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Motor & Outdoor Journalist 安藤眞の         逆説的よろず考現学

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May 19, 2019
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みなさん、こんにちは。

 アクセルペダルとブレーキペダルの踏み間違い防止装置は、​アクセルペダルを全開にしてしまうと解除される​という話は、​以前から書いてきている通り​ですが、今回は「なぜそうしているのか」と「ほかに良い方法はないのか」ということについて、考えてみましょう。

 踏み間違い防止装置の多くは、超音波やカメラセンサーで障害物を検知して、その方向にギヤが入っていてアクセルペダルが急激に踏み込まれても、エンジン出力を上げず(一般的な高さの車止めを乗り越えられない程度の出力に抑える)、必要に応じて自動ブレーキを作動させる(作動させないものもある)システムです。

 一方で、こうしたシステムのほとんどは、アクセルペダルを全開にすると、解除になってしまいます。想定されているシチュエーションは、「踏切に進入して遮断機が閉まってしまった場合、解除しないと脱出できない」というもので、それを聞いてしまうと、「やむを得ないかも」と思うかも知れません。

 かつては「アクセルが全開になってから数秒後に完全解除」というロジックの製品もありましたが、最近は「徐々に出力が上がるようにする」というものや、「解除はするが、遮断機の棒を押しのけられるレベルまでしか上げない」という方向に変わってきました。僕が指摘し続けてきた効果があったのかどうかはわかりませんが、これは好ましいことだと思います。

 ただし、最新の誤発進防止システムを備えたクルマでも、相変わらず暴走事故を起こしています。これらのことを考えると、「アプローチの仕方が間違っているのではないか」と考えざるを得ません。

 僕が以前から提案しているのは、アクセルペダルの「キックダウンスイッチ方式」です。かつては欧州車を中心に、アクセルペダルには「キックダウンスイッチ」というものが付いていました。アクセルペダルの奥にスイッチが付いており、それを踏み越えると、ATのギヤが1段低くなり、加速力が強くなるという装置ですが、アクセルペダルのセンサーが高精度化したことから、最近は採用されなくなっています。

 ブレーキとアクセルを踏み間違えている人は、アクセルペダルをブレーキペダルと信じて踏んでいるわけですから、クルマが暴走を開始すれば、ペダルを力の限り踏み込むはずです。となれば、キックダウンスイッチは踏み抜くわけで、それを合図に出力を絞り、自動ブレーキを作動させれば、踏み間違い暴走は確実に防ぐことができます。

 この話は、この手の装置が出てきた当初から提案させていただいているのですが、ほとんどの開発者のかたが「意図的に全開にしなければならないシチュエーションもあるので、それは難しい」と答えます。しかし「意図的に全開にする」必要があるほど冷静に対処できているなら、キックダウンスイッチを踏み抜いて出力が落ちても「あ、そうだった」と対応できるはずですし、事前にロジックを把握しておけば、そもそもそこまで踏み込まずに対応できるのではないかと思います。

 踏切に閉じ込められるケースでも、閉じ込められたということは、前にはクルマが詰まっていて直進はできないはずですから、いきなり全開にすることはなく、対向車線などクルマが入り込める隙間に向かってハンドルを切り、慎重にアクセルを踏むのではないかと思われます。

 「軽の無過給エンジン車のように、高速の合流や急坂では全開にする必要があるクルマもある」とおっしゃるかたもいましたが、それはキックダウンスイッチの踏み抜き荷重の設定でコントロールすればいい話です(意識下にある全開加速とパニックブレーキでは、踏み込み荷重はぜんぜん違うはずです)し、あくまで運転車のミスをカバーするための装置ですから、「付けない(現状と同じシステムで対応する)」という判断があってもいいはずです。

 中には「治安の悪い国で、暴漢に襲われて全開で逃げなければならないケースもある」という(珍)回答をした開発者のかたもいましたが、それは治安の問題であって、交通安全の問題ではありません。全開で逃げたら事故を起こして、暴漢からは逃げられたけど、他の人を轢き殺してしまった、などというケースも考えられますから、これはもはや屁理屈の部類だと思いますが、理不尽な訴訟を起こされる某国のことを考えているのかも知れません。

 ともあれ「できない理由」を考えるのではなく、「どうすればできるか」を考えていただきたいと思います。





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Last updated  May 21, 2019 07:55:49 AM
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