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☆New Beginnings in CANADA ☆

☆New Beginnings in CANADA ☆

東南アジアの旅 -Part1/2-

11/4/2006 旅の始まり(2)
 ~遥かなる旅路~


カンボジアへ入国した私は、この旅の始まりがスムーズにいったことを喜んでいました。早の国境は、さほど人は多くないし、アライバル・ビザの取得も手こずらず、あとは、ここからアンコールワットのある街、シャムリアップを目指すだけです。

しかし、そんな清々しく気分の良い顔であたりを見回している私の横で、夫Cは、やや険しい顔をしています。なぜなら、(1)ポイペトはカジノのある街で治安が良くない 危険度Up (2)この国境からシャムリアップまでが大変なルート(彼は、このルートを過去に経験済み)、という2点を熟知していたから。

こんな時、”知らない”という事に感謝。知らないという事は、なぜか、楽天的になれるもの。夫Cに言われても、『大丈夫だよ~、なんとかなるよ~』などといいながら、私は初めての土地に、やや警戒しつつも、ただワクワクとするだけでした。そして、初めてということは、なんでも、『こんなもんなんだろう』と受け入れてしまうので、今、考えれば『大変なルートだった・・・』と思うけれど、それはそれで楽しい体験でした。

地図-カンボジア.png


さて、私達は、ポイペトを早く出発して、できるだけ早くシェムリアップ(アンコールワットのある街へ)へ行きたかったので、さっそくバス&Taxi乗り場へ。

シェムリアップまでバスでいくのか、Taxiでいくのか、夫Cの過去の経験からすると、バスは、多くの人が乗るうえに、クーラーなんか車中きいていないらしい。よって、Taxiがベターとのこと。

バスの場合、道中、何時間も蒸し風呂状態でかなり苦痛な旅になるらしいのです。彼はその当時、バスの上の荷台に乗って、埃まるけになりながらいったよう。その上、旅する前にネットで得た情報によれば、最近大雨があったようで、道の状態も途中悪いらしいのです。それを考えると、いくらバスの方がリーズナブルといっても、ちょっと・・・とCは思ったらしく、高くても、他のバックパッカーとシェアすればいいので、Taxiでいこうとなりました。

タイーカンボジア国境地点からトゥクトゥクで停留所へ移動。まずはTaxiについてチケット売り場でききました。すると、なんと$74!ロンリー・プラネット(アメリカの旅行ガイドブック)に書いてある値段、ネットの情報で得た値段よりもはるかに高い!通常は$50程度です。もしかして、ボッたくり?ひとまず、値段の交渉に入ると・・・、実は、ここ2週間、大雨の後は値段がハネ上がったという事が明らかになりました。大雨から2週間も経っているというのに、まだ途中、道路が冠水している上に、橋もこわれっぱなしらしく、通るのが大変だから高くなっているらしいのです。これでは仕方がない・・・。とにかく、シェアできるバックパッカーを探さねば!

その時刻、国境を越えたバックパッカーは私達含めて6人。
そのうち3人はバッタンバンという街へいく予定らしく、残念ながらシェアできませんでした(彼らも人を探していた)。そこで、もう一人のLAからきたという日本人の彼は、シェムリアップへ行くとの事。彼に声をかけると、バスのチケットをすでに購入済みでTaxiは無理ということに・・・。やはり、他のバックパッカーを待つか・・・。次のパッカー連中、いつここへ到着するのやら・・・。いや、やっぱりバスの方がいい?

確かに、バスならば、少々苦痛だとしても、値段はグンとお安くなるし、次のバックパッカーなど待つ必要はない。そこで、バスの情報も一応聞く事に。が、そこで、衝撃の事実判明!なんと・・・バスはお昼過ぎ3時まで出ないそう・・・。ええーーー!どういうこと?日本人の彼は10時のバスのチケットを買ったっていってたけど・・・。そのバス運行スケジュールっていったい・・。彼は、3時までまつのだろうか?今は、まだ9時30をようやく回ったにすぎない。どうするの?

日本人の彼も、そのバススケジュールの事実に動揺を隠せない様子、かなり迷ってきていました。3時までまつのは苦しすぎる。しかも、3時に無事出発したとしても、それから最低5-6時間ぐらいかかってしまう。いや、道が悪いのでその以上かかるだろう。それでいくと、現地につくのは夜も暗くなった頃。彼はかなり迷っていました。そして、考えたあげく、私達とTaxiをシェアすることになり(私達はヤッタ~!)、さっそくチケット売り場の人にTaxiを呼んでもらって、私達は、すばやくポイペトを去ったのです。あぁーやっと動き出した。あそこで立ち往生しるのは、まっぴら!

