価の連帯を、歓喜踊躍して、さらに光り輝かせてもらいたいのです。

任用試験の受験者、頑張れ
行学二道の英雄に

21世紀の青年学会を
棚野: はい。断じて、新たな「人材・躍進」の連帯を広げてまいります。
 教学部任用試験まで、あと1カ月となり、青年部では活発な研さんを行っています。

名誉会長: 人材の躍進といっても、根本は一人一人が「行学の二道」に徹し、信心を磨いていくことです。
 同世代の友に大きく「人間の善性の結合」を広げるとともに、自分が勇敢に戦い、成長していくことだ。
 大聖人は「願くは我が弟子等は師子王の子となりて群狐に笑わるる事なかれ」(同1589ページ)と仰せです。そのために、真剣に教学を学んでもらいたい。
 受験する人は、仕事など多忙な中での研さん、本当にご苦労さま。一生の宝となります。一緒に勉強し、激励してくださる先輩方も、よろしくお願いします。
 栄光の創立80周年の「11・18」は目前です。
 君たち青年部が地涌の底力を発揮して、21世紀の新たな「青年学会」を築きゆくことを、私は心から期待し、祈り、待っています。 
(2010年10月28日付 聖教新聞) 






Last updated  2010/12/30 10:41:32 AM
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カテゴリ:御書と青年
池田名誉会長が語る青春勝利の指針

御書と青年 16 創価の連帯・人間の善性の結合(下)  

御聖訓 災来るとも変じて幸と為らん

奄美の友よ負けるな


名誉会長: はじめに、この度の奄美豪雨災害に、心からお見舞いを申し上げます。一日も早い復興を祈念してやみません。

棚野: 九州青年部も、壮年部、婦人部の皆さんと共に、全力で救援活動、復旧作業に当たっています。
 奄美の方々も、先生からのご伝言を胸に、毅然と立ち上がっておられるとうかがいました。

名誉会長: わが奄美の誉れの同志は皆、師子です。筆舌に尽くせぬ苦難を、すべて「師子王の心」で変毒為薬してこられた。
 今度のことも、「災来るとも変じて幸と為らん」(御書979ページ)、「大悪をこれば大善きたる」(同1300ページ)との御聖訓の通り、奄美の宝土がいやまして勝ち栄えていかれることを、強く強く祈っております。

熊沢: 奄美の広布の母たちは、何があっても「いぬちんかぎり、きばらんば(命の限り頑張らなければ)」を合言葉に乗り越えてこられました。

名誉会長: 日蓮大聖人は厳然と仰せになられています。
 「かかる御本尊を供養し奉り給ふ女人・現在には幸をまねぎ後生には此の御本尊左右前後に立ちそひて闇に燈の如く険難の処に強力を得たるが如く・彼こへまはり此へより・日女御前をかこみ・まほり給うべきなり」(同1244ページ)
 創価の母たちをはじめ大切な大切な奄美の友を、仏菩薩も、諸天善神も、守りに護れと、私は妻と共に真剣に題目を送っています。

棚野: 先生が以前、奄美の友に贈られた和歌に、こうあります。

 我が人生
  断固と勝ちゆけ
    奄美から
   子孫末代
     栄ゆる戦と

 私たちも鹿児島の雄々しき同志と心一つに題目を送り、応援させていただきます。

熊沢: 今回、全国ブロック長・白ゆり長大会(本部幹部会)では、同じく鹿児島県の屋久島と、池田先生の故郷である大田区の代表のお二人の活動報告に、大きな感動が広がりました。

名誉会長: こういう尊き方々が、学会を守り、支え、広げてくださっている。
 大聖人も、どれほど誉め讃えてくださるか。佐渡の阿仏房への御文には、「末法に入って法華経を持つ男女の・すがたより外には宝塔なきなり」(同1304ページ)と仰せです。
 広布に生きる学会員こそ、尊極の生命の宝塔なのです。


大聖人 法華経を持つ人は父母の恩を報ず
わが心に人間革命の太陽を
根本は自分! 家族を照らしゆけ

家庭は人間の「大地」
棚野: 今回のお二人の体験では、最前線での拡大、身近な地域への貢献とともに、麗しい「一家和楽」の功徳の実証に大拍手が送られました。
 国民を対象に「あなたにとって一番大切なものは何か」を問う調査があります。最近では、半数が「家族」を挙げており、この答えは約50年で5倍にも増えています。

名誉会長: 家族は人間にとって、常に返るべき「原点」であり「大地」といってよい。
 立派な大邸宅に住んで、何一つ不自由がないように見えても、家族の心がバラバラで侘しいという家庭もある。
 反対に、家は狭くとも(笑い)、仲良く温かな家庭は幸福です。どんなに苦労があっても、家族で互いに励まし合い、団結して勝利の城を築いていける。
 「一家和楽の信心」は、戸田先生が残された永遠の指針です。

熊沢: 特に最近、社会では、家庭内の不和やトラブルが原因となる事件が目立つようになってきました。

名誉会長: 「家が揺らぐところ、すべてが揺らぐ」とは、フランスの大歴史家ミシュレの洞察です。「家庭」を離れて、平和や幸福を論じても、抽象論になってしまう。
 学会は、一人一人の「人間革命」、そして一軒一軒の「家庭革命」という現実に光を当ててきました。地道といえば、これほど地道な、忍耐強い戦いはない。
 しかし、だからこそ、確固として揺るがないのです。

熊沢: わが家も、父は21歳で信心を始めて地域の青年部で薫陶を受け、母は結婚と同時に入会して、地元の婦人部の方に一つ一つ教えていただきました。本当に温かな励ましを受け、育てていただいたそうです。学会の庭に感謝は尽きません。

名誉会長: 熊沢さんの活躍を、地域の皆さんも喜んで見守っておられるでしょう。これが学会家族の温かさです。
 伝教大師は、「家に讃教の勤めあれば七難必ず退散せん」(同1374ページ)と記している。

 妙法の音声が響く家庭が増え、地域に生命尊厳の思想が確立されていくことが、いかに重要か。励まし合い、守り合い、支え合う人間の連帯があるところ、どんな災難にも負けない「希望の安全地帯」が社会に広がります。
 ここに、家庭と地域を基盤とした「立正安国」の社会の建設があります。(下-2につづく)






Last updated  2010/12/30 10:41:14 AM
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2010/10/28
カテゴリ:御書と青年
池田名誉会長が語る青春勝利の指針

御書と青年 15 創価の連帯・人間の善性の結合(上)  

苦境こそ成長の好機「チャンス」
深き祈りで全てを善知識に


大風を前進の力に

棚野: 今の青年層には、職場でも人間関係の悩みを抱えている人が多くいます。同僚との深い関わりを避けてしまい、円滑な関係がつくれなかったり、他方では、すぐに感情的になって衝突してしまったり……。

名誉会長: さまざまな見方はあると思うけれども、やはり根っこには、他者への不信や、その裏返しとしての自信のなさがあるのではないだろうか。時代状況とも無縁ではないでしょう。
 御書には「末代濁世(じょくせ)の心の貪欲(どんよく)・瞋恚(しんい)・愚癡(ぐち)のかしこさは・いかなる賢人(けんじん)・聖人も治めがたき事なり」(同1465ページ)とあります。
 人間の心が乱れ、濁ってしまうのが、末法という時代です。社会も不安定で、閉塞(へいそく)している。人間同士の葛藤(かっとう)も絶えない。だからこそ、確かな哲学が必要となるのです。

 大聖人の御在世でも、四条金吾は、主君を折伏したことや、同僚(どうりょう)の嫉妬(しっと)の讒言(ざんげん)などによって、さまざまな圧迫を受けました。多くの人から目の敵(かたき)にされました。
 苦境にあった金吾に対して、大聖人は仰せです。
 「火にたきぎを加える時はさかんなり、大風吹けば求羅(ぐら)は倍増するなり」(同1136ページ)と。
 求羅(ぐら)は、風に吹かれるほど体が大きくなるという伝説上の虫のことです。大風という苦難が吹き荒れるほど、自分自身を成長させ、信心を強固にしていけると教えられているのです。
 嘆いていても始まらない。自分が人間革命し、強く賢くなっていく力が、信心です。自分を苦しめる「悪知識」をも、必ず、成長の糧となる「善知識」へと変えていけるのが仏法なのです。

師弟不二の祈りで

棚野: 大聖人は他方で、金吾に対して、「あなたは短気であるから火の燃えるようなところがある」(同1169ページ、通解)と、直情型の行動を戒められていますね。

名誉会長: 金吾は実直だが、短気な側面もあったようだ。そうした行動で、同僚や周囲の人々と無用の軋轢を生んではならない、と御指導されているのです。
 御書を拝すると、大聖人が門下の性格や状況を熟知され、「ここまで」と思うほど、こまやかに激励されていたことがよくわかります。
 また大聖人は金吾に対し、どんな厳しい状況にあっても「すこしも・へつらはず振舞仰せあるべし」(同1164ページ)と言われています。
 正義の信念に生きる人生は、何があろうとも、徹して誇り高くあらねばならない。臆病になり、卑屈になれば、悪を増長させ、魔に付け入る隙を与えてしまうからです。
 それでは同志を護れない。師匠を貶めてしまう。ゆえに、弟子として胸を張って立ち上がるのです。師匠のため、同志のために勝ってみせると、一念を定めた時、師子奮迅の力が漲るからです。

