Motor & Outdoor Journalist 安藤眞の         逆説的よろず考現学

2011/10/24(月)10:57

長谷川恒男カップ雑感

みなさん、こんにちは。 奥多摩エリアの放射線計測ですが、アクセスしやすく効率よくポイントが稼げるところから始めたら、図らずも”日本山岳耐久レース(長谷川恒男カップ)”を逆から回る結果になりました。僕も少しでも時間を稼ぐため、息が上がらない程度に走りながら移動しておりまして、気分は”ハセツネ・レーサー”でした(気分だけね(^^;)。 そのハセツネ杯、今日~明日が本番なんですね。 放射線計測で歩いている際にも、コースの分岐に立て札が立てられていたり、危険箇所にはロープが固定してあったりと、準備が進められていました。それだけでなく、木の根っこや測量用の杭にも黄色いテープが巻いてあったりしたのですが、そういうのを見ているうちに、なんか違和感を覚えてきました。 競技として安全管理をしなければならないのはわかります。実際、昨年(一昨年だったか?)の大会では、滑落して死者も出してしまいました。でも、現在の競技形態って、本当に長谷川恒男さんが考えていた形なんでしょうか? ハセツネ杯はもともと、ヒマラヤでアタックする際、アタックキャンプを出てから20時間ぐらい行動を続けなければならないことがあり、長谷川恒男さんが長距離のルートを夜通しで歩いてトレーニングしていたことから始まったと聞きます。ならば、極限の疲労状態でリスクコントロールすることも、”課題”のひとつだったはず。安全管理を高めることは、その”課題”を低くしてしまうことにならないでしょうか? しかもレースは年々、高速化して、今や優勝タイムは7時間台。当初の「20時間の極限行動の訓練」からは、外れてきてしまっているのではないでしょうか? もちろん、現在の形態のハセツネを否定するつもりはありません。こういうスポーツがあってもいいし、記録を押し上げることにも価値はあると思います。ただ単に、放射線調査のために歩いていて、ふと考えたことなので、”その程度の話”として捉えていただいたほうがいいのですが、「本来の目的に沿った形のハセツネ」が、あってもいいのかな、なんて思ったんですよね。 主催者が用意するのは、チェックポイントだけ。給水も自前でルート表示の看板もなし。靴は2kg以上の重登山靴限定。荷物は15kg以上背負うこととして、それ以上は1kgあたりを時間に換算して走行タイムから差し引くボーナスとする。制限時間は15時間以上24時間以内。15時間でゴールした人が複数いたら、背負っている荷物が重いほうが”勝ち”になります。 これなら実際の登山訓練になると思うのですが、どうでしょうか? 

続きを読む

このブログでよく読まれている記事

もっと見る

総合記事ランキング

もっと見る