ここを出発できることになり、夫と私は一安心。ポイペトのバス停留所を出ると、そこはもうのどかなカンボジアの風景が広がっていて、私は、そんな風景に、次第に心を奪われていくのでした。まぁ、早い話、いわゆる、舗装道路消滅地帯なんですが。

特に、このポイペトからシェムリアップ(アンコールワットの近くの町)間は、道路が未だに完成していないので、真っ赤な赤土と青々茂るライスフィールドが続く道が一面に広がっています。その風景は、本当に美しく、何もかも忘れさせてくれる広大なパノラマが広がっています。しかし、そんな美しい風景とは裏腹に、道路は舗装されていない為、シェムリアップへの道は長く大変な陸路と化しているのです。しかも、雨が降ればすぐ冠水するし。ハプニングもよくあるわけだ。

そんなタイ~シェムリアップ間は、旅行者の間ではポピュラーなルート。だって、みんなアンコールワットの遺跡を見に行きたいし。しかし、なぜ、未だここは未開発地域となっているのか?その大きな理由の一つとして、タイ航空会社の陰謀があります。この陸路を開発しないことで、タイからシェムリアップ間の空路に人々を誘い収益を上げるといったもの。そういう絡みがあったんですねぇ・・・。観光産業で多くの収益を得ているのは、多国籍企業、又はカンボジアの一部の人たち(政治関係がらみ)だけだというのが現実です。カンボジアに住む大多数の国民の暮らしは苦しい。そこで、ロンリープラネットは旅行者にアドバイスします。なるべく、ツアーに参加せずに個人でいき、現地のゲストハウスへ泊まること。それによって、カンボジアの国や多国籍企業ではなく、大多数の国民の方へお金がいくようになるということです。カンボジアに入国したとたんに、そんな多国籍企業のやり方を垣間見た私は考え込んでしまいました・・・。が、そんな気持ちとは関係なく、美しい風景は続いてゆくのでした。

赤土の道を行く間には、小さな村がいくつかあります。途中、NGOの協力のもと、開発された看板(多くは、学校とか水道とか)のサインもちらほら見えたり。

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道中、Taxiの運転手と取引あるらしい、ある村の小さなお店で、別に休みたくもないのに、むりやり休まされました。トイレは有料。このトイレの使用量を払うか、店で何かを買うかしなければいけないのです。まぁ、仕方がないか・・と思いつつ、気さくでフレンドリーなそこの子供達の笑顔を見て、なんだか腑に落ちないけれど、ついつい何かを買おうかぁという気になってしまいます。そこで働いている子供達は、みんな英語か日本語が上手。きっと、こうやってこのお店に寄らされた旅行者か、もしくはNGOできている職員から習ったのでしょう。でも、子供だからといって甘く見てはいけません。カンボジアの貧困という厳しい現実に向き合って暮らしている彼女達。私に聞いてくる内容といえば、「あなたの国では結婚すると、夫からお金はもらえるの?」という事。カンボジアでは、新郎側が新婦側へお金をもってくるらしく(日本の結納のようなもの?)、早く結婚してお金をお母さんにあげたいといっていました。くったくなく笑う彼女。そんな年にして、考えていることが現実的・・と、またまた考えてしまった私です。そんな貧しい村の少女達は、だまされて、売春宿に売られていくケースも数多くあります。

参考図書
幼い娼婦だった私へ ソマリー・マム著


さて、話しは少し脱線しましたが・・・
私達は、そこお店を出発し、また延々と続く赤土と青々と茂ったライス・フィールドの道。その風景を見ていると、都会の雑踏を忘れて、しばし、静寂の世界へと入る事ができます・・・・と、その時!ああーーー、ついにきてしまった!冠水地帯!!!沢山のバス、車は連なって、人々はウロウロ。

多くの荷台を乗せたトラックもこーーんな斜め!
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ズブズブと水にハマる道。

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橋は壊れていて、その隣には、埋め立てた臨時道路が。まったくいつになったら直るのかは分かりません。そんな埋め立て道路を、私達は通るのですが、これが、狭くて、向こうからやってきた車とこちら側と交互にいかなくてはいけません。