熊沢: その後、金吾は、病気になった主君の看病などを通して再び厚い信頼を得て、以前の3倍の所領を勝ち取ることができました。

名誉会長: その原動力は、大聖人と心を合わせた「師弟不二」の祈りであり、勇気と誠実の振る舞いです。
 御書には「強盛の大信力をいだして法華宗の四条金吾・四条金吾と鎌倉中の上下万人(じょうげばんにん)乃至(ないし)日本国の一切衆生(いっさいしゅじょう)の口にうたはれ給へ」(同1118ページ)とあります。

 この御指導は、永遠の指標です。学会員は、この御金言を心肝に染め、歯を食いしばって戦ってきた。だから強いんです。
 確固たる哲学に根ざした青年の連帯が、いよいよ光り輝く時代です。君たちの人間革命の光が、地域を照らし、職場を照らし、社会を照らす。
 「創価の連帯」「人間の善性の結合」が国家の宿命を変え、人類の未来を変えていく。世界の人々が、胸をはずませ、君たちの躍進を見守っているのです。
(2010年10月14日付 聖教新聞)






Last updated  2010/10/28 10:38:00 PM
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カテゴリ:御書と青年
池田名誉会長が語る青春勝利の指針

御書と青年 15 創価の連帯・人間の善性の結合(上)  

堂々と語れ 慈悲とは勇気
御義口伝「喜とは自他共に喜ぶ事なり」
我らは人間の結合を拡大

皆、希望の哲理を求めている。
真実の仏法に出あえた歓喜が「青年学会」を築いたのです


棚野男子部長: この10月は、池田先生がニューヨークの国連本部で、「21世紀はアフリカの世紀」と展望されて満50年に当たります。
 その佳節に、コートジボワール共和国からの「コートジボワール功労勲章コマンドール章」の受勲、誠におめでとうございます。
 全学会員にとって、これほどの喜びはございません。

池田名誉会長: 師弟は不二ですから、牧口先生、戸田先生に謹んで捧げる栄誉です。
 私が拝受する顕彰は、SGI(創価学会インタナショナル)の平和・文化・教育の運動が支持され、讃嘆されている証しでもある。

 ディアゾン理事長はじめコートジボワールの2万人を超える尊き同志は、模範の国民として活躍されています。特に青年部の奮闘が目覚ましい。私は、後継の君たち青年にすべての使命と栄光の大道を譲り、託す思いです。

 50年前、私が「アフリカの世紀」を確信したのは、なぜか。歴史上、最も苦労してきた大地に、独立国家が次々と誕生し、若きリーダーたちが勇んで立ち上がって、清新な息吹で希望の建設を開始していたからです。
 青年には無窮(むきゅう)の力がある。いわんや、正しき信仰を持つ青春ほど強いものはない。

熊沢女子部長: 今、アフリカは40カ国・地域でメンバーが生き生きと活躍しています。10年以上、内戦で苦しんできた西アフリカのシエラレオネでも、池田華陽会の女性リーダーを中心に活発に座談会を行い、平和へ対話の波を起こしています。

心の空白を越えて

名誉会長: 「対話は、弱き者の武器に非ず。強き者の武器なり」──これは、アフリカの賢人と謳(うた)われた、コートジボワールのボワニ初代大統領の信念でした。
 君たちの勇気の対話が、いかに大きな力を持っているか。学会の歴史も常に青年が先駆を切ってきた。青年が青年を糾合し、新たな歴史の潮流を起こしていくのです。
 日本も、うかうかしていられないよ(笑い)。

棚野: はい。社会は、ますます先行きが不透明です。友人との人間関係も、携帯電話やメールなど、表面的なつながりはあっても、心を通わせる対話にまでは、なかなか深まりません。
 そのなかで、創価の青年には師が示してくださる未来への指標がある。心から信じられる同志がいる。これほど幸せなことはありません。
 今、日本でも仏法対話の波が広がり、新たに入会を希望する青年が続いています。

名誉会長: うれしいね。
 「二人・三人・百人と次第(しだい)に唱へつたふるなり、未来も又しかるべし、是(これ)あに地涌(じゆ)の義(ぎ)に非(あら)ずや」 (御書1360ページ)との御断言に違わぬ姿です。大聖人が、どれほど喜んでくださることか。
 ともあれ、青年は本来、心の底で、汝自身を真に輝かせていける確かな哲理を欲しているのではないだろうか。
 私の青春時代、戦後の混乱期もそうでした。大人たちの態度は、戦前の戦争礼賛から180度、豹変(ひょうへん)し、青年の心には根深い人間不信が影を落としました。
 しかしそれでも、青年たちは信ずるに足る哲学を求めてやまなかった。
 幸いにも、私は戸田先生に巡りあい、生命尊厳の仏法を知ることができた。
 心の底で渇望(かつぼう)していたから、本物に出あえた喜びも大きかった。この時代に入信した青年は多くがそうでした。その歓喜が、当時の「青年学会」を築いたのです。

棚野: 戦後の荒野とも相通(あいつう)ずる、心の空白(くうはく)や孤独(こどく)、精神の荒廃(こうはい)が、現代社会にもあります。雇用(こよう)の問題も深刻(しんこく)であり、真の生き甲斐(かい)ある充実の人生を若者は望んでいます。
 だからこそ、青年部の仏法対話が、社会的にも深い意義を持っていると実感します。

名誉会長: そうだね。
 今ほど人々の心が分断され、人間の絆(きずな)が弱まっている時代はないかもしれない。
 人間は一人では生きていけない。どんなに強がってみても、孤独な人生はわびしい。本当の幸福感を得ることはできません。孤立した青年が増えていけば、社会もまた、多くの問題に直面してしまうでしょう。
 一人一人が本当に豊かな人生を生きるために、今こそ人間の心を結ぶ哲学と対話が求められているのです。

わが身が「宝」の存在

熊沢: 先日、ある女子部員から「私たちの創価の対話は、何を目指しているのでしょうか」との質問を受けました。今のお話にも通じる問いかけだと思います。

棚野: そう聞かれると、一言で「広宣流布です」と答えたくなりますが……。

名誉会長: 正しいけれど、その女子部員が聞きたかったことは違うんじゃないかな(笑い)。
 大事な質問です。一つの角度から敷衍(ふえん)すれば、私たちの対話は、「人間の結合」を深め、広げていく運動であると言ってよい。それは「善性の連帯」の拡大とも表現できるでしょう。
 「御義口伝」には「喜とは自他共に喜ぶ事なり」「自他共(じたども)に智慧(ちえ)と慈悲と有るを喜とは云うなり」(同761ページ)と仰せです。
 私たちの対話が目指しているものは、何か。自他ともの「仏性」の開発です。それは、智慧と慈悲が輝く生命の最高の善性の開放でもある。

熊沢: 以前、先生に教えていただいた不軽菩薩の実践を思い出します。人間尊敬の哲学を復興し、万人が尊極な存在とされる時代を築くことですね。

名誉会長: その通りです。でもそれが簡単だったら、こんなに苦労しない(笑い)。
 「難信難解(なんしんなんげ)」というように多くの人は、自身に尊極の「仏の生命」が具わっていることが信じられません。我が身が、無限の可能性を持つ「宝の存在」であることに気がつかないのです。
 自分を卑下(ひげ)する人がいる一方で、「自分は特別だ」と傲って他人を見下し、万人が平等に尊貴だとは認められない人もいる。友人と仏法対話をしても、なかなか理解してもらえないという経験は、皆も多く持っているでしょう。
 究極的に言えば、私たちの対話は、不幸と分断を生み出す魔性との戦いであり、人間への不信と憎悪をもたらす無明との闘争といえる。
 御書には、その激しさについて「第六天の魔王・十軍のいくさを・をこして・法華経の行者と生死海の海中にして同居穢土(どうこえど)を・とられじ・うばはんと・あらそう」(同1224ページ)と記されています。
 折伏も、友好拡大も、家庭訪問も、すべて相手の仏性を敬うという哲学の実践です。エゴと不信が渦巻く社会の中で、これほど人間を信頼し、行動を重ねている団体が、どこにあるだろうか。

仏の種は必ず花開く

棚野: あのマハトマ・ガンジーの精神を受け継ぐ令孫のアルン・ガンジー氏(ガンジー非暴力研究所創設者)も、「人間を人間として尊敬できる自分になる。そうした一人一人の行動が徐々に広がっていくしか、社会を変え、世界を変えることはできません」と語られました。そして、創価の「人間革命」に、その希望を見出しておられました。
 普通だったら、これ以上は無理だとあきらめることも、学会の先輩方は粘り強く対話を続けて、道を開かれました。

