椿油のタネ(実)です
8月終わりから9月にかけて椿油の原料となる椿の実の収穫時期です。樹高が伸びた古い木は実の付き方が年々衰えます、どこかで世代交代を考えて植えて行かないと実の収穫は減る一方でしょう。私の家の周囲にも境界を示したり、強風を避けるためなどに有効な椿の木を植えています、祖父の時代からのもの、もっと前かもしれません。育てている地域によって収穫の仕方も変わります。大島のとなりの島である利島では下草を払い、完熟した実を包んでいた殻が割れて実が地面に落ちると集めて収穫します。大島では大多数が熟した実を木に登って採って、自宅の庭に天日干しして殻が割れるのを待って、殻から身を取り出して収穫します、そして数日天日で干してから油を搾ります。藤井工房では毎年この椿の実を店内に飾っています、お客さんの中にはこういう形の椿の実を見たことがない人が多いようなので、好評です。見比べていただくと、上の二つが今年の椿の実です、まだ葉っぱが緑色をしています。実が茶色く見える下の一つは2年前の椿の実です。大きさを比べるとはるかに下の実の方が大きいです。父から聞いた話ですが、大分前から大島の椿の木より利島の椿の木の方が種の大きさがずいぶん違うから、利島から苗木を買って送ってもらって植えていた、と言ってました。もう老木になっていますがそれでもこんなに大きさが違います。実はあらかじめノリで固定してあります、そうしないとバラバラになってしまいます。実を潰し薄皮をはがすと黄色い油の塊のような種があらわれます、これが椿油の素です。