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計2カ所、大きな渋滞ポイントがあり、結局ここで2時間程立ち往生となりました。私は、車から降りて、ライス・フィールドを眺めながらボケーっとしていました。そして、フっと横をみると、多くの人がボケっとしていたり、渋滞の様子を眺めていたり、そして、ここぞとばかり、飲み物や食べ物を売っているお姉さん達がウロウロ。ちょっとした騒ぎです。

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一カ所のポイントでは、韓国からきたツアー組が、バスからゾロゾロ降りて、ズブズブと冠水した道を歩き、向こう側にきていたバスに乗り換えていたりしていました。私達は乗用車だったので、少々のズブズブ地帯は、スリップしながらも、座席の床から少々水が入ってはきたものの、一応、通ることができたのでバスの人達よりはスムーズでした。

この状況、けっこう、楽しんでいたのは私です。旅だからこそのハプニング。時間通り、スケジュール通りに進まないのが旅行というもの。時間という感覚にしばられないですむ上に、いつもとは違う経験もできて面白い。なーーんて、悠長にルンルン気分でいるのもつかの間。とっても外は暑い!これこそ灼熱地獄ですね。そそくさと車に入って休みながらも、外が気になり出たり入ったりしていた私です。でも、サンフランシスコに住んでいた私にとって、この真夏日(35度以上)というのも久しぶり!約2年ぶりの夏を味わってもいました♪

そんなこんなで、無事にシェムリアップに到着したのは、すでに夕方5時近く。7-8時間かかってしまいました。私達はタイを出たのが夜中なので、この日は一日中移動。ふぅ~・・と一息つきたかった所ですが、やはりガイドブック通り、Taxiの運転手は、やはり彼と取引しているゲストハウスへ私達をつれていきました。そこではないっていってるのにもかかわらず・・・。こういう場合、高くフッかけてくることもあるので用心が必要です。勿論、そうでない場合もあるけど。とにかく自分たちの予算によってゲストハウスを決めましょう。

私達は、Taxiの運転手のお抱えゲストハウスは断り、その場で降りて、最初にチェックしてあったゲストハウスの方向へと、荷物をしょいながら歩きました。このゲストハウス探しが、私にとっては苦痛。もう旅の疲れがでてきているのに・・・現地についてすぐに休めない。そんなわけで、暗くもなってくるし、何軒もまわっている余裕というものはなくなっていたので、最初に聞いた、LAの日本人がチェックしていたゲストハウスへ私達も泊まる事になりました。テレビ(←なかなか無いよ)とファン、室内トイレ・シャワー付きにしては値段も手頃。しかも、古くなく、こぎれいなゲストハウスでした。

荷物をおろし、落ち着こうかな・・・と思いながらも、結局、日本人の彼と夫と3人で、夕日を見に、さっそくアンコールワットへでかけました。というのも、この夕暮れ時にいけば、今日は無料でアンコールワットに入れて、明日からチケットを買えばいいという、お得な情報を、トゥクトゥクの運ちゃんから得たからです。勿論、彼も儲けられるし、なんですがね。

この日のアンコールワットは、丁度、週末に水祭り(11月の最初の満月の日に東南アジア各地であるお祭り)があるために、観光客はもちろんのこと、カンボジアの人達も各地から来ていたのもあって、とにかく、人が多い。その人の多さに、夫Cはかなり驚いていました(昔よりも観光が進んでいるというのも含め)。アンコールワットの遺跡群を囲む森のところどころに、テントを張ってきている現地の人達もとにかく多い。私はというと、その人の多さ、最初は「へぇ~アンコールワットってすごい賑わい」と、そんなものなのかと思っていました。しかし、水祭りが終わった後、そのテント軍がサっと引くように消えたのです。逆に私は、それに驚きました。

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上の写真は、アンコールワットから夕日を眺めた様子と、アンコールワットと水に浮かぶ月です。なんだか、もうヘロヘロに疲れた一日でしたが、アンコールワットから夕日をながめていると、今日一日のことなんて忘れてしまうぐらい、心地よい気分に包まれました。

あぁーとうとう、ここへきたんだなぁ。

東南アジアの旅 -Part 2/1-  11/5~11/8/2006:カンボジア(1) ~クメール王朝の栄光と繁栄~へ続く・・・





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