名誉会長: 御書には「仏をば能忍(のうにん)」(同935ページ)、「忍辱(にんにく)の心を釈迦牟尼仏(しゃかむにぶつ)」(同771ページ)と仰せです。この御金言を、悪世末法で体現してきたのが、わが同志です。
 たとえ反発されようとも、相手に仏性が具わることを信じるからこそ、折伏をするのです。それが友人に対する最高の尊敬の行動となる。
 仏法対話は、お互いを高め合う道です。語りかけた分だけ、相手の仏性が目覚めて動き始める。とともに、こちらの仏性もいよいよ強くなる。
 大聖人は「法華経を耳にふれぬれば是を種として必ず仏になるなり」(同552ページ)と仰せです。
 仏法を語り、「仏の種」を友の心に植えていくならば、それは必ず花開いていく。

棚野: 私も、大阪の友人を折伏するために、半年間、毎週のように東京から彼の家に通ったことがあります。必死に祈り、対話したにもかかわらず、その友人は信心をするには至りませんでした。
 本当に落ち込みました。でも、驚いたことに、隣の部屋で友人の母親がじっと話を聞いていたのです。そして、以前からその方を折伏していた私の母に「信心をしたい」と言って入会しました。
 10年後には、長年の祈りが結実し、私の友人も御本尊をいただくことができたのです。この対話を通して、相手を信じ抜くことの大切さを学びました。友人との絆も、いっそう強くなったと思います。

名誉会長: いい話だね。
 なぜ、一人の男子部の真剣な叫びが相手の心に響くのか。なぜ、さわやかな女子部の笑顔が、固く閉ざされた心を開くのか。なぜ、英知の学生部の熱誠が、友の命を揺り動かすのか。それは、皆の生命に偉大な「対話の力」が備わっているからです。
 法華経には地涌の菩薩の特質として「難問答に巧みにして 其の心に畏るる所無く」と説かれている。若き地涌の君たちは、この悪世に広宣流布を実現する開拓力、突破力をもって出現しているのです。
 根本は勇気です。凡夫にとって、慈悲に代わるのが勇気だからです。「勇気の対話」が「慈悲の対話」に通ずる。
 最も地道な対話こそ、最も確実な「善の行動」です。「幸福の拡大」です。人間の心を結びながら、人類の境涯を変えゆく、壮大な「人間性の復興」でもある。

「火花」を散らして

熊沢: 先生は「対話の力」「振る舞いの力」で、全世界に友情と平和の連帯を広げてこられました。36年前には、内外に反対の声が渦巻くなか、冷戦下、中国に続いてソ連も初訪問されました。
名誉会長 当時、日本では、ソ連に対して“怖い”というイメージが先行していました。私は「ソ連が怖いのではない。ソ連を知らないことが怖いのだ」との信念をもって、対話に踏み出しました。

棚野: 池田先生は、ゴルバチョフ大統領とモスクワのクレムリンで初めてお会いされた時(1990年7月)、「きょうは、大統領と“けんか”をしに来ました!」と語られました。これには大統領側の通訳も一瞬、ドキッとしたようです(笑い)。
 先生は、「火花を散らしながら、何でも率直に語り合いましょう。人類のため、日ソのために!」と続けられました。胸襟を開いて、人間として対話を──その言葉から始まった会見で、大統領は訪日の意向を明言しました。翌春に、ソ連の最高指導者として初めて日本を訪れ、約束を果たされたのです。

熊沢: 私たちは、先生と奥様に人間外交の究極の模範を学び、自分のいる使命の場所で、友情と希望の対話の波を広げていきます。

名誉会長: 仏法の生命観に照らせば、国家や民族を超えて、人間は皆、十界互具(じっかいごぐ)、一念三千(いちねんさんぜん)の当体です。同じ人間として、幸福を願い、平和を求める心に違いがあろうはずがない。 これが、根本精神です。(2に続く)
(2010年10月14日付 聖教新聞)






Last updated  2010/10/28 10:37:18 PM
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2010/09/28
カテゴリ:御書と青年
池田名誉会長が語る青春勝利の指針

御書と青年 14 未来を創る(下)


◆ まず話を聞くこと

河本: ところで、未来部と接するなかで、「どうしても世代間ギャップを感じてしまう」という担当者の声もあります(笑い)。

名誉会長: そうだね。ただ、君たちが未来部員だった時の担当者の方々も、きっと同じ悩みを持っていたと思うよ(笑い)。
 でも、世代が違うからこそ、子どもたちに伝えられることがある。
 学校では、だいたい同じ年齢の友人たちとの付き合いしかないのが普通です。
 そうした中で、社会経験もあり、一回り大きな視野に立つ先輩の意見やアドバイスは、本当に貴重です。教育の面でも、社会的に見ても、実に深い意味があります。
 良き兄、良き姉として、話をじっくりと聞いてあげることです。まず、こちらが心を開いて仲良くなることです。
 難しく考えることはありません。仏法は本有無作(ほんぬむさ)です。広宣流布へ邁進する、ありのままの大情熱を誠実に伝えていけばいいのです。

佐藤: 池田先生が今、対談を進めておられるアメリカの歴史学者のハーディング博士も、語られていました。
 「大人や教師が、失意や焦燥の中で、子どもたちに接しなければならない場合もあるでしょう。しかし、それ自体も、格好の教育環境となるのです。つまり、子どもたちに、大人がそうした困難をどう乗り越えていくかを見せてあげる好機となるからです」

名誉会長: 子どもたちは本当によく見ている。大空へ伸びゆく若木のように、太陽の希望の光を求めている。心を満たす豊かな滋養を、真剣に求めています。だから、スポンジのような吸収力を持っている。グングン成長していくんです。
 前にも申し上げた通り、大聖人は、南条時光を未来部の年代から、何度も何度も激励しておられました。
 若くして父を亡くした時光に、まさに慈父のごとく、一人の人間としての大成を願われて御指導されています。

熊沢: 時光が大聖人から賜った御手紙は、御書全集で30編を超えます。

名誉会長: その一編一編が、夫来部にとっても永遠の指針です。
 「親によき物を与へんと思いてせめてする事なくば一日に二三度え(笑)みて向へとなり」(同1527ページ)とも、こまやかに教えてくださった。子どもが微笑んでくれるだけで、親はうれしいものなんだよ(笑い)。

【河本】 「親孝行」は、先生から繰り返し教えていただいた、未来部の合言葉です。


◆ 三世に輝く王者に

名誉会長: 大聖人は、未来を担いゆく時光に期待されるがゆえに、信心の姿勢については厳しく御指導された。
 10代の時光に、退転者、反逆者の名前を列挙されて、その師敵対と破和合僧の本質を教えてもおられます。
 「日蓮が弟子にせう房と申し・のと房といゐ・なごえの尼なんど申せし物どもは・よくふかく・心をくびやうに・愚擬にして・而も智者となのりし・やつばらなりしかば・事のをこりし時・たよりをえて・おほくの人を・おとせしなり」(同1539ページ)
 要するに「貪欲(どんよく)」「臆病(おくびょう)」「愚凝(ぐぎょう)」「増上慢(ぞうじょうまん)」に心を食い破られた人間であると。
 後継の若き生命に、正義と真実を鮮烈に刻みつけていかれたのです。この御指導を受け切って、時光は悪と戦い、同志を守る破邪顕正の指導者へ成長していきました。
 弟子が師弟不二の正義に奮い立った時、令法久住の道が開かれるのです。

熊沢: 長い目で見守ってくださる師匠のまなざしほど、ありがたいものはありません。高等部の代表で結成された鳳雛(ほうすう)会、鳳雛グループの方々が、結成25周年(1991年)の夏にお届けした記念文集に、池田先生は揮毫してくださいました。

 「鳳雛会 永遠に万歳
    勝利の旗高く 万歳 合掌」
 「学会と同志のために
   戦い 尽した勇者は
   人間として
    また正義の人として
   世に輝きわたる
    幸福と勝利の王者なり」

 この言葉の下には、舞い飛ぶ、たくさんの鳳雛の絵を描いてくださったのです。

名誉会長: 人を「育てる」ということは、その人のことを「祈り続ける」「励まし続ける」ことです。
 一人一人が鳳雛から大鳳(おおとり)へ立派に成長していく晴れ姿を見守る。これほどの喜びはありません。

◆ 自身の成長が根本

佐藤: 今年の未来部躍進月間では「家庭における信心の継承」も重要なテーマです。未来部の子どもを持つメンバーからは、どのように信心を継承していけばいいか、相談を受けることがあります。

名誉会長: かつて私は、家庭教育へのアドバイスとして大要、次の点を挙げました。

 1、信心は一生。今は勉学第一で。
 2、子どもと交流する日々の工夫を。
 3、父母が争う姿を見せない。
 4、父母が同時には叱らない。
 5、公平に。他の子と比較しない。
 6、親の信念の生き方を伝えよう。

