みなさん、こんにちは。
プリウスが暴走事故を起こす原因のひとつとして、シフトパターンが悪いという話がWeb上で拡散されているようです。「後退する”R”の位置が前にあるから間違いやすい」というのが根拠のようです。
でもね、このシフトパターンは、プリウス固有のものではないんですよ。例えば、トヨタ車ならノア/ヴォクシーのハイブリッド、日産の電気自動車リーフや、ハイブリッド車のノートe-Power/セレナe-Power、ホンダのヴェゼルやフィットのHVモデルなんかも、みんな同じパターンを採用しています。そういうクルマの暴走事故って、特別多いですか?
一方で、「暴走事故が多い」と印象づけられているアクアですが、こちらのシフトパターンは、旧来のATと同じジグザグゲート方式です。
これらの事実を見ただけでも、「シフトパターン原因説」の根拠は非常に希薄であることがわかりますね。
「普通のクルマから乗り換えた際に間違えやすい」という話も聞きますが、普段からいろいろなクルマをとっかえひっかえ乗っている僕からすれば、それもありえない話です。スイッチ式のシフトは、動かしても必ず元の位置に戻る「モーメンタリー方式」ですし、操作感が機械式のものとはまったく異なります。ですから、操作した瞬間に「特殊なクルマに乗っている」という感覚になります。前進するにしても後退するにしても、操作パターンがまったく違いますから、「いつもの癖で動かす」ということ自体、ほぼ不可能なんですよね(疑い深いかた、ディーラーで試乗車を借りてみて下さい)。
というわけで、シフトパターン原因説は、まったく成り立たないというお話でした。