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カテゴリ:おじさん
電車の中というのは、非常に特別な空間である。
パーソナルスペースというものをご存知だろうか。簡単に言うと、「他人が近づくと不快に感じるスペース」とでも言おうか。 私の場合、人見知りなので(よくそれを隠すために、わざと開放的なキャラを演じたりもする)このスペースがかなり広い。 仕事中なんかに 「どれどれ…」 なんて、上司にパソコンでも覗き込まれようものなら、ノケゾリものである。 「はい、どうぞ!!」 と一気に、パソコンの前から「シャー!」(←足部分のコマが動く速度を表した)と椅子ごと移動である。 そんな私でも、否応なくこの「パーソナルスペース」を侵される場所がある。それが電車の中だ。 ここでは、通常接触するはずのない人間と出会う確率が非常に高い。 そしてその人の生活が、垣間見えてしまうことも多い。 数年前のこと・・・。 結構夜遅かったと思う。 車内は酔っ払いで充満していた。 「日本は徴兵制度を復活させなあかん!」 衝撃の発言である。 年の頃、60歳前後。 それにしても、彼は憲法第9条をなんと心得ているのか。 「だいたい今の若いもんは、たるんどる!」 たるんでいるのは、彼のTシャツだ。 夏の午後の私くらいたるんでいる。ダルダルのゆるゆるである。 「徴兵制度を復活させて、日本を鍛えなおし、戦争で戦ったらええねん!」 おじさんの熱弁はさらにヒートアップし、発言の過激さも増していく。 ドアの横に立っていた私だが、おじさんとの距離わずか1m。 ピンチなのだが、急に移動するのも何だかである。 危険だが、このまま聞いてないフリでこの場に留まるしかない。 特急だったため、おじさんの車内演説は、ノンストップで15分ほど続いた。 「なぁ、おねえちゃん聞いてるか!」 恐ろしいことに、おじさんは私に向かって、延々演説していたのだった。 自分では小柄だと思っているが就職活動の頃、なぜか自衛隊に勧誘された実績を持つ私である。 まさか徴兵されるのか!! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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