 子どもたちは、一人一人が無限の力を秘めている。かけがえのない豊かな個性を持っています。朗らかに自信をもたせ、ほめて伸ばしてあげてほしい。
 ともあれ、信心の継承といっても、根本は親自身が信心で成長する以外にない。
「信心の偉大さ」「学会の素晴らしさ」を、自らの躍動する姿で快活に示していくのです。
 戸田先生は「子どもは、いつも理想をもって引っ張っていってあげなさい」と語られていた。子どもたちに自分の理想を誇りをもって語れる。こんな素晴らしい親から子への贈り物はありません。
 大聖人は、門下のお子さんの誕生を寿(ことほ)がれて「現世には、必ず跡を継ぐ親孝行の子であり、後生には、この子に導かれて仏になられるであろう」(同1123ページ、通解)と仰せです。
 学会家族にあっては、地域の未来部が、みな、わが子に等しい宝です。やがて迎える2030年、創立100周年のその時、今の未来部のメンバーは、さっそうと若きリーダーに成長していて、口々に語ることでしょう。
  ── 自分の今があるのは、あの時に励ましてくれたお兄さん、お姉さん、また、地域のおじさん、おばさんたちのおかげだ、と。
 そして深き恩返しの心で、今度は、その時の未来部の友を真剣に育てていってくれるに違いない。地涌の友から、次の地涌の友へ、「法華経の命を継ぐ人」(同1169ページ)のリレーが続きます。
 壮大な師弟の魂の継承がある限り、創価学会は万代に栄えます。広宣流布の松明(たいまつ)は、万年へ燃え続けます。
 「正義の走者」「勝利の旗の走者」である未来部、そして青年部の皆さんに、私はあらためて心から申し上げたい。「21世紀の創価学会を、よろしくお願いします!」と。
2010年8月14日付 聖教新聞






Last updated  2010/09/28 10:13:20 PM
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カテゴリ:御書と青年
池田名誉会長が語る青春勝利の指針

御書と青年 14 未来を創る 下




熊沢女子部長: 未来部には、担当者の励ましをきっかけに飛躍したメンバーが多くいます。
 私自身、中学3年生の時に大きな転機がありました。創価高校の受験を考えてはいたものの、勉強が思うように進まず、あきらめかけていた時に、担当者の方が激励してくださったのです。
 「可能性がある限り、絶対にあきらめちゃだめだよ!」 ── その言葉に奮起して、真剣に勉強を開始できました。今でも深く感謝しています。

池田名誉会長: 創価大学や創価学園を受験してくださった皆さん、また、入学された皆さんの陰に、どれほど多くの方々の激励や支えがあるか。私は、創立者として心から感謝を申し上げたい。
 若い伸びゆく命にとって、真心の一言の励ましは、成長を加速する勢いになります。
 日蓮大聖人は、「人がものを教えるというのは、車が重かったとしても油を塗ることによって回り、船を水に浮かべて行きやすくするように教えるのである」(御書1574ページ、通解)と仰せです。
 大切なのは、未来部の友が前へ進めるように、自分の可能性を発揮できるように、励ましていくことです。心を「軽く」してあげることです。「強く」「明るく」してあげることです。
 たとえ会えなくても、電話の一言で、目の前の壁が破れることもある。一通の置き手紙が、その人の人生を変える場合だってある。

河本総合末来部長: 特に、大学や高校等への進学を目指すメンバーにとっては、大事な時期に入ります。家族はもちろん、青年部の担当者も、受験生への温かな激励を心がけていきたいと思います。

名誉会長: 受験生は、大人が思う以上に、大きな重圧や不安と戦っているものです。
 大歴史学者のトインビー博士は、難関の試験を前に、重圧で押しつぶされそうな時、両親の励ましが支えになったと振り返っておられました。
 「ベストを尽くせばいいんだ。それ以上のことは誰にもできはしない」と。
 伸び伸びと自分らしく力を出し切っていけるように、聡明な応援をお願いします。

◆ 「日本第一の智者に」

佐藤青年部長: 「戸田大学」に学ばれた池田先生は、五大州の最高学府から295もの名誉学術称号を受けてこられました。まさに、世界一の知性の宝冠です。
 私たちは今、誉れある「池田大学」の一員として、先生から一番大切なことを教えていただいています。先生に続いて、創価の青年は、世界最高の英知の陣列を築いてまいります。

名誉会長: 「学は光なり」。これが、大教育者であられた牧口先生、戸田先生の心です。この猛暑のなか、創価大学では、夏期スクーリングが行われ、通信教育部の方々が真剣に学ばれています。
 海外からも多くいらしている。これほど尊い向学の姿はありません。
 いわんや、未来部の皆さんにとって、学ぶことは、かけがえのない権利です。特権です。
 勉強をすれば、自分の視野が広がる。活躍の舞台が大きくなる。今まで見えなかった世界が、はっきりと見えてくるようになります。大空から大地を見渡す「翼」を手に入れるようなものだ。
 ゆえに、今は大いに学んでもらいたい。良書を読んでもらいたい。できることなら、大学へも進んでもらいたい。

佐藤: 「自分は大学へ行けなかったけれども、君にはぜひ行ってもらいたい」 ── 担当者の熱い励ましで、進学を決意した未来部員もいます。

名誉会長: 本当に尊い。真の人間教育者の励ましです。
 大聖人は12歳の時から、「日本第一の智者となし給へ」(同888ページ)と誓われました。この誓願が、日蓮仏法の出発点になっています。
 この大聖人に直結しているのが、創価学会未来部の誇り高き「勉学第一」の道です。
 「御義口伝」には「此の法華経を閻浮提(えんぶだい)に行ずることは普賢菩薩(ふげんぼさつ)の威神(いじん)の力に依るなり」(同780ページ)と仰せです。「普賢」すなわち「普(あまね)く賢い」リーダーが世界の広宣流布を推進していくのです。
 今日、未来部の友が学び、力をつけることは、明日の人類の希望を広げることです。

熊沢: はい。私たち自身が、未来部の友と一緒に、はつらつと学び、仏法の智慧を社会へ発揮してまいります。
 今、子どもが直面する問題は、いじめや不登校、引きこもりなど、ますます複雑で難しくなっています。

名誉会長: 80年前、牧口先生は、『創価教育学体系』の発刊に際して、ご自身の真情を綴られておりました。
 “一千万の児童や生徒が修羅の巷(ちまた)に喘いでいる現代の悩みを、次代に持ち越させたくないと思うと、心は狂(きょう)せんばかりで、つまらない毀誉褒貶(きよほうへん)などは私の眼中にはない”わが教育本部の先生方も、この心を心として、本当に大変ななか、第一線の現場に飛び込んで、奮闘されています。一つ一つの課題を打開しゆく尊い「教育実践記録」も、4万事例を超えました。全国各地の「教育相談室」も、退職教員の集いである「教育名誉会」の方々も、模範の依怙依託(えこえたく)の存在と光っています。
 学校だけではなく、家庭も、地域も、社会も、子どもたちの幸福のため、教育力を高めていくことが大切です。
 アメリカの未来学者のヘンダーソン博士も、「子どもたちのために奉仕する愛情と情熱を、社会全体に蘇らせる必要がある」と語られていた。
 その先駆の模範が、地区や支部が一体となって、子どもたちを見守り育む、学会家族の世界です。

◆ 1ミリでも前へ!

河本: 本当にそうですね。
ある地域で、5年に及ぶ不登校を乗り越えた、母と子のリレー体験をうかがいました。
 息子さんは貝のように口を閉ざし、何もしゃべらない日々が続いた。しかし、お母さんは、先生の「夜は必ず朝になる」との指導と先輩の励ましに勇気を奮い起こし、一心不乱に題目をあげました。学会活動にも、どんどん積極的に飛び出していった。
 そして、その日のことを、息子さんに語って聞かせたといいます。すると、ぽつりぽつりと口を開くようになり、やがて笑顔が戻り、ついには「大学に行きたい」と言い出すまでになった。
 夢を実現し、今、創価大学の大学院で学ぶ彼は、先生の『青春対話』の一節を大切にしています。
「もがきながら、題目をあげ、1ミリでも2ミリでもいいから、何か前へ進む。そうやって生き抜いていけば、あとで振り返って、ジャングルを抜けたことがわかる」と。

名誉会長:私もうかがいました。このお母さんは一番、苦しい時に、「必ず乗り越えて、いつか同じ悩みを持つ人を励ましていこう」と決めておられた。だから強かった。
 そして、今、その通りに、地域の子育てのネットワークの要となって、皆を励まされています。
 ここに、仏法の「願兼於業(がんけんおごう=願、業を兼ぬ)」という、宿命を使命に変えていく生き方があります。
 経済苦や病気など、どの家庭にもそれぞれの課題があるでしょう。
 御書には、それは「十羅刹女(じゅうらせつにょ)が信心を試しているのであろう」(1544ページ、通解)と説かれています。
 どんな難問に直面しても、臆してはならない。いよいよ、自分の信心が試されているのだと心を定めて、勇敢に立ち向かうことです。必ず変毒為薬して、大きく境涯を開くことができるからです。

佐藤: 学会家族には、こうした黄金の体験が、無数にあります。内外の友に、功徳の体験を大いに語っていきたいと思います。

名誉会長: 時代は、仏法を強く深く求めています。大聖人は「力あらば一文一句なりともかたらせ給うべし」(御書1316ページ)と仰せです。
 青年部は大確信に燃えて、新しい広宣流布の拡大の波を起こしていただきたい。

熊沢: はい。私たち池田華陽会も、最高に充実した朗らかな青春の道、そして最高に価値ある幸福な人生の道を、同世代の友に自信満々と語ってまいります。

佐藤: 悪縁の多い時代にあって、創価の対話こそ善縁(ぜんえん)の拡大です。
 今は携帯電話やパソコンによるメールやインターネットを介した犯罪に、未成年が巻き込まれるケースも増えています。大切な未来部員や青年部員が、事件や事故に絶対に巻き込まれないよう、皆で注意していきたいと思います。

名誉会長: 大聖人は、夫法悪世の乱れた人心を「虎のごとし」(同1217ページ)と述べておられる。
 とくに現代は、凶悪な犯罪や、これまでの常識が通用しないような事件も多い。日ごろから、地域や家庭で注意を呼びかけていくことが重要です。「心にふかき・えうじん(用心)あるべし」(同1176ページ)です。
 油断は大敵です。根本は、真剣な日々の勤行・唱題です。(下-2に続く)
2010年8月14日付 聖教新聞







Last updated  2010/09/28 10:12:01 PM
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カテゴリ:御書と青年
池田名誉会長が語る青春勝利の指針

   御書と青年 13「未来を創る」(上)


◆ 幸福の安全地帯

河本: 私は小学6年生の時、母親が、がんで入院しました。父は仕事が多忙ななか、懸命に私たちの面倒をみてくれましたが、家を留守にすることも多く、幼い妹たちと3人で不安に押しつぶされそうでした。
 この時、真っ先に駆けつけて励ましてくれたのが、地域の学会の同志の方でした。 折あるごとに声をかけ、一緒に題目をあげてくれました。ご飯をごちそうになったこともあります。
 池田先生の指導を通しての励ましを支えに、家族は団結し、母も病魔を乗り越えることができました。

名誉会長: 学会ほど温かな「励ましの組織」はありません。まさしく学会は「人間共和のオアシス」であり、「幸福の安全地帯」です。
 どんなに優秀なコンピューターでも、人間は育てられない。教科書だけでは、人格は鍛えられない。
 ダイヤモンドはダイヤモンドでしか磨けません。人間を磨くのは人間です。人間同士の交流であり、触れ合いです。これだけは、時代が移ろうとも変わらない。
 「あのお兄さんが通(かよ)ってくれたから!」「あのお姉さんの一言があったから!」 ── 担当者の励ましを原点に頑張ってきた未来部員、青年部員が全世界に幾十万、幾百万といる。私は日本のみならず、各国から、そうした善びと感謝の報告を受けています。

河本: 私が少年部長時代に出会った、埼玉県の未来部の合唱団の友がいます。
 両親の離婚、そして同級生のいじめにあい、中学の後半はほとんど不登校でした。
 転機となったのは、高等部担当者の熱心な誘いで参加した創価大学のオープンキャンパスでした。
 創大生の温かな歓迎に感動するとともに、少年部時代に立てた創大進学の誓いを思い起こしたのです。彼は猛勉強を開始して見事、創大合格を勝ち取りました。
 大学1年の時、池田先生が授業参観に来てくださり、思いもかけず、創立者と並んで法学の講義を受けることができました。先生からの激励を胸に、今、大学院生として研究に励んでいます。

名誉会長: よく知っているよ。立派になったね。
 ともあれ、2030年に迎える創立100周年を勝ち開いていくのは、今の青年部・未来部の君たちです。
 そして、2001年5月3日から7年ことのリズムで前進を開始した、第2の「七つの鐘」を打ち鳴らし、2050年を堂々と荘厳するのも、君たちです。
 「一切の仏法も又人によりて弘まるべし」(御書465ページ)です。
 どんなに法が立派で、建物が整備されても、人材の流れが枯れてしまえば、広宣流布の大河は止まってしまう。
 戸田先生も「問題は人だ。全部、人で決まる。一人の青年で決まるのだ」と常々、語っておられた。
 「顕仏未来記」には、「伝持の人無れば猶(なお)木石の(=木像・石像が)衣鉢(えはつ)を帯持せるが如し」(同508ページ)とも仰せです。「伝持の人」とは「後継の人」ともいってよい。
 どんな団体も、後継者がいなければ滅び去ってしまう。正しき信心の後継者をたゆみなく育てていくことが、正法正義を永遠ならしめる唯一の道なのです。

◆ 希望の太陽と光れ

【佐藤: 池田先生は、今日の少子化の流れをいちはやく察知して、先手を打ってくださいました。
 「少子化が進む時代だからこそ、『一人』が大事である。『一人』を徹底して大切にしていくことである。後継の一人一人が、『一騎当千の人材』に育ってこそ、平和の未来は盤石となるのである」と指導してくださいました。私たちも、今まで以上に「一人」を大切にしていきます。

名誉会長: どこまでも真心です。情熱です。誠実です。根本は「必ず自分以上に立派な人材に育てるのだ」との強き祈りです。
 子どもが見ているのは、担当者の「心」であり、「生き方」です。「真剣さ」です。
 私も青年時代から、あらゆる機会を使って、学会っ子を励ましてきました。会合で個人会場を訪れた際には、必ず提供者の方に御礼を述べるとともに、その家のお子さんに声をかけてきました。

熊沢: 先生の奥様も、幼き日、牧口先生を、座談会の会場だったご自宅にご案内した未来部の“第1期生”です。さらに奥様は、女子部時代、会合などで、お母さん方に連れてこられた子どもたちに、本を読み聞かせて励まされるなど、まさに「21世紀使命会」の大先輩でもあります。

名誉会長: 「子どもは未来の宝だ。未来からの使者だと思って大事にしなさい」 ── これが戸田先生の指導でした。私も妻も、このご指導通りに行動してきただけです。

河本: 上越教育大学の森島慧(あきら)名誉教授も、学会の人材育成を評価してくださり、「子どもの発達段階において、20代、30代の青年層の方が、就学期の子どもたちとかかわり、良き兄、良き姉として相談等にものっていることは、大変に重要なことだと考えます」と語られました。

名誉会長: 良識ある方々は、本当によく見てくださっている。殺伐とした社会にあって、未来の世代を徹して大切にする学会の連帯は、ますます希望と輝いています。

佐藤: 先生から、「21世紀使命会」と命名していただいて、今年で15周年。先生は同会の友に、「21世紀の広布の指導者を育てる皆様こそ、最高の使命の人であり、大功労者である」と激励してくださいました。

【名誉会長】 人材を育てた人こそが真の人材です。太陽の温かな光があればこそ、万物は成長できる。太陽とは「希望」です。「勇気」です。「慈愛」です。
 使命会の皆さんは、ますます意気軒高に未来部員を照らす「太陽」と輝いてほしい。
 人の何倍も忙しいし、思うようにいかないことも多々あるでしょう。でも、太陽は、何があろうとも、平然と悠然と昇る。わが使命の軌道を、迷わず惑わずに進む。
 大聖人は「法華経は日輪のごとし」(同1114ページ)と仰せです。わが胸中に、何ものにも負けぬ常勝の太陽を赫々(かっかく)と昇らせていくのです。
2010年8月13日付 聖教新聞






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池田名誉会長が語る青春勝利の指針

   御書と青年 13「未来を創る」(上)


御聖訓「一切の仏法は人によって弘まる」

2050年へ 第2の「七つの鐘」高らかに
人材の大河を万代に
未来部は「21世紀の主役」「世界の希望」
担当者に感謝 真心の励ましは必ず花開く 人間を磨くのは人間


熊沢女子部長: このたびは、アジアを代表する名門マレーシア国立マラヤ大学から「名誉人文学博士号」のご受章、誠におめでとうございます! マレーシアの華陽の姉妹も、喜びに沸き返っております。

池田名誉会長: ありがとう! マレーシアの同志は、草創から苦労に苦労を重ねながら、誠実に社会に貢献し、信頼を勝ち取ってこられました。私はその尊き方々と分かち合う思いで、この栄誉をお受けさせていただきました。

佐藤青年部長: 先生が開いてくださった教育・文化交流の道が、どれほど大きいか。
 マラヤ大学にも、これまで50人を超す創価大学からの留学生が学んできました。努力を貫いて、マラヤ大学で博士号を取得した友もいます。

名誉会長: うれしいね。
 マレーシアでは、創価幼稚園の園児たちも、伸びやかに成長しています。開園15周年になります。私も2000年に訪問しました。
 多様性に富むマレーシアで、マレー語も、中国語も、英語も自在に話しながら、仲良く凛々しく育ちゆく“世界市民”たちです。皆も日本語だけじゃ、もったいないよ(笑い)。
 今年は創価教育の80周年。牧口先生も、戸田先生もさぞかし、お喜びでしょう。

河本総合未来部長: 日本も、未来部育成の夏が真っ盛りです。全国の担当者の方々が、寸暇を惜しんで激励に走ってくださっています。
 特に、今回、池田先生に「正義の走者」の歌詞を加筆していただきました。新たに未来部歌として、皆、大喜びで歌い始めています。本当にありがとうございます!

◆ 「現在の因を見よ」

【名誉会長】 未来部は「学会の宝」です。「世界の希望」であり、「人類の明日」です。
 広宣流布の前途を託す若き友のためならば、私は何でもしてあげたい。できることならば、一人一人と固い握手を交わし、励ましてあげたい。
 でも、どうやっても、私の体は一つしかない。だから私に代わって、皆さんの熱と力で、創価の命というべき後継の人材を激励していただきたいのです。

佐藤: はい。先生のお心を深く胸に刻み、未来部の育成に全力で取り組んでまいります。

名誉会長: 法華経の宝塔品(ほうとうほん)では、釈尊のもとへ多宝・十方分身の諸仏が来集(らいじゅう)して、勢揃いします。それは、何ゆえであったか。
 「開目抄」には、令法久住(りょうぼうくじゅう)のためであり、「未来に法華経を弘めて未来の一切の仏子にあたえんと・おぼしめす」(御書236ページ)ゆえであると仰せです。
 法華経の眼目は、「未来の広宣流布」です。仏の眼から見れば、「未来の一切の仏子」、すなわち末法の衆生を救うことが最重要のテーマです。
 広宣流布こそ、「末法一万年の衆生まで成仏せしむる」(同720ページ)聖業(せいぎょう)です。そのためには、どうしても、後継の人材が陸続(りくぞく)と続くことが必要です。
 そう捉えて、今、一人の青年部・未来部を励ますことは、広布の壮大な価値創造となるのです。

河本: 未来部は先生が第3代会長に就任されて、最初に結成してくださった部です。その時の思いを、先生はこう綴られました。
  ── 私は、21世紀のことを真剣に考えている。その時に、誰が広宣流布を、世界の平和を担っていくのか。誰が21世紀に、本当の学会精神を伝えていくのか。それは、今の未来部のメンバーに頼むしかない ── と。

名誉会長: その思いは、少しも変わりません。
 この21世紀こそ、恒久平和の基盤を築き、生命尊厳の思想を人類の思潮として確立する時です。そのために、創価学会が果たすべき使命はあまりに大きい。
 民衆の精神の土壌を豊かにし、人類の境涯を高めていく創価の実践に、世界各界の識者から絶大なる信頼が寄せられる。いよいよ、そうした時代に入りました。
 今の青年部、そして未来部が地球社会にとって、どれだけ、かけがえのない存在か。
 創価の人材育成は、未来を創る最重要の真剣勝負です。「未来の果を知らんと欲せば其の現在の因を見よ」(同231ページ)です。大事なのは、未来の勝利のために、今、具体的な手を打つことです。

◆ 全員が妙法の当体

熊沢: かつて、私が中等部の代表として参加させていただいた会合でのことです。
 池田先生が、わざわざ私たち中等部員の側に来てくださいました。そして「21世紀を、よろしくお願いします!」と言われて、深々と頭を下げてくださったのです。
 衝撃でした。まるで国家元首に相対するような、丁寧なお振る舞いに深く感動し、「必ず先生のご期待にお応えできる人材に成長じよう!」と決意しました。

名誉会長: 法華経の会座(えざ)において、「女人成仏」「即身成仏」の偉大な実証を示したのは、若い竜女(りゅうにょ)でした。
 南条時光(なんじょうときみつ)もへ日蓮大聖人に最初にお目にかかったのは、7歳の時であったと推察される。その後、16歳で、大聖人のもとに馳せ参じ、直々の薫陶をいただいた。妙法の花の若武者として、逆風の中にあっても、勇気ある信心を貫き通していきました。
 その勇姿を、大聖人は「上下万人にあるいは・いさめ或はをどし候いつるに・ついに捨つる心なくて候へば・すでに仏になるべし」(同1587ページ)と讃えておられます。
 妙法は、若き正義の生命を最高最大に光り輝かせていく大法則です。汲めども尽きぬ妙法の大功力(だいくりき)を、「現当二世」すなわち今も未来も、最も生き生きと発揮していける。
 それは、ほかの誰でもない、未来部の友です。未来部の一人一人が、躍動する「妙法の当体」そのものなのです。

佐藤: はい。決して子ども扱いするのではなく、共に「広宣流布の同志」として、向上していきます。

名誉会長: 私は、この場をお借りして、男女青年部の「21世紀使命会」、学生部の「進学推進部長」、壮年・婦人部の「未来部育成部長」の皆様をはじめ、各部の皆様に心から御礼を申し上げたい。
 宝の未来部といっても、少年部は、わんぱく盛りです(笑い)。中等部や高等部は、多感な時期です。なかには、言うことを、なかなか聞いてくれないメンバーもいるかもしれない(笑い)。
 担当者の方々は、自身の仕事や家庭、学会活動など、本当に多忙ななか、時間をこじあけて一生懸命に取り組んでくださっている。その労苦が、私にはよくわかります。
 「陰徳(いんとく)あれば陽報(ようほう)あり」(御書1178ページ)です。「人のために火をともせば・我がまへあきらかなるがごとし」(同1598ページ)です。
 未来部のために尽くした行動は、すべて我が身を飾る大福運となる。皆さんのお子さんたちも、子孫も、永遠に功徳に包まれていくことは絶対に間違いありません。

◆ 今はわからなくても

河本: 21世紀使命会の方々と話をすると、「未来部のメンバーを家庭訪問した時に、心を開いてくれず、なかなか会話がはずまない」という悩みを聞きます。会合に来てもまったく顔を上げず、ひたすら畳を見つめているという子もいます(笑い)。

名誉会長: そうか。担当者も、子どもたちも、どちらも大変だね(笑い)。でも、会合に来てくれただけでも、すごいじゃないか(笑い)。
 その「心」を最大に讃えてあげてほしい。会合に来るのも挑戦です。未来部のみんなだって、遊びたい盛りだ。いろいろな事情があるなかを頑張って参加している。
 表面的には乗り気じゃなかったり、話を聞いてくれていないように見える時があるかもしれない。でも、戸田先生はよく言われました。
 「たとえ今は何もわからなくとも、後であの会合に参加したと思い出すものだ。
目で見て、耳で聞いて、体で覚えることが大切なのだ」と。
 顔を上げなくても、じっと話を聞いていることもある。大事な「一言(ひとこと)」が心に深く入っている場合もある。

佐藤: 自分自身を振り返ってみても、本当に先生がおっしゃる通りです(笑い)。
 後になって、担当者の方々が、どれだけ粘り強く祈ってくれていたか、その真心が痛いほど、わかります。

名誉会長: 仏法の世界に触れ、仏縁を結ぶことが、いかにすごいことか。長い目でみれば、何一つ無駄はない。
 御書には、平和の大指導者アショカ大王の因縁が繰り返し記されています。
 「昔(むか)し徳勝童子(とくしょうどうじ)と申せしをさな(幼)き者は土の餅を釈迦仏に供養し奉りて阿育(あそか)大王と生れて閻浮提の主と成りて結句は仏になる」(1380ページ)
 若き清らかな心で、仏法のため、師匠のため、広宣流布のためにと行動したことは、それが、ささやかに見えても、時とともに計り知れない福徳となって花開くのです。
 真心の「土の餅」一つで、「一閻浮提の大王」です。仏法の因果は峻厳であると同時に、おとぎの世界のようにロマンに満ちている。それが現実となるのが妙法です。
 「心こそ大切」です。未来部の活動は、仏法の本義に則って、若き心の大地に、偉大な「勝利」と「栄光」の大指導者に育つ種を蒔(ま)いているのです。(上-2に続く)
2010年8月13日付 聖教新聞






Last updated  2010/09/28 10:09:52 PM
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カテゴリ:御書と青年
池田名誉会長が語る青春勝利の指針

御書と青年 12「不軽の不屈の精神」


英知と情熱で歴史の大転換を!
民衆奉仕の指導者に
「どうせ無駄だ」の決めつけは無慈悲
我らは不軽の勇者!
粘り強く 真剣に 誠実に語れ
不軽菩薩の実践
人間尊敬の哲学の復興へ
「断じて戦い続ける」
「人の振る舞い」こそが仏法実践の肝要です。相手の生命を変える力です

 
佐藤青年部長: 「広布に走れ」 ── 池田先生からいただいた歌のままに、青年部は勇んで戦い、走っています。
 この6月30日は、学生部の結成記念日です。今年で結成53周年。創価の知性のスクラムは五大州に広がりました。
 男子部も、女子部も、「池田大学」に学ぶ誇りを胸に前進しています。

池田名誉会長: 若き地涌の英知光る君たちの成長が、世界の希望です。
 「一切の法は皆(みな)是(こ)れ仏法なり」(御書564ページ)と説かれています。
 学問の探究においても、社会への貢献においても、わが創価の英才たちは、世界中で、勝利の実証を堂々と示している。これほど、うれしいことはない。
 私が世界の大学と友情を結び、交流を進めているのも、君たちが胸を張って活躍しゆく平和の大道を開くためなのです。

大山女子学生部長: ありがとうございます。
 私たち女子学生部は、先生の弟子として、世界中に知性と正義の連帯を広げてまいります。

名誉会長: 戸田先生が学生部を結成された目的は何か。それは、真に民衆に奉仕し、人々を幸福と勝利ヘリードする、力ある指導者を育成することにあります。
 指導者と権力者の違いは、どこにあるか。権力者は民衆を見下し、青年を利用する。それに対し、真の指導者は民衆を敬い、青年のために手を打ち、青年を育成する。
 本来、民衆の幸福を第一義とすべき指導者たちが、権力の魔性に狂って、傲(おご)り高ぶり、多くの人々の幸福を踏みにじってしまった。軍国主義の日本が、その最たるものだった。この顛倒(てんとう)が、これまでの痛恨(つうこん)の歴史です。
 その大転換を、戸田先生は妙法の学徒に託されたのです。

宮尾学生部長: 今でも、口では立派そうなことを言いながら、結局、自分たちの保身ばかりを考え、庶民を愚弄(ぐろう)し、利用するエリートが多く見受けられます。

◆尊き婦人部に感謝

大山: アメリカ建国の指導者ジョージ・メイソンも「すべての権力はもとより民衆に授けられており、ひいては、民衆から生じている」と述べています。

名誉会長: どこまでも民衆が根本です。御書には、「王は民を親とし」(1554ページ)と仰せです。
 指導者は、民衆を父と思い、母と思って、大切にし、尽くしていくべきだと教えておられるのです。
 さらに、指導的立場にありながら「民の嘆きを知らなければ悪の報いを受ける」(御書36ページ、趣意)という厳しい戒めもあります。
 社会的な地位があるから、有名な大学を出たから偉いのか。そうではない。
 一番偉いのは、友の幸福のため、地域の繁栄のため、平和のために、来る日も来る日も行動を貫いている庶民です。広宣流布のために戦っている皆さんのお父さん、お母さん方です。学会の大先輩方です。
 この尊き方々の一心不乱の戦いで、世界的な創価学会ができあがった。
 若き皆さんは、その大恩を忘れず、庶民に尽くし抜く大指導者に成長してもらいたい。そのための学問です。信心です。青春の薫陶です。

宮尾: 私には、忘れられない一つの原点があります。
 私はアメリカ創価大学に入学する前、モンタナ州の大学で学びましたが、授業についていけず、友人もできず、散々でした。悩んで帰国さえ考えていた時、草創から戦ってこられたアメリカの婦人部の方に激励されました。
 「だらしないわね!
 あなたは日本にいた時は、両親の信心で守られてきたのよ。今度は自分の信心で、しっかり立ちなさい!」と。
 強烈でした(笑い)。そこから本気になって信心と勉学に挑戦しました。アメリカ創価大学へ入学を志し、弘教も実らせることができました。

名誉会長: ありがたいね。婦人部が強く、偉大なのは、万国共通だ(笑い)。
 婦人部には深い信心の体験がある。だから確信の深さが違う。
 私とともに、幾多の三障四魔を乗り越え、広宣流布の道なき道を開いてきてくださった尊い宝の方々です。
 どんなに悪口を言われようと、雨の日も風の日も、炎天下の日も、健気に対話に駆けてこられた。
 その姿は、まさしく法華経に説かれる「不軽菩薩(ふきょうぼさつ)」の行動と重なります。
 御聖訓に「法門の故に人にも・あだまれさせ給ふ女人、さながら不軽菩薩の如し」(同1419ページ)と仰せの通りです。
 今回は、この不軽菩薩をテーマに語らいを進めたら、どうだろうか。青年部の目指すべき言論戦の原点も、この不軽の精神にあるからです。

◆自ら歩み寄って

佐藤: 不軽菩薩といえば、常不軽菩薩品(じょうふきょうぼさつほん)第20に登場する菩薩ですね。一切衆生に仏性があるとして、会う人ごとに「二十四文字の法華経」を唱えて礼拝しました。
 それは「私は深く、あなた方を敬います。決して軽んじたりしません。その理由は、あなた方は皆、菩薩道の実践をして、必ず仏になることができるからです」という内容の経文です。

名誉会長: そうだね。ここには、根本的な対話のあり方が示されています。 不軽菩薩は、万人の生命に内在する仏性を礼拝し、「二十四文字の法華経」を語った。遠くにいる人に対しても、自分から歩み寄って、語りかけていった。

宮尾: じつにバイタリティーあふれる行動力です(笑い)。

名誉会長: しかし、増上慢の衆生は、この不軽菩薩に反発し嘲笑する。
 法華経の「万人が仏である」との絶対尊厳の哲学が、信じられなかったからです。
 人々は不軽菩薩に対して杖木瓦石(じょうもくがしゃく)をもって迫害する。それでも不軽は、決して礼拝行をやめない。皆を決して軽んじない ── ゆえに「不軽」「常不軽」というのです。

宮尾: どんなに非難され、迫害されても、修行をやめなかったのですね。

名誉会長: そこが不軽の偉大さです。増上慢の人々の所に勇敢に飛び込んでいく。絶対にあきらめない。戦いをやめない。粘り強いのです。
 これは「受け身」で、できる行動ではありません。
 大聖人は「彼(=不軽)は初随喜(しょずいき)の行者」(御書1277ページ)と仰せです。
 「初随喜」とは、仏の滅後に法華経を聞いて随喜の心を起こした人の位です。
 そこには、最極の正義にめぐりあった、真実の喜びがあった。だからこそ「不退」だった。いうなれば、青年部であり、学生部・女子学生部の君たちに通じます。

◆絶対無事故で進め

佐藤: 私たちは、常に「初心忘るべからず」で行動を貫いてまいります。
 それにしても、不軽は実に賢明です。相手が、杖木瓦石で迫害してこようとすれば、いったん走って避ける。そして遠くから、「二十四文字の法華経」を大きな声で叫びます(笑い)。

名誉会長: そうです。揺るぎない正義の信念に徹しているからこそ、快活であり、柔軟なのです。
 今は五濁悪世の時代です。ずる賢い悪人も増えている。騙されてはならない。悪事に巻き込まれてもならない。
 決して悪縁を近づけさせない聡明さを、青年は鋭く持たねばならない。強く賢くなることだ。
 「さきざきよりも百千万億倍・御用心あるべし」(同1169ページ)と御書にも仰せです。特に女性は、心に隙をつくらないで、絶対無事故をお願いしたい。

大山: はい。常にご指導をいただいている帰宅時間などについても、皆で注意し合って気をつけてまいります。

宮尾: 池田先生と対談されたネパールの著名な仏教学者シャキャ博士は、こう語られました。
 「不軽品に登場する常不軽菩薩は、すべての人に仏性ありとして、礼拝行を貫きました。あらゆる生命存在の仏性を確信し、それを開いていく行動 ── 。人格完成のための最高の哲学が、ここにあります」と。
 そして、この菩薩道を現代に展開しているのが、池田先生の指導されるSGI(創価学会インタナショナル)であると指摘されています。

名誉会長: 博士は、釈尊生誕の国ネパールを代表する知性です。博士と語りあったことは忘れられません。

大山: 不軽菩薩は、なぜ迫害にあいながらも不屈の実践を貫いたのでしょうか。

名誉会長: 不軽菩薩が活躍したのは、威音王仏(いおんのうぶつ)の像法(ぞうほう)時代の終わりです。仏の真実の教えが忘れ去られ、「増上慢の比丘(びく)」が充満していた。
 不軽菩薩は、混沌とした社会にあって、「仏の教え」の肝要に自ら歓喜し、人々にもそれを蘇らせようとしたと考えられる。
 「仏の教えを隠没(おんもつ)させてなるものか!」「仏の教えの通り、あらゆる人を救い切っていくのだ!」 ── この人間としての切なる思いが、不屈の実践の原動力となったのではないだろうか。
 シャキャ博士が言われていたように、不軽菩薩の実践には「人間復権」の大哲学があります。
 創価の師弟の運動も、末法という濁世(じょくせ)にあって「人間尊敬の大哲学」を復興しゆく戦いです。

宮尾: だから、「人間を軽賎(きょうせん)する」「生命の尊厳を軽んじる」、勢力との闘争が必然になるのですね。

名誉会長: そうです。正しいからこそ、圧迫される。中傷される。
 これに打ち勝ってこそ、真の「立正安国」が実現できる。民衆の団結の力で平和と共生の世界を築いていくことができるのです。

佐藤: 学生部結成の日、先生は北海道の地から、祝福の電報を打ってくださいました。「夕張炭労事件」の渦中でした。
 この結成の日に、大阪府警は、まったく無実の先生に出頭の命令をしてきたのです。「大阪事件」の勃発(ぼっぱつ)です。

宮尾: かつて先生は関西の学生部の代表に「出獄と入獄の日に師弟あり」「七月の三日忘れじ富士仰ぐ」と贈ってくださいました。学生部の永遠の根本精神としてまいります。

「振る舞い」で決まる

【名誉会長】 正義の革命児は、怒濤の人生を恐れなく、まっしぐらに進むのです。
 不軽菩薩は、増上慢の勢力にも怯(ひる)まず、非暴力を貫いた。それは、人間としての最高の行動である「人を敬う振る舞い」にほかなりません。

大山: この「一人を大切にする」振る舞いが、法滅(ほうめつ)の時代を変えていったのですね。

名誉会長: 大聖人は、「不軽菩薩の人を敬いしは・いかなる事ぞ教主釈尊の出世の本懐は人の振舞にて候けるぞ」(同1174ページ)と断言されています。
 「人の振る舞い」こそ、仏法実践の肝要です。この振る舞いが相手の生命を変える。
 どこまでも「誠意」です。
 全身全霊の「情熱」です。
 ひたむきな「真剣」です。
 その根本は「勇気」です。
 それでこそ、人々の心を大きく動かしていくことができる。不軽菩薩も、信念と誠実を貫いて、最後は勝利した。

佐藤: はい。不軽菩薩自身は、「六根清浄(ろっこんしょうじょう)」という大功徳を得て、寿命を「二百万億那由他(なゆた)歳」という長きにわたって延ばします。そしてこの不軽が後に釈尊となります。
 さらに御書には「不軽菩薩を罵打(のりうち)し人は始こそ・さありしかども後(のち)には信伏随従(しんぷくずいじゅう)して不軽菩薩を仰ぎ尊ぶ」(1125ページ)とあります。
 最終的には、迫害した側も、自分たちの誤りに気づいていくのです。

名誉会長: 勇気と誠実と忍耐の勝利です。
 「御義口伝」には「鏡に向って礼拝(らいはい)を成す時浮(うか)べる影又我を礼拝するなり」(御書769ページ)とあります。上慢の四衆(じょうまんのししゅう)の仏性は、実は不軽菩薩を礼拝していると仰せなのです。
 私たちが、相手の仏性を尊敬して対話をした時、たとえ、その時は反発されたとしても、相手の仏性は実は私たちの仏性を礼拝しています。
2010年6月30日付 聖教新聞






Last updated  2010/09/28 09:19:58 PM
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カテゴリ:御書と青年
池田名誉会長が語る青春勝利の指針

 御書と青年 11 異体同心の前進 (下)


◆ 「勇気」から波動が

阿部: マハトマ・ガンジーの直系の弟子であったパンディ博士(インド国立ガンジー記念館副議長)も、紛争の歴史を転じゆく願いを込めて、こう語られました。
 「何よりも人類を融合させるために皆が団結すべきです。それには創価学会が有効な働きをもっていると信じます」と。
 なぜ、創価の「異体同心」には、人類の融合をリードする力があるのでしょうか?

名誉会長: 第1に、深い「哲学」があるからです。
 第2に、たゆまぬ「行動」があるからです。
 第3に、一貫した「勇気」があるからです。
 異体同心には、万人が皆、平等であり、尊極の生命であるという法華経の「哲学」が裏づけにあります。
 日蓮仏法には、人種や民族、階層、男女などの差別がまったくありません。
 大聖人は「一人を手本として一切衆生平等」(御書564ページ)であり、「男女はきらふべからず」(同1360ページ)と宣言されています。
 「万人の成仏」という可能性を信じ抜いているからこそ、「異体」の「同心」が成り立つ。一人一人が妙法の力によって最大に輝いているからこそ、最高の調和が可能になるのです。

熊沢: 今の指導者層の迷走を見ても、その根底に深い哲学がない、確固たる信念がないことが、根本的な要因だと思います。
 私たち女子部は「世界一の生命哲学を学ぶ」「正義と友情の華の対話を」との指針のままに前進します。

名誉会長: そうだね。創価の乙女が語った分だけ、時代は大きく動き、未来が開ける。
 創価の異体同心が、なぜ強いか。たゆまず対話の「行動」を積み重ねているからです。手を抜かないからです。
 組織の異体同心といっても、人類の結合といっても、原理は同じです。
 友のもとへ、何度も何度も足を運ぶ。立場や肩書ではなく、一人の人間として語り合い、心を結んでいく。その堅実な繰り返しから、真実の和合が生まれるの
です。
 また社会にあっては、どんなに不信の壁が立ちはだかっていても、爪を立てる思いで、誠実に対話を繰り返してきた。だからこそ、妙法は、世界に広まったのです。
 埼玉が生んだ、日本の近代経済の父・渋沢(しぶさわ)栄一氏も、「世に至誠ほど根底の深い偉力あるものはない」と語っています。人間関係が希薄になっている現代社会にあって、ますます大切なのは誠実な「対話」です。
 大聖人ほど「対話」を大切にされた方はおられません。御書には「日蓮は、この法門を語ってきたので、他の人とは比較にならないほど多くの人に会ってきた」(1418ページ、通解)とも仰せです。
 皆さんの対話は、この大聖人に直結する仏道修行です。
 反発される時もあるでしょう。しかし、その分だけ自分の生命が強く鍛えられます。
 大聖人は「ついにをそれずして候へば、今は日本国の人人も道理かと申すへんもあるやらん」(御書1138ページ)と仰せです。
 その時は相手の心が変わらなくとも、勇気と誠実の対話は必ず信頼を残します。その信頼が、最後に大きく花開くのです。

◆ 魔を打ち破れ

熊沢: あまりにも尊い創価の「異体同心」の世界を、私たちは断じて護り、広げてまいります。

名誉会長: 仏法は峻厳です。「月月・日日につより給へ・すこしもたゆむ心あらば魔たよりをうべし」(同1190ページ)と仰せの通り、油断すれば、魔に付け入る隙を与えてしまう。魔とは分断を狙う働きでもある。
 御書には、こう戒められています。
  ── 内(うち)から言い争いが起こったら、“シギとハマグリの争い”のように“漁夫の利”となるおそれがあります。南無妙法蓮華経と唱えて、つつしみなさい。つつしみなさい ── (同1108ページ、趣意)と。
 この御書をいただいたのは、池上兄弟の弟の宗長(むねなが)です。兄の宗仲(むねなか)が、極楽寺良観(ごくらくじりょうかん)らの陰謀によって、父から勘当されたのも、いわば兄弟に対する離間策(りかんさく)でした。
 ですから、大聖人は、兄弟の団結、そして夫人たちも含めた団結こそが、勝利への決め手であると御指導されたのです。一人一人が自らを人間革命しながら、広宣流布の大願のために心を一致させる「鉄桶(てっとう)の団結」こそが、魔を打ち破り、「異体同心の勝利」を実現するのです。

阿部: 3年前、先生は埼玉池田研修道場を訪問された際、「『破邪顕正(はじゃけんせい)』といっても、あくまで『破邪』が先である。まず悪と戦い、悪を打ち破るのだ」と教えてくださいました。関東の青年部は、この指針を生命に刻みつけて勇猛精進してまいります。

名誉会長: 青年時代、私は埼玉でも、栃木でも、破邪顕正の闘争の先頭に立ちました。千葉で、茨城で、群馬で、広宣流布の拡大のため、会員を護るために、全身全霊で戦いました。 
 「関東に難攻不落の大城を築け! そうすれば広宣流布の未来は盤石だ」とは、戸田先生の遺言です。 
「異体同心」の「心」とは「広宣流布を願う心」です。
「同志を尊敬する心」です。
「師子王の心」です。
 その究極は「師弟不二の心」です。 

棚野: 青年部は、「師弟不二の信心」「破邪顕正の言論」、そして「異体同心の団結」で、必ずや大勝利の金字塔を打ち立ててまいります。 

名誉会長: 苦しい時こそ、題目を朗々と唱え抜くことです。題目は師子吼です。 
 大変な時こそ、けなげな同志に、声を惜しまず、ねぎらいと励ましを送り続けることです。学会歌を、皆で声高らかに歌うことです。声が、力になり、勢いになる。
 御聖訓には、「始中終すてずして大難を・とをす人・如来の使なり」(同1182ページ)と仰せです。
 「もう、これくらいで」といった安易さや、「もう大丈夫だ」との油断は大敵です。互いに励まし合いながら、共に最後の最後まで持てる力を最大限に出し切っていく。これが「異体同心の団結」です。
 立正安国のため、一つ一つ力を合わせて勝ち越えていく。そこに広布と人生の金剛不壊の城が築かれるのです。 
ともあれ、万年の広宣流布の実現へ、戦いは「いよいよこれから」だ。一切は今から始まる。目覚めた青年の異体同心の奔流は、誰も止められない。
 「いよいよ強盛に大信力をいだし給へ」(同1192ページ)です。「いよいよ・はりあげてせむべし」(同1090ページ)だ。
 若き敢闘精神のスクラムに勝るものはない。青年の怒濤の前進で、新時代の緑野を開いてもらいたい。君たちの青春の大勝利を待っています。
2010年6月19日付 聖教新聞






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